薄毛で新社会人の物語(仕事編)
株式会社スヴェンソン所属。毛髪技能士の資格を有する、髪のプロで構成された編集スタッフ。髪コトを通して、皆さまが抱える髪の悩みや不安、疑問を少しでも解決できるよう、分かりやすく情報を届けていくことを心掛けています。
今回は、筆者が社会人になる時のエピソードから、髪×コトを考察していきたいと思います。
もう、かれこれ25年ほど前のことですが、筆者も新社会人の時がありまして(バブルの余韻がまだまだ残っていた時代でした)…
大学では部活とアルバイトの繰り返しの生活を送っておりましたので、毎日働くことなんて初めてのことで、「これから40年近くも働くのかよ」と憂鬱な気持ちだったことを今でもよく覚えています。
20歳を過ぎたころから複数のアルバイトの先輩から
「おまえ、猫っ毛だし将来ハゲそうだな~」
と指摘され、挙句の果てに親戚のおばさんにまで
「お父さんフサフサなのにね~」
などと言われる始末。この何の悪気も無い言葉がホントに「グサッ」と刺さったものです。
しかも先輩よりも親戚などから指摘されるのが実は相当堪えたりします。
このように、20代前半にして薄毛を自覚していた私にとって、「新たな人々と顔を合わせる(しかも同世代)」ことは、楽しみである以上に「どう上手くやり過ごせるのか」という修羅場でもありました。
私が新卒で入社した会社は、比較的大きな会社だったので、大卒の同期が90名ほどいました(うち男性70名)。入社日から4月末までは配属が決まらず、毎日会社の研修室がある新宿のとあるビルに通勤をしていました。
さらにこの時期は「花見」とか「歓迎会」とか一年の中でも飲みファクター満載の月で、しかも東京以外のところから来ている人は基本帰る家もなくホテル通いなので、夜は「飲むしかない」という状況が出来てしまいました。
結局4月は週3~4回のペースで研修終了後は飲み会という日が続きまして…
ここで薄毛民にまた心配の種が…
「飲みの肴にされるかもしれない」
お酒を楽しく呑みたいのに、髪のことが気になってしまって呑めない…
20代も前半、ほとんどの同期の髪はフサフサ、そんな中で自分だけが髪を気にしながら飲み会に参加することが本当に辛かったですね。
約一ヶ月間の研修も終わり、その間に私は同期の間で「あだ名」がつけられていました。
「課長」
なぜそのようなあだ名がついたかは皆さまの想像にお任せいたしますが、要は「それだけ老けて見えた」ということです。
なんでこんなエピソードを紹介したかというと…
「気にしなくてもいいのに」
この言葉はこの若さでは理解できないんですよ。そんなに人間、強い人ばかりじゃない。
自分でお金を稼ぐようになった。女性からモテたい。仕事も若々しくバリバリやりたい。そのためには第一印象も大事。お酒もスマートに呑みたい。これって多かれ少なかれ「容姿」が与える影響って大きいんじゃないかって思いません?
この時期に髪があると無いとでは、思考回路がポジティブになるかネガティブになるか、両極端な違いになりまして、つまりは人生にまで影響するかもしれない、ということです。
今、50歳近くになっていろんなことを経験してきて当時を冷静に振り返ることができるのですが、髪が薄いということは、若い時期への影響だけでなくその後の人生に大きな影響を与えるんじゃないか?と思うわけです。
皆さまの近くに若手の薄毛の方がいても、絶対にハゲネタでいじるようなことはしないでくださいね。皆さまが思っている以上に本人は気にしていますので。
公開日:2019/04/10