【坂源篇】「中の人」に取材してみた!髪とハサミとヘアドネーション
フリーライター・編集者・翻訳者。美容からITまで幅広い分野で活動中。1年に1回しか行かない美容院で、「ハサミが悲鳴をあげていますね~」と言われてるくらいダメージを受けた髪の毛が悩み。加えてくせ毛のため、自分にぴったりな髪形がいまいち見つからない。現在は強めのパーマでぼさついた髪の毛をごまかしている。同じような悩みを抱えている人に少しでも情報提供ができればと思っています。
株式会社坂源さんは、生け花用ハサミからクラフト用ハサミ、キッチン用具まで幅広く製造・販売している花鋏メーカーです。今回は、そんな株式会社坂源のTwitter担当者さん(通称坂源さん)に取材させていただきました!
今回の記事テーマは「髪×中の人」「髪×ヘアドネーション」「髪×ハサミ」です。最後まで見どころたっぷりの本記事、ぜひご覧ください。
今年で創業117年を迎える花鋏メーカー。創業から22年間、ノミの柄の桂(工具用部品)の製造を行う。1925年に鋏の製造に着手し、10年後に鋏専業のメーカーへと移行。ベストセラー製品のハンドクリエーションF170は、1982年に通商産業省選定グッドデザイン入選。ハンドクリエーションF180は、1988年に中小企業庁長官賞を受賞している。 https://sakagen.co.jp/
株式会社坂源のTwitter担当者に取材してみた
カラフルで楽しい花鋏が並ぶ、坂源さんのTwitter。眺めているだけでも楽しめる坂源さんのTwitter担当者、いわゆる「中の人」の主な業務は総務、事務、そして経理と幅広く取り組んでいるそうです。最近になってから、SNS運営や製品デザインなどにも携わっているのだとか。そんな坂源さんに、中の人としての活動やご自身の髪のこと、また自社の花鋏についてもお話を伺いました。
――「中の人」として活動中!大変なことも嬉しいことも…
髪コト編集部(以下、髪):まず初めに、坂源さんの「中の人」歴がどのくらいなのか教えてください!また、TwitterだけでなくInstagramも担当されているとのことですが、SNSを運用する際に意識していることはありますか?
株式会社坂源(以下、坂):Twitterは担当し始めてからまだ3ヵ月です。Instagramは更新率が低いんですが、3年ほどやっています!TwitterはTLの流れが速いので、少しでも目に留まるような内容の投稿をするように意識しています。Instagramはとにかく「映え」が大事なので、パッと見たときに興味が持てるような画像を選び、文章も製品の魅力をきちんとお伝えするように心がけています!
髪:「中の人」をしていて大変なことや、嬉しいことはありますか?
坂:とにかく「更新しなくちゃ…」というプレッシャーはあります!本当は毎日投稿したいんですけれど、通常業務が忙しいとできないので、もどかしさを感じています…。その反面、頑張って更新したときにたくさん反応をいただけたり、弊社の製品を購入したと紹介してくださっている方をお見かけしたりして、SNSを通してお客さまや他企業さまと交流ができるのはとても楽しいですし、嬉しいです!
髪:その気持ち、分かります…!更新のプレッシャーもあるけれど、その分楽しいことや嬉しいこともあるんですよね。その中でも1番の思い出はありますか?
坂:2020年4月に初めてTwitterでプレゼント企画をしたんですが、その当選者の方からお手紙を頂いたことです。今までもInstagramで嬉しいメッセージやコメントを頂いたことは何度もあるんですけれど、直筆のお手紙を頂いたのは初めてだったので、とても感動しました…!たった一言でも嬉しいですし、頑張れますよね!
髪:坂源さんの「中の人」としての目標は何ですか?
坂:SNSにおける坂源の認知度はまだまだ低いと思うので、これからお花のある暮らしを始めたい人にも知ってもらえるように、圧倒的な宣伝力を身に付けたいです!
――ヘアドネーションの経験者だった!?きっかけは一人の男の子
髪:坂源さんはご自身の髪のヘアケアやこだわりなど、何か意識していることはありますか?
坂:いえ、意識しなさすぎて美容師さんによく怒られているほどです!(笑)メイクやファッションは好きなんですけど、なぜか髪の毛に関しては無頓着ですね…。
髪:メイクやファッションは見た目の変化をすぐに感じられますが、髪の毛は自分の求める変化をなかなか感じにくい点では無頓着になりがちかもしれませんね。ケアにおいても、ヘアアレンジにおいても…。では、髪の毛にまつわるエピソードや思い出はありますか?ちなみに私は、子供のころからくせ毛がひどくて、小学生の頃はあだ名が爆発頭でした(笑)
坂:爆発頭…!どれほどのくせ毛をお持ちなのか、気になります(笑)私の髪で1番のエピソードは…ヘアドネーションです!
髪:なぜヘアドネーションをしようと思ったんですか?
坂:きっかけは結婚式でした。ずっとショートヘアだったんですが、アレンジ幅が広がるように式に向けて髪を伸ばしていたんです。それで式が終わって短くしようと思った時に、小学生の男の子がヘアドネーションをするために髪の毛を伸ばしているというニュースを目にしました。
髪:私もそのニュース知っています!素晴らしいことですよね。
坂:はい。その男の子は、「病気とかで髪の毛を失ってしまった人たちの役に立ちたい!」って言っていて。心を動かされました。やらない理由なんて、一つもない。自分も常に誰かに支えられたり、助けられたりしながら生きているので、「自分の行動が誰かの役に立ったらいいな」と思い、ヘアドネーションを決心しました!
髪:坂源さんのお考えも素晴らしいですね。ヘアドネーションをするにあたって、どのような準備をしたんですか?
坂:寄付できる長さは31cmからだったので、式が終わってからも8ヶ月間伸ばしました。寄附する髪なので、その間にも美容院で傷んだ毛先を切って整えてもらったりしていました。寄付できる長さまでいってから、行きつけの美容院でいよいよ切ってもらいましたよ!美容師さんからは「偉いね!ありがとう~」と感謝されて嬉しかったです。
参照:JHD&C公式ホームページ
髪:ヘアドネーションをやってみて良かったと思いますか?
坂:もちろんです!髪の毛も気持ちもスッキリしましたし、気分が良かったです!一つのウィッグができるまでたくさんの髪の毛が必要みたいなので、今後もやりたいですね。もっと多くの人にヘアドネーションのことを知ってもらいたいなと思っています!
――こだわりたっぷりの花鋏とその思い。
髪:花鋏というものは、普通のハサミや美容院さんが使うハサミとはまた違うのでしょうか?
坂:そうですね…。坂源の花鋏は他のハサミと形状や構造が少し違います。例えば、グリップの上部には左右のへこみがあるのですが、そのへこみに人差し指をかけることで、より手にフィットして握りやすくなっているんです!刃の構造にもこだわっています。よく一般のお客様から「刃が緩いんですけど…」というお声をいただきますが、実はこれ、わざと緩くしているんです。なぜかというと、緩くすることで、力を入れなくても刃の開閉ができるんですよ。
髪:お客様を思っての工夫がグリップにも刃の構造にも、至る所になされているんですね!
坂:お花屋さんからは「手が疲れにくい」「腱鞘炎にならなくなった」とよく言われます!刃の切れ味に関する情報は企業秘密ですが、弊社は特に「切れ味のよさ」と「使いやすさ」に注力しています。そこが売りでもありますし、他のハサミとの違いだと思います。
髪:こんな質問をするのもあれですが…花鋏で髪の毛は切れますか!?
坂:ズバリお答えします。切れません!坂源の花鋏は刃部の構造上、薄いものは切れない仕組みになっているので、髪はもちろん、紙も切れません。花鋏という名前の通り、お花専用のハサミなんです!
髪:お花を切るとき、普通のハサミではなく花鋏を使うことでどんな良いことがあるんですか?
坂:切れ味のいい花鋏を使って切ると、茎の断面が綺麗になるので、水の吸い上げが良くなりお花が長持ちします。お花がどれくらい長持ちするかは、お花を置いている環境にもよるんですけどね!ただ、「花鋏を使ったら長持ちするようになった」「弱っていたお花が元気になった」というお声はたくさんいただいています。
髪:弊社(スヴェンソン)は美容室も展開しているんですが、美容師さんは「お客様を可愛くしたい。かっこよくしたい。喜ばせたい。」という気持ちでハサミを扱います。花鋏を使うときは、みなさんはどんなお気持ちでお使いになられるのでしょうか?
坂:一般のお客様は「お花を長持ちさせたい。綺麗に活けたい。」だと思います!お花屋さんは「お客様に素敵なお花を届けたい。喜んでもらいたい!」ではないでしょうか?前向きな気持ちで扱う点は美容師さんと一緒ですね。
株式会社坂源は歴史ある匠の花鋏メーカーだった!
今回は坂源さんにお話しを伺いましたが、中の人としても企業の姿勢としても「お客様や困っている人のために」という思いが強く、お話を聞いていて坂源さんのファンになってしまいました。
坂源さんいわく、一押しの商品は「ハンドクリエーションF170」のようです!他にも生け花用には「池坊」や「古流」、庭園盆栽用には「大久保」など目的にあわせて商品が選べるので、花鋏をご購入する際には、ぜひこだわりいっぱいの坂源さんを検討してみてくださいね!
坂源さんと髪コトのTwitterはこちらから!
株式会社坂源Twitter:坂源-SAKAGEN-【公式】
髪コトTwitter:【公式】髪コト@メディア
公開日:2020/07/30