カツラは恥ずかしいもの?違う、そうじゃない!
株式会社スヴェンソン所属。毛髪技能士の資格を有する、髪のプロで構成された編集スタッフ。髪コトを通して、皆さまが抱える髪の悩みや不安、疑問を少しでも解決できるよう、分かりやすく情報を届けていくことを心掛けています。
「オレは、別人のような感覚だったよ」と豪快に笑う。
20代半ばで薄毛と向き合い、育毛剤、結毛を試したが、効果を感じられなかった時間を経て、37歳で編み込み式のカツラと出会った。
「今は、服を買うことや人付き合いが楽しくなった」と嬉しそうに話してくれる。だが、自分自身が大きく変わり「カツラによって新しい自分も発見」できたからこそ、思うこともあるようだ。
「似合っているなら、つけていてもつけていなくてもどっちでもいいよね。日本では薄毛が恥ずかしい、隠さないといけないっていうイメージだけど、本当はさ」
核心を突くような一言に聞こえた。
明るく楽しく、テンポの良い会話の中に、ふとこぼれた本音。その思いを聞いていく。
一度薄毛を指摘されると「意識してしまう」呪いにかかる
高校を卒業してから、工場に勤めて約4年。社会人としてもひとりの人としても尊敬できる先輩から「頭頂部、薄くないか。早めに手を打ったほうがいいぞ」と言われた。
それまでは、あまり鏡を見なかったし、ましてや頭頂部だから気づきにくかったし、気にしていなかった。だが、その一言がきっかけで「確かに薄いかも」と気がついた。
よくよく考えてみると、シャンプーのときに、コシがなくなってきたし、よく頭もかゆくなっていた。薄毛を指摘されてから、こんなふうにすべてが「そういえば…」と連想されていった。でも、まだ20代半ば。増毛を考えたものの、限られた給料でお金をかけることはできなかった。
「結毛」という方法の増毛をした結果
それから育毛剤は試したものの、気持ちはいいが効果は感じられない。目に見える効果がないので、27歳くらいの時に増毛を決めた。当時は、結婚願望も芽生えていて、このままのヴィジュアルではダメだと思ったことが大きい。CMで見た、大手メーカーの結毛を試しはじめた。
親父も薄かったから、オレも薄毛になると分かっていたが、まだ若かったこともあって、もう少しこのままの状態を維持したいなと考えていた矢先のことだ。
結毛をはじめたものの、地毛に結びつけている毛材がすぐに抜けてしまう。気になるところを補足するにも1000本では全く足りず2000本くらいで、どうにかなるという感じだった。それも抜けてしまうから、ショックも大きい。数年は結毛を続けたが、伸びたら散髪して、また毛材を結び直す。それが、だんだん面倒になり、地毛と一緒に抜けるスピードも早くなっていたような気がしたから、やめてしまった。
それから10年ほどは、「増毛の世界はもういいかな」「なるようになるかな」と、何もしなかった。いや、放っておいたというのが正しい言葉だろう。
「カツラ」という方法の増毛をした結果
そんな自分は、37歳になった頃、転職活動をしていた時期がある。WEB関連の学校に通いながら、転職情報を探している時、目に止まったのが地毛とカツラを編み込むという増毛方法だった。37歳で無職ではあったが、それまでの蓄えがあり、この先の人生も長い。ここでイメチェンするのもありかなと考えた。
頭頂部が薄いと、電車で席が空いていても座ることができなかった。上から頭を見られるのが嫌だったのだ。それに、プールで髪の毛が濡れるのも嫌だった。汗もかきたくなかった。日差しがなくても帽子もかぶってみたり…。仕方がないと思っていても、頭のことは気になった。
そこで、聞いたことがない社名だったが、なんとなく心に残っていたから相談の予約をしてみた。過去に体験した結毛は、どうしてもプラスのイメージがなく、他の所が良いなと思っていたから、ちょうどいい。
実際に行ってみると、イメージしやすいように、オレにその編み込みのカツラを体験させてくれた。「こんなふうになるんだ」と、自然なのに格好良く変化する様子をちゃんと見ることができた。それが良かったし、「シャンプーもできて快適ですよ」と話してくれた。「ムレないの?」と聞いても「大丈夫です」と返答してくれた。それならばと編み込み式のカツラをつけるようになった。
実際につけてみると、別人みたいな感覚。
カツラは、どうしてもパチン、パチンとつける感じで、外さなければいけないし、見ただけで分かってしまうだろうというマイナスイメージだった。でも、編み込み式は自然な形でカツラをつけることができる。それを知ることができたのは、ラッキーだった。
増毛後の余談
余談だが、その頃は数ヶ月だけ金髪のような明るい色にしていたこともある。さすがに転職する際の面接にはダメだろうと色は変えたが、そんなことも懐かしい。
すでにカミングアウトしていた友人や知人は「めっちゃ変わってる」と言ってくれた。「今のものは自然なんだね」「シャンプーできる?パッチンじゃないの?」「パッチンじゃないよ」って会話もはずんだ。友人も、「もっと不自然だと思っていた」と不思議がっていたほどだ。
増毛後は、人付き合いが楽しくなったし、服を探す楽しみ、買う楽しみが増えた。以前は嫌だった濡れることも、思ったよりもひどくならないから、プールにも行けた。
「一般的なカツラのイメージ」に対する思い
そんなふうに自分の変化を楽しみながら、改めて感じることは、薄毛をカバーするためにカツラはあるけど、日本ではマイナスイメージでしかないことだ。隠さないといけないものということがついてまわる。世間的に恥ずかしいもの、隠さないといけないものという認知になっているけど、そういうイメージをなくしていくべきなのかなと思う。
薄かったとしても、それが似合えば、カツラをつけていてもつけていなくても、どっちでもいい。でもカツラによって新しい自分も発見できる。それもいいことだ。選ぶのはもちろん、本人の自由だけど、オレ自身は、そう思う。
あと10年もすれば定年を迎える。その時が増毛からの卒業時期って、よく聞くけれど、やっぱり、取ろうと考えている。「もう十分、楽しんだから」って。でも実際には、迷うところだ。今は、人生100歳の時代。その先の時間もあるから、もう少し今を楽しみながら、今後をゆっくりと考えようかな、なんて思っている。
この物語に出てくる「編み込み式の増髪」はスヴェンソン。スヴェンソンは、髪型を変えるように髪を増やすことが自然な選択肢になってほしいと考えています。「増髪(ぞうはつ)」というコンセプトのもと、髪を増やすことは男磨きのひとつとして、様々なサービスを提供しています。
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公開日:2019/12/25