増毛して生まれ変わる。引きこもりの僕が笑えるようになったのは

株式会社スヴェンソン所属。毛髪技能士の資格を有する、髪のプロで構成された編集スタッフ。髪コトを通して、皆さまが抱える髪の悩みや不安、疑問を少しでも解決できるよう、分かりやすく情報を届けていくことを心掛けています。

食品工場管理の仕事にたずさわりながら、開発の仕事にも従事している彼は、週2日の休暇は、妻と一緒に遠出して美味しいグルメやテレビ・雑誌で話題の食べ物を食べたりするなど平穏な時間を過ごしている。

しかし高校時代は「同級生はもちろん、先生ともほとんど会話しなかった」という。

17歳の頃から薄毛に悩まされ、内向的に暮らしていた彼は、地毛に編み込むタイプのカツラに出会って、人生を文字どおり一変させる。

今回たどっていくのは、そんな彼が歩んだ苦悩と人生逆転のストーリー。

「一言くらい喋れよ」先生とも会話できない学生時代

教室で呆ける男子生徒

僕は30代から、19年にわたって地毛に編み込むタイプのカツラをつけている。それまでは苦難の連続だった。

帰宅部だった高校生の頃から性格がわりと根暗で、学校では誰とも喋らなかった。同級生はもちろん、先生ともほとんど会話しなかった。誰かに「一言くらい喋れよ」と怒られた思い出がある。我ながら、誰の記憶にも残っていないんじゃないかというくらい、存在が薄かったと思う。

それでも、自営業を営む家族との仲が悪く、学校には毎日通い続けた。学校と家。当時の僕は究極の二択を迫られて、学校を選んだ。そんなストレスもあってか17歳の頃から抜け毛が目立ち、次第に薄毛が気になり始めた。

受験とバイトと薄毛、そしてバブルな時代

机に突っ伏して寝る男性

高校を卒業し、大学受験に失敗すると「家業を継げ」と親に言われた。でも、それが一番嫌だった僕は、一浪することを決意して勉強にいそしんだ。その時は、薄毛が気になったり一人で生計を立てて暮らす自信もなかったりで、家族に会わないように自分の部屋から一歩も出ない日々。一時は何か精神の病ではないかと、自分で疑ってしまうくらい重度の引きこもりだった。

19歳の時に関東の夜間4年制大学に合格し、ほとんど家出同然で飛び出して1人暮らしをスタートした。昼間はパチンコ屋でバイト、夜は学校という生活を続けた。バブルの時代だったので、学生のバイトでもボーナスが20、30万円出るなど景気が良かった。自分で学費を払ってもなお、生活費に大きく困ることはなかったくらいだ。

一方、20代に入るとさらに薄毛が進行した。進行を止めようと、育毛を謳うサービスをいくつも試した。AGAなど現在注目されている治療法はなく、時には怪しげなクリニックに足を踏み入れたこともある。個人輸入でプロペシアやミノキシジルも購入していた。こんなにいろんな種類の薄毛改善方法を試したものの、頭部に目立った変化は見られなかった。

薄毛を気にして工場勤務。彼女と出会ったきっかけは…

作業着を着ている男性

学生時代のうちにバブルが弾け、希望していた情報処理関連の仕事が減った。そんな事情もあり、卒業する23歳の時、工場勤務の会社を1社だけ選んで、会社も工場も一切見学せずに新卒で入社した。

工場で働くことを選んだのは、接客業などに比べて不特定多数の人に会う機会が少ないからだ。また、全身をすっぽりユニフォームで包むため、薄毛を気にする必要もない。事務職で机に座って、常に誰かの視線を感じる心配もない。車で通勤する時も帽子をかぶっていられた。今振り返っても、薄毛のコンプレックスが仕事に大きく作用したと思う。

社会人になっても人付き合いが苦手なのは変わらず、なかなか女性と交際する機会がなかった。

男女で会話する様子

しかし転機が訪れた。会社につとめて数年経った時、ねずみ講でよく知られる会社のサービス勧誘を行っていた4歳年上の女性が、私に積極的に話しかけてきた。未来の妻だ。

僕は、必要もない洗剤やら鍋やらを彼女に言われるがまま購入した。暗い青春時代を過ごしていた私は、話しかけられること自体が嬉しかったのだ。騙されていると分かっていたけど、彼女とは「お客と売り手」の関係を続けた。

そのまま5年ほど経ってから、彼女が正気になって、このねずみ講のサービスに関わるのをやめた。正気に戻った彼女は、商品をたくさん買わせてしまった私のことをかわいそうに思ったのか、商品の話なしで会って打ち解けるようになった。そうして彼女との関係が深まり、30代前半に同棲することになった。

彼女と同棲、カツラ、2人の恩人…人生が劇的に改善

同棲するにあたって、1つ問題が浮上した。薄毛だ。

会社で会う時は頭まですっぽりユニフォームを着ていたし、プライベートでも帽子をかぶればそれで良かった。しかし、家の中でもそうするわけにはいかない。今まで隠してきた薄毛が、隠しきれなくなった。

夫婦で会話する様子

同棲するとなり、薄毛のことをとうとう彼女に告白した。僕にとっては17歳の頃からずっと悩んできた大きな問題だった。だが彼女は、「坊主にすれば?」とあっさり一刀両断した。それを聞いて笑いがこみ上げた。

後日、彼女が本や雑誌で読んで見つけた地毛に編み込むタイプのカツラの存在を教えてくれた。あの話の後、僕のためにひっそりと調べてくれたのだろう。彼女の気持ちが嬉しかった。

実際のところ、薄毛の進行を止められず、隠しきれるギリギリのところに差しかかっていた。そこで、彼女に教えてもらったカツラメーカーへ相談しに行くことにした。

ただ、気心知れた人以外と話すのは抵抗があった。いざ店に行くと緊張してしまい、スタッフに言われるがまま、トントン拍子でカツラの契約をしてしまった。さっそくその日のうちにお試しでつけたら、思った以上に重量感があって「これでいいのだろうか?」とカツラのことで悩むように。

僕自身の変化。疎遠だった家族との関係修復

青空

ある日、不安な状況が一気に好転した。カツラの店にメンテナンスで通ううちに、髪の手入れに関してスタッフを指名できることを知り、気に入っていた2人の女性にお願いするようになった。それから、カツラについて悩んでいたことが全て解決した。ちょっとイマイチに感じていた髪型も劇的に変わった。

通い始めた頃は、彼女たちが一方的に喋って僕は笑っているだけで、1,2時間したら髪型が変わっているという流れだった。そうやって彼女たちと毎月接しているうちに、私の性格自体が変わっていった。人と率先して話すようになり、職場でも部下や後輩に優しく接する余裕ができた。不思議なことに、10年以上疎遠だった兄弟、大嫌いだった両親とも交流するようになった。

今あらためて振り返っても、重度の引きこもりだった自分がここまで変われたことにとても驚く。地毛に編み込むカツラ、カツラメーカーのスタッフ、そして長年連れ添った妻。

色んな出会いに感謝したい気持ちでいっぱいだ。


この物語に出てくる「編み込み式の増髪」はスヴェンソン。スヴェンソンは、髪型を変えるように髪を増やすことが自然な選択肢になってほしいと考えています。「増髪(ぞうはつ)」というコンセプトのもと、髪を増やすことは男磨きのひとつとして、様々なサービスを提供しています。

詳細は以下リンクからご覧ください。まずは気軽に無料体験!納得してから始められます。

 

公開日:2020/05/15

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