「抜け毛がひどい」と思ったら!正常か異常かの見極め方法と対策を解説

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フリーライター・書評家。大阪に生まれ育ち、2010年に上京。2013年からライターとして活動開始。取材記事や書評、コラムの執筆を通し、「生き方の多様性」について考えるようになる。子どもの頃から強いくせ毛がコンプレックスで、中学生の頃から15年間縮毛矯正をあて続けていた。しかし、髪が傷み中断。ヘアケアをしつつ、髪のおしゃれを楽しみたいと思っている。

抜け毛「抜け毛がひどい」と思ったことは、誰でも一度はあるのではないでしょうか?しかし、抜け毛の全てが「異常である」と判断することは危険です。一定数までの抜け毛は正常であり、季節や体調によっても左右されます。

この記事では、医師である西田先生監修のもと、抜け毛を正常か異常か見極める目安と、抜け毛の対策方法を解説します。

監修者
  • 恵比寿美容クリニック
  • 院長 西田 恭之
  • 東海大学医学部医学科卒業後、都内市中病院での初期研修を経て、消化器内科診療に従事
  • その後、人間ドックでの診療を続けながら「恵比寿美容クリニック」にて皮膚科・美容皮膚科診療に従事。
    現在は院長として診療にあたっている

【資格】
日本内科学会認定内科医、美容皮膚科医・美容外科医・消化器内科医

※本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が具体的なクリニックや施術や商品等を推奨しているわけではございません。

抜け毛が異常なのかを見極める方法

毛の周期

人間にはヘアサイクルがあり、そのサイクルにしたがって抜け毛の量は変化します。自分の抜け毛の量が正常かどうか判断できない方に向けて、まずは正常な抜け毛・異常な抜け毛について説明します。

正常な抜け毛とは?

一日に50本から100本までは正常な抜け毛の量です。また、そのうちの約半分は髪を洗っているときに抜けます。

お風呂掃除をしていて、排水溝にたまった抜け毛が「とても多い」と感じたことはありませんか?洗髪時の抜け毛の量が、一人25本から50本であれば、心配する必要はありません。

異常な抜け毛とは?

一日の抜け毛の量が100本を超えた場合、病気(男性型脱毛症、円形脱毛症など)の可能性があります。

また、少し引っ張っただけで抜けたりするのも正常とは言えません。

この範囲までは正常、ここからは異常

正常な抜け毛の量の目安を目で見て確認しましょう。1人の男性もしくは女性が、1回髪を洗ったときに、髪の毛が抜け落ちた場合の量です。

・男性の髪、抜け毛50本

男性の抜け毛 50本

・女性の髪、抜け毛50本

女性の抜け毛 50本

ここまでであれば正常です。

男女それぞれ一人が髪を洗っている時に、100本髪が抜け落ちた場合の量も確認してみましょう。1人につき、1日50本から100本までが正常な抜け毛の量です。そのうちの半分(25本から50本)程度の髪が洗髪時に抜け落ちます。

そのため、洗髪時に下記の写真の量の髪が抜け落ちている場合は、異常だと言えます。

・男性の髪、抜け毛100本

男性の抜け毛 100本

・女性の髪、抜け毛100本

女性の抜け毛 100本

1回髪を洗ったとき、排水溝にたまった抜け毛を見てみてください。「異常かも知れない」と感じても、すぐには判断せず、この写真の抜け毛の量と見比べてみましょう。

抜け毛がひどい原因とは?

抜け毛の原因を具体化して見ていきましょう。抜け毛の原因は大きく3つに分けられます。

前述したように、自分では「抜け毛がひどい」と感じていても、正常範囲である可能性も高いのです。

正常な抜け毛=ヘアサイクルによる脱毛

ヘアサイクル(毛周期)のイラスト

動物の毛には、ヘアサイクル(毛周期)があります。

毛が成長する成長期を数年経た後、毛の成長はストップします。これが退行期です。退行期に入ってから2週間後、毛が抜け落ち始める休止期に入ります。休止期で抜け落ちなかった毛は、3,4カ月後に再び成長期に入ります。

これが繰り返されるのがヘアサイクルであり、休止期に抜け毛が増えるのは当然のことです。

ダメージによる抜け毛

対策次第で改善できるのが、ダメージによる抜け毛です。ダメージの原因は大きく3つに分けられます。

紫外線による髪や頭皮へのダメージ

1つ目は紫外線です。1年でもっとも紫外線が強いのは、実は夏が始まる前の5月です。帽子をかぶらず外に出てしまうと、肌と同じように頭皮もダメージを受けます。

2つ目に、カラーリングやパーマも髪にダメージを与えます。頭皮にも刺激を与えるため、かゆみや痛みを感じたら要注意です。

また、睡眠不足で抜け毛が増えることもあります。ホルモンを整え、髪の正常な成長を促すためにも、質の良い睡眠をとる必要があります。睡眠不足に付随して、生活習慣の乱れ(栄養のバランスを考えていない食事や運動不足)も、抜け毛の原因に繋がります。

病気(円形脱毛症など)による抜け毛

病気による抜け毛を診察する医師のイメージ1日のなかで100本を越える抜け毛は異常です。

男性型脱毛症(AGA)や円形脱毛症、粃糠(ひこう)性脱毛症などの病気が関係している可能性があります。

抜け毛の数だけではなく、「どの部分の毛が脱毛しているか」なども重要な判断要素ですが、早めに皮膚科で医師の診察を受けることをおすすめします。

病気による抜け毛については、下の記事も合わせて目を通してみてください。

原因③産後(女性の場合)

産後、親子で手をつなぐ写真出産後3カ月から半年の間に起こる脱毛は、生理的なものです。妊娠後期、女性ホルモンの分泌が多くなると、髪も寿命を延ばそうとし始めます。ふだんなら休止期の抜け毛になるはずの髪が、抜けなくなるのです。

そのため、出産後にホルモンバランスが元に戻ると、抜けなかった頃の分まで髪が抜けます。正常な抜け毛は50本から100本程度と言いましたが、出産後1年に限っては100本を超える抜け毛があっても異常ではありません。

抜け毛の正しい対処方法

マルとバツのプラカード抜け毛の対処方法を確認しましょう。抜け毛が増えると焦りますが、落ち着いてこれからどうすれば良いのか考えることが、改善に繋がります。

正常な抜け毛の対処方法

現在は抜け毛の量が正常でも、これから異常な抜け毛が発生してしまわないように、正しいヘアケアを心がけましょう。

外出後帰宅したら、就寝前になるべく早く髪を洗いましょう。特にシャンプーを使う際は、まず手でシャンプーを泡立ててから、頭部全体をまんべんなく洗ってください。髪だけではなく、頭皮全体を洗うことが必要です。

頭皮ケアローションなどで頭皮を保湿することも、異常な抜け毛を予防できます。育毛剤をつけて、マッサージしてみるのも良いでしょう。

ダメージからの抜け毛の対処方法

クシに絡んだ抜け毛の写真外出時は、たとえ自分では汗をかいていないと感じていても、知らず知らずのうちに頭部に皮脂がたまっています。帽子や日傘、UVスプレーなどを活用して、紫外線を避けるようにしてください。

また、異常な量の髪が抜け落ちているにも関わらず、カラーリングやパーマを続けると、ダメージによって抜け毛は増えてしまいます。一度中断することも検討しましょう。

生活習慣を見直し、可能であれば週に2回程度、定期的に運動をすることを心がけることもポイントになります。体を動かし、頭皮の血流を良くすることが大切です。

ただ、いずれの方法もすぐには効果が出ないことがほとんどです。最低でも3ヶ月、できれば半年続けてみてください。

病気による抜け毛の対処方法

病気による抜け毛や薄毛を診察する医師のイメージ円形型脱毛症など、抜け毛の原因が病気であることが判明した場合は、根気強く治療することが大事です。毛髪の病気は、治療可能なものもあります。

病院に行き、医師に処方してもらった内服薬や発毛剤を使うことも、病気によっては必要になります。

治療を進めるのと同時に、生活習慣を整えるのは、ダメージによる抜け毛と同様に欠かせません。すぐには効果が出なくても、焦ったり失望したりせず、根気強く治療しましょう。

アドバイスしてくれる美容院もある

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※薄毛専門美容室スヴェンソンのヘアカットによるビフォーアフター

抜け毛に悩んだら、美容師に相談するという方法もあります。しかし、だいたいの美容院は、ヘアスタイルのおしゃれや流行を優先しています。ヘアケアに重点をおいた美容院を見つけましょう。

例えば、抜け毛や薄毛に悩む人のために、本格育毛ケアや頭皮ケア、地毛を活かしたヘアスタイルを実現してくれる、スヴェンソンという男性専門の薄毛専門美容室もあります。

毛髪診断士の資格をもつ薄毛に詳しいプロのスタイリストが在籍しており、プライベート空間でサービスを受けられるため、安心して髪の悩みを相談することが可能です。

初回は特別価格でサービスを受けることが可能です。正しいシャンプー方法や薄毛対策方法などの話も聞けるので、ひとりで悩みを抱え込まずに、まずはスヴェンソンへ行くことも考えてみましょう。

抜け毛は正常かどうかの見極めが何よりも大事

「抜け毛が増えたな」と感じたら、まずは自分の抜け毛が何本くらいあるのか知ることが解決につながります。

正常な抜け毛、ダメージによる抜け毛、病気による抜け毛……それぞれで対策が変わってきます。自分がどこに当てはまる抜け毛なのか、しっかりとチェックしましょう。

参考文献

乾 重樹 (著), 植木 理恵 (著), 伊藤 泰介 (著), 倉田 荘太郎 (著), 大山 学 (著), 板見 智 (監修)

『薄毛の科学(おもしろサイエンス)』日刊工業新聞社、2016年

本田光芳 (著), 伊藤雅章 (著),木島敬二 (著),永島敬士 (著),熊澤立直 (著)

『新ヘア・サイエンス 第2版』公益社団法人日本毛髪化学協会、2015年

時事メディカル「毛髪の病気」

公開日:2020/01/27

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