増毛は女性の化粧と一緒。経営者の立場を満たしてくれたカツラとは!?

株式会社スヴェンソン所属。毛髪技能士の資格を有する、髪のプロで構成された編集スタッフ。髪コトを通して、皆さまが抱える髪の悩みや不安、疑問を少しでも解決できるよう、分かりやすく情報を届けていくことを心掛けています。

いすに座る重役の男性

薄毛であると自覚したころは、何事にも消極的だったと言う。会社を経営する立場として、身なりを整える重要性は、誰よりも知っていた。だからこそ、なんとかしたいという思いが強かった。

その思いを胸に、増毛を決意。数社での苦い経験を経て、編み込み式のカツラをつけてからは、あまりの自然さに「髪が戻ったの!?」と驚かれたこともあったそうだ。

「増毛は女性の化粧と似ているよ。『化粧をしないと外に出られない』とか『化粧をすると積極的になれる』とか。そのイメージに近いんだ」

増毛後の心境を、そんなふうに口にする。消極的だった自分から、積極的になれた自分へ。心の変化をたどっていく。

経営者と薄毛との関係

薄毛かもしれないと自覚をしたのは、長男が産まれた20代後半だ。お風呂で洗髪をすると、髪が束のようになってごっそりと抜けていく。排水口にたまる髪の毛の量が尋常ではなかった。

当時は結婚したばかり。社会的にもまだまだ力がない中で、子どもも誕生し家族を養っていかねばならないという責任感も芽生えていた。と同時に、徹夜仕事を何年も続けていたから、自分のキャパを超えた生活を送っていたことが、薄毛の要因かなと思っていた。もちろん、父も髪が薄かったから遺伝的要素もあるだろう。

悩み落ちこむ男性「なにか対策をしよう」と考えて、最初は市販の育毛剤を使っていた。でも、あまり効果を感じられない。だから、CMで見たふりかけタイプの増毛法を試していた。だが、だんだんそれも間に合わなくなってきて、カツラをつけようと考えるようになっていたのだ。

周囲から薄毛を指摘されることはなかったが、自分自身が「なんとかしたい」と強く思っていた。髪が薄くなったことで、全てにおいて消極的にもなっていたからだ。会社を経営する立場として、身だしなみは常に整えていたいという思いがあったが、会社経営者のくせに、人に会うことや外に出ること…全てにおいて億劫になっていった。

家族や兄弟からは「全然気にすることはない」と言われたけれど、自分の問題。だから、大手メーカーに行く決心は早かった。

カツラを作ったがゆえの不安

最初は実際に金具で止めるカツラを作ったが、恥ずかしかったのを覚えている。ポンと乗せている感じだったし、最近の製品と違って、見るからに「カツラ」っぽかったのだ。急に髪が増えたように見え、周囲にもきっと分かってしまうだろうと感じていた。「誰にいつ言われるか」という不安を抱える中、スタッフの対応もキツイものだった。

髪を気にする男性

「ないと困る」ものだからこそ、「たくさん作らないと」と言われ、半ば押し売りのような形が続く。それも一対一のプライベート空間のような場所だから精神的にも苦しい時間が増えていたのだ。さらに、あるときには、「被害者の会」のようなところから電話がかかってきたこともあった。「一緒に訴えませんか」という内容だったが、今の時代では考えられないずさんな個人情報管理に愕然としたのを覚えている。

そうしたこともあって別の大手メーカーに変えたものの、そこで作った貼り付けるタイプのカツラも、生活を続ける上で不安がつきまとう。継続していくのは難しかったので、ここもやめてしまった。

「地毛じゃない」と言える自信

その後、編み込み式のカツラがあるメーカーに行くことにした。そこに行こうと考えたきっかけは忘れてしまったが、美容師をしていた妻に一緒に来てもらった。もともと妻は「自分がやりたいなら」と増毛に関しては応援をしてくれていたから、一緒に来てくれたのは心強かったし、スタッフの対応も、他のメーカーと比べても優しかったから安心出来た。

編み込み式のカツラをはじめてつけるときは、事前に小2になっていた長男や義兄にも明かしていた。実際につけて帰ると義兄は「いいよ、似合うよ」と言ってくれた。長男も「いいじゃん」と褒めてくれる。

それに、十数年ぶりに会った高校時代のバンド仲間から「髪が戻ったね。復活したの!?」と言われたときには驚いた。まったく気付いていなかったのだ。「実はカツラなんだよ」と伝えると「全然分からない」って、向こうも驚いていた。それくらい自然だったのだろう。

気付けば、編み込み式のカツラをつけるようになって、友人や知り合いに「地毛じゃない」と言えるようになっていた。趣味でもあるゴルフのあとに髪を洗えるようになったし、泊りがけの出張や旅行でも心配事が減った。

ゴルフをする男性

カツラの変化と気持ちの変化。いずれ来る卒業も視野に。

改めて編み込み式のカツラをつけて良かったなと思うが、何より、増毛をして積極的になれたことは大きい。職業柄、いろいろな人と接する機会も多く、かつては「積極的にやっていかないと」という思いが常に心にあったからだ。加えて、父が長く経営者をしていたこともあって、第一印象や見た目の格好に気を使う意識が、自分の中にも自然と培われていたこともある。その面でも、今は十分満たされている。

思えば増毛は、ある意味、女性の化粧と一緒なのかなと感じる。よく「化粧をしないと外に出られない」、「化粧をすると積極的になれる」という言葉を聞くが、似たような感覚なのだ。

だからこそ、増毛の卒業時期は考える。今は、年齢相応に白髪交じりで短くしてもらっているが、今後は「どうしようかな」と。あるときに急になくすというイメージは、今のところ沸いていない。心のどこかで、髪の毛をなくすのが嫌だと思っている自分もいる。だから…もう少しこのままのスタイルで過ごしながら、これからのことを、ゆっくりと考えていこうと思う。


この物語に出てくる「編み込み式の増髪」はスヴェンソン。スヴェンソンは、髪型を変えるように髪を増やすことが自然な選択肢になってほしいと考えています。「増髪(ぞうはつ)」というコンセプトのもと、髪を増やすことは男磨きのひとつとして、様々なサービスを提供しています。

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公開日:2020/02/10

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