抜け毛と栄養素の関係性とは?おすすめ食材・メニューで抜け毛予防を!
株式会社スヴェンソン所属。毛髪技能士の資格を有する、髪のプロで構成された編集スタッフ。髪コトを通して、皆さまが抱える髪の悩みや不安、疑問を少しでも解決できるよう、分かりやすく情報を届けていくことを心掛けています。
抜け毛と栄養素には密接な関係があります。健康な髪を作り育毛に適した頭皮環境を整えるには、食事から摂取する複数の栄養素が必要になるため、栄養バランスの良い食生活を取り入れることが大切です。
抜け毛が気になり、食事改善をしようとしている方もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では、抜け毛と栄養素の関係性やおすすめの食材・メニューを紹介します。
抜け毛と栄養素の関係性とは
きちんと食事しているはずなのに抜け毛が増えてしまう場合があります。食事内容に偏りがあると「髪にとっての栄養不足」に陥り、健康な髪は作られにくいため、タンパク質・ミネラル・ビタミンなどをバランス良く摂取することが必要です。
きちんと食事しているのに薄毛が増える理由
正常なヘアサイクルを維持し健康な髪を育てるには、食事からさまざまな栄養素を十分に摂取する必要があります。摂取した栄養素は生命維持に必要な臓器で優先的に消費されるため、栄養不足の状態だと毛乳頭・毛母細胞に十分な栄養素が供給されません。
ダイエットなどで1日の食事量が少ない場合、コンビニ食・外食などで摂取する栄養素に偏りがある場合は「髪の栄養不足」に陥る危険性が増します。特定の栄養素が不足すると、頭皮の血行不良を起こしたり髪の合成を促進しにくくなったりし、抜け毛・薄毛につながります。
栄養素の不足で抜け毛が増えるメカニズム
食事から摂取した栄養素は体内で吸収・分解・再合成されます。髪の生育に必要な栄養素は頭皮の毛細血管を通じて毛乳頭・毛母細胞に供給され、毛乳頭が指令を出して毛母細胞の細胞分裂を活性化させることで、髪が作られる仕組みです。
髪の大部分はタンパク質の一種・ケラチンで構成されています。ケラチンはシスチン・メチオニンなど18種類のアミノ酸を合成して作られるため、摂取するタンパク質・アミノ酸が不足すると強く太い髪は生まれにくくなります。加えて、必須微量ミネラルの一種である亜鉛が不足すると、ケラチン合成が阻害されてしまいます。亜鉛は体内で生成できないため、食事やサプリメントで意識的に摂取する他ありません。
また赤血球に含まれるヘモグロビンは、鉄分とタンパク質が結合したものです。鉄分不足は貧血を引き起こし、酸素や栄養素の運搬能力の低下につながります。血行不良で毛乳頭・毛母細胞に供給される酸素・栄養素が不足しがちになることも、抜け毛・薄毛の原因の1つです。
抜け毛予防のために摂取したい栄養素一覧
健康な髪を作るために必要な栄養素を一覧表にまとめました。薄毛の原因物質となる強力な男性ホルモン「ジヒドロテストステロン(DHT)」の生成を抑える栄養素もあります。
栄養素 |
効果 |
多く含む食品 |
タンパク質(アミノ酸) |
|
肉類・魚介類・卵類・大豆製品・乳製品など |
亜鉛 |
|
牡蠣・豚レバー・牛もも肉・うなぎなど |
鉄分 |
|
豚レバー・赤身の肉や魚・大豆製品など |
ヨウ素 |
|
海藻・魚介類・大豆など |
ビタミンA |
|
豚レバー・魚介類・緑黄色野菜など |
ビタミンB2 |
|
豚レバー・うなぎ・大豆製品など |
ビタミンB6 |
|
牛レバー・魚介類・ごま・ししとうなど |
ビタミンC |
|
アセロラ・キウイ・赤ピーマン・ブロッコリーなど |
ビタミンE |
|
アーモンド・うなぎ・赤ピーマン・ひまわり油など |
イソフラボン |
|
大豆製品(豆腐・納豆・豆乳など) |
カプサイシン |
|
唐辛子・キムチ・ラー油など |
コラーゲン |
|
牛すじ・鶏手羽先・鶏皮・軟骨・うなぎなど |
乳酸菌 |
|
発酵食品(ヨーグルト・チーズ・キムチ・ぬか漬け・みそなど) |
抜け毛予防に良い栄養素を含む食材とおすすめメニュー
大前提として、「○○さえ食べれば抜け毛予防は完璧」という食材やメニューはありません。偏食や特定の栄養素の過剰摂取が心身に悪影響を及ぼす場合もあるため、タンパク質・ミネラル・ビタミンなどの栄養バランスを重視して、複数の食材・メニューを日々の献立に取り入れることが大切です。
レバニラ炒め
レバーは高タンパク・低脂質で、ミネラルやビタミンA・ビタミンB群も豊富に含みます。特に豚レバーは牛や鶏のレバーに比べて鉄分や亜鉛を豊富に含むため、抜け毛予防としてぜひ取り入れたい食材です。
レバーを使ったポピュラーなメニューはレバニラ炒めではないでしょうか。ニラは体内でビタミンAに変換されるβ-カロテンや、ビタミンC・ビタミンEを豊富に含む食材です。豚レバーが含む亜鉛・鉄の吸収率を高めつつ、高い抗酸化作用も期待できます。
焼き牡蠣
牡蠣は「海のミルク」として知られ、髪の合成に必要なアミノ酸や亜鉛、正常な血行に不可欠な鉄分・ビタミンB12を豊富に含みます。特に亜鉛の含有量が非常に多く、抜け毛予防にぜひ取り入れたい食材の1つです。また牡蠣が豊富に含むタウリンには、肝機能の働きを高め血行を改善するなど、健康な体を維持する働きがあります。
牡蠣は低カロリーなことも特徴の1つです。フライにすると高脂質・高カロリーになりますが、焼き牡蠣や酢の物にするとさっぱりと仕上がります。
鶏肉とナッツの炒め物
鶏肉は牛肉や豚肉より高タンパク・低脂質で、ビタミンB群・コラーゲン・亜鉛なども摂取できる食材です。アーモンドやピーナッツなどのナッツ類は亜鉛の含有量が多く、ビタミンEなどのビタミン群の他、腸内環境の改善に効く食物繊維も豊富に含みます。
ナッツ類はやや料理に取り入れにくい食材かもしれませんが、鶏肉とナッツの炒め物なら調理は簡単です。鶏肉とナッツは食べ合わせが良く、野菜を加えることでさらに栄養バランスが整います。
うな重
うなぎはタンパク質・ミネラル・ビタミンをバランス良く含む、非常に栄養価の高い食材です。亜鉛・鉄分やビタミンA・ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンEの他、脂肪燃焼・血行改善に効果のあるオメガ3脂肪酸(DHAやEPA)なども豊富に含みます。髪の合成や頭皮環境・血行の改善に働くさまざまな栄養素を摂取できるため、抜け毛予防として取り入れたい食材の1つです。
手軽に摂取するなら、うなぎの蒲焼きをシンプルにご飯に盛り付けた、うな丼・うな重にするとよいでしょう。より栄養素のバランスを高めるために、錦糸卵やオクラを乗せて、うなぎのとろろ丼にするのもおすすめです。
カボチャの煮物
緑黄色野菜は、ほうれん草・にんじん・かぼちゃなど、原則として可食部100g当たりカロテン含量が600マイクログラム(μg)以上の野菜の総称です。カロテンは老化の原因となる活性酸素を減らす抗酸化作用があり、β-カロテンは体内でビタミンAに変換されます。
かぼちゃは亜鉛の含有量が多い緑黄色野菜です。頭皮環境の改善に作用するビタミンB群・ビタミンC・ビタミンE、腸内環境の改善に役立つ食物繊維も豊富に含みます。他の緑黄色野菜に比べ、食材単体で消費しやすいこともポイントです。例えばかぼちゃの煮物は手軽に調理でき、日々の献立に加えやすいでしょう。
豚キムチ
キムチの原料となる白菜はビタミン類やミネラルを豊富に含む上、発酵過程でビタミンB群や腸内環境を改善する乳酸菌が大幅に増えます。唐辛子が含むカプサイシンによる血行改善効果も期待できます。
キムチの抜け毛予防効果をさらにアップする料理は豚キムチです。豚肉を加えることでタンパク質を摂取でき、ニラや赤パプリカを加えればビタミンC・ビタミンEなども摂取できます。
豆乳鍋
豆乳は高タンパクでありながら低カロリー・低脂質・低糖質で、ヘルシーな高タンパク質食材です。「動物性タンパク質の摂取は皮脂の過剰分泌が気になる」という方にもおすすめできます。大豆製品のためエストロゲンと似た働きをするイソフラボンを豊富に含み、ホルモンバランスを整えて抜け毛予防に役立つのもポイントです。
豆乳鍋にすると複数の食材をまとめて摂取でき、冷蔵庫の残り物などを加えるだけで手軽に調理できます。例えば牡蠣・ほうれん草・白菜を加えると、亜鉛・ビタミン類・食物繊維などもバランス良く摂取でき、1品で栄養価の高い食事ができるでしょう。
黒ゴマドリンク
ごまはタンパク質・ミネラル・ビタミン類を豊富に含む、抜け毛対策に取り入れたい食材です。抗酸化作用に優れたアントシアニンやセサミン、頭皮環境の改善に役立つビタミンB群やビタミンE、血中コレステロールの抑制などに効果がある不飽和脂肪酸(リノール酸とオレイン酸)を含みます。また亜鉛の含有量が多いことも特徴です。
黒ゴマペーストと豆乳で黒ゴマドリンクを作ると、手軽に多くの黒ゴマ・豆乳を摂取できます。緑黄色野菜やフルーツを加えてスムージーにするなど、栄養バランスを整えつつ、飽きずに飲み続けられる工夫をするとよいでしょう。
抜け毛を促進する?控えめにしたいメニュー一覧
抜け毛予防に効果的な食材をバランス良く摂取すると共に、以下一覧表にまとめた食品は控えめにしましょう。もちろん適量なら問題ありませんが、摂取量が多過ぎると抜け毛につながる恐れがあります。
食品カテゴリ |
控えめにしたい理由 |
食品例 |
ファストフード |
|
ハンバーガー・フライドチキン・フライドポテトなど |
加工肉 |
|
ベーコン・ソーセージ・ハムなど |
スナック菓子 |
|
ポテトチップス・クッキー・チョコレートバーなど |
糖質が多い食品 |
|
白米・パン・麺類・いも類など |
塩辛い加工食品 |
|
インスタントラーメン・冷凍食品・加工肉など |
カフェインが含まれる飲み物 |
|
コーヒー・紅茶・エナジードリンクなど |
アルコールが含まれる飲み物 |
|
ビール・日本酒・焼酎など |
抜け毛予防に良い栄養素を摂っても改善しない場合
タンパク質・ミネラル・ビタミンなどは健康な髪の生育にとって不可欠ですが、食生活を改善しても抜け毛が続いてしまうこともあり得ます。この場合、睡眠習慣やストレス、洗髪習慣などが原因かもしれません。
睡眠不足になっていないか?
髪の成長に必要なホルモンは、入眠直後の3時間に最も分泌されるといわれています。睡眠不足が極端に短かったり、睡眠の質が低く深い眠りにつきにくかったりすると、成長ホルモンが十分に分泌されません。日々の食事からバランス良く栄養を摂取しても、睡眠不足だと髪の成長を促す力が働きにくいため、抜け毛が改善しにくくなってしまいます。
食事の直後は胃腸の働きが活発で、質の高い睡眠になりにくいため、夕食は入眠3時間前までに済ませましょう。入眠直前にスマホを見ないようにし、枕カバーを清潔に保つなど、リラックスして入眠できる習慣を取り入れることも大切です。
ストレス過多になっていないか?
身体機能を自動的に調整する自律神経は、血圧の上昇や発汗の促進といった体の機能を活性化させる交感神経系とリラックスさせる副交感神経系から成り、通常はバランス良く働いています。しかし過剰なストレスを受けると自律神経の働きが乱れ、常に交感神経が優位になりがちです。食生活に問題がなくても、ストレス過多の状態が続くと、以下のような抜け毛の原因を招く場合があります。
- 血管の収縮による血行不良で頭皮に栄養が届きにくくなる
- 汗腺・皮脂腺の興奮により皮脂の過剰分泌を起こし、頭皮環境が悪化しやすくなる
- 眠りが浅くなり成長ホルモンが分泌されにくくなる
円形脱毛症などの頭皮疾患・脱毛症を引き起こす恐れもあるため、ご自身に合ったストレス解消法を見つけることが大切です。
洗髪の仕方は正しいか?
髪が生育しやすい頭皮環境を整えるには、正しい洗髪習慣を持つことも大切です。十分な栄養を摂取していても、誤った洗髪により皮脂が残ったり乾燥を起こすと、頭皮のバリア機能を低下させて髪の生育を阻害してしまいます。
まず、ご自身の肌質に合った低刺激なシャンプーを選ぶことが大切です。洗髪の際はブラッシングや予洗いをしてから、指の腹で優しくマッサージするように洗い上げ、シャンプーの洗い残しがないようにしっかりすすぎ洗いをしましょう。
とはいえ、頭皮の状態によっては、「汚れを落とし切れない」「なぜか常にかゆみがある」といったことも起こり得ます。こういった場合におすすめなのが、薄毛専門理・美容室スヴェンソンの「頭皮ケア&クレンジング」サービスです。スヴェンソン独自の施術により毛穴の汚れを徹底洗浄し、脂っぽさやにおいといった頭皮の問題を根本的に解決できます。ご興味のある方は、以下よりチェックしてみてください。
AGAではないか?
いわゆるM字ハゲやO字ハゲなど、特徴的な抜け毛の兆候がある場合、原因はAGA(男性型脱毛症)かもしれません。AGAは進行性の脱毛症で、根本的なアプローチとして内服薬・外用薬を使った治療が必要です。食生活の改善は育毛の補助となり得ますが、自然治癒はほとんど期待できないでしょう。AGAの発症・進行が疑われるなら、専門クリニックの受診をおすすめします。
まとめ
抜け毛を予防するには、食生活を改善することが大切です。日々の食事からタンパク質・ミネラル・ビタミン類などをバランス良く摂取し、髪の合成や頭皮環境の改善を促進しましょう。睡眠習慣を整えて成長ホルモンを十分に分泌したり、洗髪習慣を変えて髪が生育しやすい頭皮環境に整えたりすることも大切です。
抜け毛のお悩みは、薄毛専門理・美容室スヴェンソンに相談できます。初回体験価格でお試しできる「デザインカット&頭皮クレンジング」では、地毛を生かしてスタイリッシュなヘアスタイルを実現し薄毛を目立たなくする「デザインカット」と、シャンプーでは難しい汚れや加齢臭の除去を行う「頭皮クレンジング」がセットになっています。まずはお気軽に、抜け毛の悩みを熟知したプロに相談してみてはいかがでしょうか。