薄毛に早めのケアが求められる理由

株式会社スヴェンソン所属。毛髪技能士の資格を有する、髪のプロで構成された編集スタッフ。髪コトを通して、皆さまが抱える髪の悩みや不安、疑問を少しでも解決できるよう、分かりやすく情報を届けていくことを心掛けています。

鏡を見て、生え際を気にする男性

抜け毛の増加、髪質の変化、髪の毛全体のボリューム低下など、薄毛のサインを放置していませんか? 薄毛はゆっくりと着実に進行していきます。外観上、明らかに薄毛だとわかる段階になってからでは、回復が難しいかもしれません。毛量を回復させるためには、何よりも早めのケアが求められます。

こちらでは、薄毛に早めのケアが求められる理由や、初期の薄毛に気付くための心構え、おすすめする具体的なケア内容などをご紹介します。

毛量の回復量と回復速度は薄毛の進行度によって変わる

薄毛は早い段階で気付き、ケアを始めることが大切だと考えられています。これは、AGA(男性型脱毛症)が進行性であるためです。薄毛を放置しても自然に回復することはなく、むしろどんどん症状が進行してしまいます。

さらに、ケアが遅れるほど毛量の回復に時間がかかります。回復後の毛量も、ケアが遅れるほど期待できません。また、後期段階の薄毛ではそもそも回復自体が難しいと考えられています。

ハミルトン・ノーウッド分類

世界中で薄毛の進行度を判断する指標として使用されている「ハミルトン・ノーウッド分類」では、薄毛を進行度に応じて7段階に分けています。中期にあたるⅢ~Ⅴ型では、回復する毛量の見込みが6~8割程度になってしまうようです。Ⅵ以降の後期段階は、頭皮の発毛力が失われているため、自毛植毛やかつら(ウィッグ)の使用を行うという手段になってきます。

反対に、初期段階であるⅠ~Ⅱ型はまだ、もとの状態に戻る可能性が十分に期待できる段階です。これらの段階は薄毛と認識できる外観的な特徴が乏しく、見落としてしまうことがあります。しかし、さらに薄毛を進行させる前に、この段階で薄毛に気付きケアを始めることはとても大切なのです。

また、ケアに「早すぎる」ということはありません。目立った脱毛がなくても、予防としてクリニックを受診する方はいます。特に薄毛になる方が多い30・40代の方は、薄毛を実感していなくても自発的にケアを始めるのがおすすめです。

まずは薄毛に早く気付くこと

鏡を見て、薄毛を気にする男性

薄毛の回復は早期発見できるかどうかにかかっています。特に、ハミルトン・ノーウッド分類の初期型の段階で気付き、ケアを始めることは重要です。一方で、初期段階の薄毛は症状が顕著ではないため気付きにくいという問題があります。

まずは、日常的に額の生え際を確認することを習慣づけましょう。「なんとなく、生え際が気になる……」といった些細な気付きを無視しないことが大切です。手ぐしを通した際の感覚からも、毛量の変化がわかります。

抜け毛の量についても注目してください。一般的には一日100本前後は抜けるものですが、200本を越えると要注意とされています。枕についた抜け毛の量やお風呂場の排水溝にたまった髪の毛の量などが重要な判断材料になります。

枕に落ちている大量の髪の毛、排水溝にたまった大量の毛

髪質の変化にも注目が必要です。以前より髪質が弱々しくなってきた場合は、頭皮環境が悪化して髪の毛に栄養がいきわたっていない可能性があります。また、「スタイリングが難しくなってきた、長時間維持できなくなってきた」といったケースでは、髪質が変化していることが考えられます。

もちろん、中期・後期の薄毛に進行していたとしても手立てがないわけではありません。一般の方の目で確認すると細かい毛に気付かずに実際の状態以上に薄毛が進行していると感じてしまうケースがあります。必要以上に悲観的にならずに、クリニックに行き状態を確認してもらいましょう。

「自分は薄毛にならない」という過信は危険

注意

髪の毛が成長するためには、成長期・退行期・休止期を繰り返す「ヘアサイクル」が大切です。成長期が十分にあれば、髪の毛は健康な成長を維持できます。薄毛は、ヘアサイクルが乱れ成長期が短くなってしまうために起こります。

加齢、ホルモンバランスの崩れ、生活習慣の悪化、遺伝などがヘアサイクルを乱す代表的な原因です。長く健康な毛髪を維持してきた方でも、こうした要因から薄毛になってしまうことはあります。実際に、薄毛になってしまった多くの方が、過去には「自分が薄毛になるはずはない」と思っているのです。

上述したとおり、薄毛の初期段階は症状が顕著ではありません。「自分は大丈夫」という過信が、さらに発見を遅らせる可能性があります。誰でも薄毛になる可能性があるということを覚えておいてください。

飲酒と喫煙

食生活が乱れている方、十分な睡眠時間が確保できていない方、アルコールを常飲している方、タバコを吸っている方などは特に注意が必要です。ストレスなどの悪条件が重なるとさらに薄毛を発症する確率は高くなります。

加齢もヘアサイクルを崩すひとつの要因ですが、若い方でも薄毛の可能性は否定できません。若い方ほど「この歳で薄毛になるはずがない」という過信で、薄毛のサインを放置してしまいがちです。20代であっても油断は禁物です。

薄毛の初期段階で行いたいケア

初期の薄毛に気付いたら、早速ケアを始めましょう。最初は自宅でできるケアでかまいません。ケアに着手するのが早ければ簡単なケアで毛量が回復していくこともあります。以下では、薄毛の初期段階で行っていただきたいケアの例をご紹介します。

(1) 生活習慣の見直し

バランスの良い食事、シャンプーする男性、睡眠をとる男性、リラックスする男性、飲酒と喫煙

生活習慣の見直しは、最も基本的な薄毛対策です。食事では、髪を構成するたんぱく質を積極的にとるように意識します。肉類や納豆、豆腐などを多く食べるとよいでしょう。

洗浄力が強すぎるシャンプーは、少しずつ頭皮にダメージを与えていきます。洗浄力がやさしいシャンプーを使い、頭皮の保護に必要な皮脂を残しましょう。

飲酒・喫煙も薄毛をまねきます。適量の飲酒は頭皮の血行を促進させますが、あまり多くのお酒を飲むと、髪の成長に必要なアミノ酸がアルコールの分解に使われてしまうのです。また、喫煙で体内に入り込むニコチンは血行不良を引き起こします。

適切な成長ホルモンを分泌させるために、睡眠は6~8時間とるのが理想的です。近年は、横になりながら操作するスマートフォンも睡眠不足をまねく要因として問題視されています。寝る前は、脳を活性化させる可能な限りリラックスすることを意識してください。

ストレスも頭皮環境に悪影響を与えます。環境の変化には、多くの場合ストレスが伴います。休んだり、発散方法を見つけたりして、適切にストレスマネジメントを行いましょう。

(2) 頭皮マッサージ

頭皮マッサージする男性

頭皮マッサージには、血行の改善、頭皮が柔らかくなるといった効果が期待できます。お金もかからないためおすすめです。

前頭部や生え際を押しあがるようにマッサージしてください。頭皮全体をやさしく指の腹でもみあげる方法も一般的です。具体的な方法は以下のとおりです。

  1. 手のひらで、円を描くように頭全体をもみほぐす
  2. 指の腹で頭皮を押さえ、指先で円を描きながら頭全体をもむ
  3. 頭の両サイドと襟足から頭頂部を、指先で軽く叩くように刺激

お風呂上がりの習慣にしてみてはいかがでしょうか?

(3) 育毛剤の使用

育毛剤を使用する男性

育毛剤には発毛剤のように髪を生えさせる効果はありません。反対に言えば、薄毛がそこまで顕著ではない段階で育毛剤を使用しても問題はないのです。適切な育毛剤を選べば、頭皮や髪が回復する力をサポートできます。薄毛の初期段階では、育毛剤を使用して髪の栄養を補填することも重要です。

まとめ

薄毛が明らかになってからでは、すでに回復が難しいかもしれません。常に髪の状態に気を配り、薄毛に気付いた段階でケアを早く始めることが大切です。多くの薄毛は進行性でありゆっくり着実に脱毛部が広がっていきます。反対に言えば、いきなり大きな脱毛が起きるわけではないということです。注意していれば、薄毛の兆しに気付けます。その段階で、今回ご紹介したような改善案を行い、回復を目指してください。

参考URL

https://www.hairmedical.com/usuge/usuge-kaizen/
http://www.stujio.jp/menscut/entry21596.html
https://lab.chapup.jp/cat4/mens-hair-care/mens-measures-258
https://belle-cheveux.org/light-thinning-countermeasure/
https://hamilton-journal.com/post-1605/
https://hagekatsu.com/wakahage-genin/
https://www.oricon.co.jp/special/2018/aga-treatment/

公開日:2019/02/28

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