カツラで2度救われた人生!カツラとわたしの命の深い関係
株式会社スヴェンソン所属。毛髪技能士の資格を有する、髪のプロで構成された編集スタッフ。髪コトを通して、皆さまが抱える髪の悩みや不安、疑問を少しでも解決できるよう、分かりやすく情報を届けていくことを心掛けています。
電化製品を製造する某大手メーカーに勤めていた彼は、若い頃、社内の従業員の勤怠や経費を管理する事務仕事を担っていた。50代後半に、病気で仕事を退職。それ以来、年金を受け取りながら、静かに暮らしている。
かつて彼は、薄毛に悩み、2社のカツラメーカーで増毛を経験するも失敗。それでも3社目で理想の増毛法に出会い、「人生を2度救われた」という。今回お届けするのは、彼が増毛をめぐって体験した半生。
増毛始めるも…しつこい押し売り営業に苦しむ日々
私の親父は薄毛だ。私が薄毛になってしまったのは、親父からの遺伝があるかもしれない。
30代後半にさしかかると、母から「薄毛だと老けて見えるから、増毛したほうがいいんじゃないの?」と直接言われた。
そう一度指摘されてしまうと、鏡を見る度に「弱々しい毛だな。元気ないな…」と気になってしまう。悲しいかな、これが人間というものだ。
母が私に「結婚してほしい」と思っての発言なのはよく理解していたし、私自身も良い嫁が欲しいと思っていた。
そこで、当時大手で有名だったカツラメーカーのA社に行き、増毛に初挑戦してみた。感触は良いとは言い切れなかった。理由は二つ。一つは人工毛が使われているカツラで、どことなく違和感があったということ。
そしてもう一つ、どうしても耐えきれなかったのがスタッフからの営業トークだ。A社は次から次へと新しい製品に関する営業トークをしてくる。おまけにそれが、月1回のカツラのメンテナンスをしてもらっている最中にしてくるものだから逃げられない。新しい製品が必要なわけでもなく、我慢して受け流すしかなかった。
とはいえ、人には限度がある。とうとう耐えきれなくなって、別のB社のカツラに切り替えた。だが、このB社でも同じように営業トークを受けた。うんざりだったし、ガッカリさえした。
カツラを被る人はたいてい、誰にも相談できない。だから、売り手に不安をあおられて、より良い製品をどんどん買わされることになるのだろう。そんなことを考えてしまい、悲しい気持ちになったのは言うまでもない。
ついに出会った、信頼できるカツラメーカー
40代に入ると転機が訪れた。
雑誌広告で、新しいカツラメーカーのC社を知った。そのメーカーは、過去の2社と比べて知名度の低い企業ではあったが、カツラを地毛に編み込むという独自の増毛法を展開している。そんなものがあるのかと興味が湧いて、話を聞きに行った。
C社の店舗には、人あたりのいい男性スタッフが在籍していて、すぐ好感を抱いた。料金体系も分かりやすいし、「この人に任せれば大丈夫かもしれない」と信頼感すら芽生えた。この出会いは幸せなことだった。
いざ製品をつけてみたら、期待が確信に変わった。地毛に編み込むというのは予想以上にフィット感があり、外れる心配がない。また、人毛を採用しているため、地毛との境目が非常に分かりづらい。鏡で確認した見た目も、ナチュラルだった。
C社では、A社やB社のような営業トークを聞かされることもなかった。これが非常にありがたかった。どのスタッフもフランクで、自分たちの経験などに基づいた様々なアドバイスをくれた。
やっとだ。やっとの思いで理想の増毛環境に出会えた。久しぶりに、薄毛にまつわるストレスから開放された。
メーカーを変えたら奇跡的に地下鉄サリン事件を回避?!
また、C社に切り替えた頃に妙な強運も働いた。
当時都内に勤めていた私は、もともと地下鉄の電車で通勤をしていた。しかし、C社に切り替えたことがきっかけで、C社の店舗と会社のあるエリアを結ぶバスを利用するようになった。バスの席に腰を下ろし、街を見ながら通勤するのは新鮮だった。
ある日会社に出社したら、上司が血相を変えて私のもとへやって来て「よく会社に来れたね!」と真剣に言ってきた。
会社員が、会社に出社する。当たり前のことをやっただけで、こんなに褒められてすごく奇妙に感じた。バス通勤に切り替えたことで、どこか違う世界に迷い込んでしまったのだろうか?
謎はすぐ解けた。上司にうながされてテレビを見ると、地下鉄の外に搬送される人々、パトカー、救急車が生中継で放送されている。搬送される人数は5人、10人の規模ではない。ゆうに3桁を超える人数だ。なんだこれは、と愕然とした。
地下鉄サリン事件。後世に伝わる平成最大のテロ事件だ。
この映像を見ていたら、かつて私が利用していた地下鉄の駅が映っていた。もしも私がC社の増毛に切り替えずに地下鉄通勤を続けていたら、私も今頃、テレビの放送に映る被害者の1人になっていたかもしれない…。顔が青ざめ、身震いがした。
50代後半うつ病になる。カツラが救った人生
3つのカツラメーカーに通ったが、完全に薄毛になる前から増毛をし始めていたということもあり、増毛自体にまつわる心境の大きな変化はない。
ただし私は、何でも興味を持つ性格。さまざまなスポーツにチャレンジすることが多かった。そんなわたしにマッチしたのは、最後に出会ったC社の地毛にカツラを編み込むタイプの増毛法だった。水泳すら出来てしまうのだから、心底驚いた。
増毛して薄毛の悩みが解消された私だが、年を追うごとに仕事が忙しくなり、定年退職する前に、うつ病などを患った。
症状がひどい時は、玄関から一歩踏み出すのが大変だった。玄関を出さえすれば、普通に外出できるのが分かっていたけど、とにかく出るまでが大変だった。カツラの手入れをしに店舗まで出かけるというのも難儀だった。
ただしこれは、違う見方もできた。もしも増毛していなかったら、周囲の目を気にしてネガティブ思考に陥り、ますますうつ病が進行して、気分が落ち込んでいたかもしれない。そう考えると、気持ちが楽になった。私の人生は、カツラに2度救われたといっても過言ではないだろう。
今でも私の健康状態は、公的には障害者の部類に入る。しかし積極的に外に出ているし、人と関わりを持つのが楽しみだ。長生きして、周囲の人たちと仲良く暮らしていきたい。それが、今の私の願いだ。
この物語に出てくる「編み込み式の増髪」はスヴェンソン。スヴェンソンは、髪型を変えるように髪を増やすことが自然な選択肢になってほしいと考えています。「増髪(ぞうはつ)」というコンセプトのもと、髪を増やすことは男磨きのひとつとして、様々なサービスを提供しています。
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公開日:2020/06/18