抜け毛が多い時期は?頭皮ケアのスペシャリスト直伝!抜け毛の基準と対策方法

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フリーライター・書評家。大阪に生まれ育ち、2010年に上京。2013年からライターとして活動開始。取材記事や書評、コラムの執筆を通し、「生き方の多様性」について考えるようになる。子どもの頃から強いくせ毛がコンプレックスで、中学生の頃から15年間縮毛矯正をあて続けていた。しかし、髪が傷み中断。ヘアケアをしつつ、髪のおしゃれを楽しみたいと思っている。

頭皮ケアのプロフェッショナル

シャワーを浴びたりお風呂掃除をしたりするとき、排水溝に抜け毛がたまっていて、驚いたことはありませんか?その量が正常範囲かどうか、なかなか自分では判断しにくいものです。

この記事では、季節によって変動する抜け毛について解説します。また、頭皮ケアの専門家でもあるスタイリストの﨑水流彰さんに取材し、今日からできる抜け毛対策を調査しました。

薄毛専門美容室スヴェンソン チーフスタイリスト 﨑水流彰(さきずる あきら)  

薄毛専門美容室スヴェンソン
チーフスタイリスト
﨑水流彰(さきずる あきら)

株式会社スヴェンソン運営の薄毛専門美容室に所属するチーフスタイリスト。親しみやすさとその知識の豊富さから、薄毛・抜け毛の悩みなど、今までで約1000人ものお客様から毛髪に関する相談を受けた実績がある。

https://mens-svenson.net/service/#styling

抜け毛が多い時期と本数は?

四季

抜け毛の数は季節によっても変動します。また、「抜け毛が多いな」と感じても、実は正常範囲の本数である可能性も高いのです。

秋と春は抜け毛が多い季節

秋と春は抜け毛が増えることの多い季節です。ヘアサイクル(毛周期)や花粉症などのアレルギーの影響、環境変化によるストレスがその原因だと考えられます。

そのため、夏や冬と比べて抜け毛が多いと感じても、正常範囲であればそこまで気にする必要はないでしょう。

一日で抜ける本数の基準とは

正常な抜け毛の本数はどのくらいなのでしょうか。

動物の毛は成長期、退行期、休止期に分かれています。成長期は名前のとおり、現在毛が成長している期間です。

数年経つと、成長期の毛は毛球が縮みはじめ、成長を止めます。この期間が退行期です。

退行期から約2週間後、毛球はさらに退化し、毛が抜け落ちる休止期に移ります。休止期は3、4カ月続き、再び毛は成長期に戻ります。この流れがヘアサイクルです。

ヒトの髪の毛は約10万本あります。その全ての毛にヘアサイクル(毛周期)があり、成長期、退行期、休止期を繰り返した後、寿命を迎えて毛が抜けていきます。

以上を踏まえたうえで、だいたい一日につき約50本から100本までが正常な脱毛量だと言われています。また、そのうちの半分(50本程度まで)は髪を洗っているときに抜けます。

>>抜け毛の本数の正常・異常基準が知りたい方はコチラから

抜け毛の多さに性別や年齢は関係ある?

抜け毛の原因の一つは男性ホルモンの活性化です。頭の前のほうから頭のてっぺんにかけて髪が薄くなる男性型脱毛症(AGA)も男性ホルモンが原因の一つです。そのため、女性より男性に抜け毛が多いことは科学的に証明されています。 グラフ

また、年齢を重ねるにつれて、抜け毛について悩む人も多くなる傾向にあります。薄毛を意識している男性は、全体で29%います。次に、年代ごとの割合を見てみましょう。

20代で意識している人の割合が12.5%であるのに対し、40代になるとその割合が32.5%と増加します。60代では、なんと43.4%の人が薄毛を意識しています。これは2004年の調査ですが、1981年に実施された調査から大きな変化はなく、どの時代でも薄毛を気にしている人の割合はあまり変わらないと言えるでしょう。

薄毛を自覚するきっかけの一つが抜け毛なので、抜け毛を気にしている男性はこの数字より若干多いと考えて良いでしょう。

抜け毛の原因は秋と春で違う?

季節による抜け毛の原因について詳しく確認していきましょう。秋と春は抜け毛が多い季節ですが、原因は異なります。

秋の抜け毛の原因

休止期から成長期に移行する際、髪が抜けます。成長期の毛は、ヘアサイクルの約85%から95%を占め、残りの毛は退行期と休止期です。しかし、この割合は季節により変動します。

成長期の毛が占める比率は春に高く、秋に低下するため、秋に抜け毛が多くなります。また、夏場の紫外線によるダメージも秋に表れます。

秋に抜け毛が多くなったと感じても、3、4カ月後には抜け毛の数が減る可能性が高いです。あわてず、後述する抜け毛対策をしながら、様子を見てみましょう。

春の抜け毛の原因

成長期の毛の比率が高い春は、何が抜け毛の原因になっているのでしょうか。さまざまな原因が想定されますが、花粉症などのアレルギーによる炎症が頭皮にまで及んでいる可能性もあります。

また、春は職場内での異動や就職、転職など、変化の激しい季節です。環境が変わったことによるストレスも、抜け毛の原因だと言われています。

【美容師直伝】抜け毛の三大対策法

崎水流彰

今日からできる抜け毛の対策について紹介します。これまでに抜け毛に悩む約1000人ものお客様からの相談を受けた、スヴェンソンのチーフスタイリスト、崎水流彰さんに話を聞きました。

1.シャンプー・育毛剤を使い続ける

以前、「毎日シャンプーをすると髪が傷んでしまう」という情報をよく目にしました。しかし、崎水流さんによると、毎日シャンプーをするのが良くないというわけではなく、むやみに乾かせば髪が傷んでしまうので、マイナスイオンドライヤーなどを使うのがおすすめとのこと。

「むしろ頭皮ケアのためには、毎日洗髪し、頭皮の汚れや皮脂を落とす必要があります。頭部にまんべんなくシャンプー、トリートメントをします。トリートメントは頭皮にはつけないように意識してください。

シャンプー後は髪全体をしっかり乾かしてから、抜け毛を予防するための育毛剤を使ってマッサージしてください。育毛剤の使用前に頭皮ケアローションを使うと、効果が高まります」

ただ、忙しい人であれば、その全てを使わなくても良いそうです。

「無理をして全部使い、三日坊主で終わるより、正しい使い方で継続して続けることが大切です。

最低限使用してほしいのは、シャンプーと育毛剤ですね。できればシャンプーはノンシリコンのもの、育毛剤は厚生労働省で認められた育毛成分(M-034など)が入っているものを使うと、副作用の心配がなく安心して使えます」

男女兼用で使えるものもあれば、性別によって適したヘアケア商品が異なるものがあります。おすすめを聞いてみると、女性や髪の長い人向けの『ザ・チャーガ 薬用スカルプシャンプー』はインターネットでも購入できます。

ザ・チャーガ 薬用スカルプシャンプー

「全てのヘアケア商品に言えることですが、どんなに高価で良いものでも、使い方を間違えれば効果が得られません。例えば、シャンプーでも洗い残しがあると、結局抜け毛の原因になります。

また、頭皮ケアの効果が出始めるのは、髪が生え変わる3カ月から半年後だと言われています。面倒臭いと感じた場合は、髪をお湯で洗うことだけでも続けてください。お湯で洗髪するだけで、頭皮の汚れの7割は落ちます。継続することが何よりも大事です」

2.頭皮マッサージで血流を良くする

抜け毛対策に効くマッサージ方法を教えてもらいました。血液を循環させることがポイントだとおっしゃる崎水流さん。血流が良くなるツボはあるのでしょうか。 百会

「頭のてっぺんには百会というツボがあります。まずその百会を7回ほど押してください。百会の前後左右に四神聡があるので、指に軽く圧力をかけるイメージでそれも5回ずつ押していってください。頭部の緊張感が和らぎ、血液が循環します」

薄毛や抜け毛で悩む人に特化したスカルプブラシを使い、髪全体を持ち上げるようにマッサージしていくのも良いそうです。

「頭皮は皮脂が残っていると抜け毛が増えるし、頭皮以外の肌にも影響があります。頭皮マッサージもできれば一日に三回するのが理想ですね」

頭皮マッサージのツボについて、詳しい解説はこちらの記事からご覧ください。

3.紫外線を意識して対策する

肌といっしょで、髪も紫外線に弱いものです。特に気になる時期は、一年で最も紫外線が強い5月。頭皮の紫外線対策のために、何ができるのでしょうか? 紫外線対策

「外出の際は、帽子をかぶるのがベストです。つばの広いものか、男性ならキャップを使用しても良いですね。ただ、皮脂や汚れはどうしても頭皮に溜まってしまうので、帰ってすぐ洗髪したほうが良いです」

髪のUVケア商品はあっても、頭皮のUVケアに特化した商品はあまりないため、帽子がいちばん最適な方法とのこと。考え方は女性のメイクと同じだ、と崎水流さんは話します。

「メイクをつけたまま寝るのが良くないというのは一般的によく知られていますが、意外と頭皮には無頓着な方が多いように感じられます。肌と頭皮のケアはほとんど同じなんです。そう考えると、抜け毛対策には日常的な頭皮のケアがマストだということがわかってきます」

正しい知識で抜け毛と向き合おう

髪が傷まないようにケアをしていても、頭皮のケアがおろそかになってしまうと、抜け毛の原因になりやすいようです。

季節の変わり目にストレスを感じないためにも、今のうちに抜け毛について正しい知識を習得しておきましょう。

より正しい知識を知りたい方は、頭皮ケアのプロが在籍するスヴェンソンの薄毛専門美容室に行って、相談してみるのも一つの方法です。

この記事で取材させていただいた崎水流さんのように知識豊富なスタッフが在籍しています。ヘアカットだけでなく、自分の髪質や頭皮の状態を見てもらうだけでも、価値があるのではないでしょうか。詳しくは以下からご覧ください。

取材・執筆/若林理央

参考文献

乾 重樹 (著), 植木 理恵 (著), 伊藤 泰介 (著), 倉田 荘太郎 (著), 大山 学 (著), 板見 智 (監修)『薄毛の科学(おもしろサイエンス)』日刊工業新聞社、2016年

本田光芳 (著), 伊藤雅章 (著),木島敬二 (著),永島敬士 (著),熊澤立直 (著)『新ヘア・サイエンス 第2版』公益社団法人日本毛髪化学協会、2015年

 

公開日:2019/12/25

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