枕についた抜け毛はどの程度なら正常?チェックポイントや原因と対策
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枕についた抜け毛が多いように感じ、どうすべきか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。枕につく抜け毛が増える原因は、男性型脱毛症(AGA)などの脱毛症の他、洗髪習慣や食生活の乱れも考えられます。
その対策として抜け毛が増えるメカニズムを理解し、効果的な対策を考えることが大切です。そこでこの記事では、枕についた抜け毛のチェックポイントや抜け毛が増える原因・対策を紹介します。
枕についた抜け毛が多い気がする……これって正常?
1日の抜け毛が50〜100本程度なら正常の範囲内で、そのうちある程度の髪が枕に付着するのも自然です。まずは、抜け毛の多さにびっくりする方は多いこと、チェックしたいのは抜け毛の多さより状態であることを解説します。
抜け毛の多さにびっくりする方は多い
アンファーが行った「抜け毛」に関する意識・実態調査によると、自分の抜け毛の多さに“ドキっとした(不安になった、びっくりした)”経験がある人は65%にも及びました。
具体的なシチュエーションとして上位に上がったのは以下の項目です。
- シャンプー中、指に絡んだ抜け毛の本数が多かった時:50%
- シャンプー後、排水溝にたまった抜け毛の本数が多かった時:41%
- 部屋の床に落ちている抜け毛の本数が多かった時:32%
- 朝、起きた時、枕に残った抜け毛の本数が多かった時:28%
このように、起床時に抜け毛の量を見て驚いた、という経験のある方は少なくありません。枕に数本の抜け毛がついているがある方もいるかもしれません。
しかし、数十本もの髪の毛が落ちているケースなど、抜け毛の本数が異常に多いと感じられるときは、誰でも大きなショックを受けるのではないでしょうか?
「もしかして、これは薄毛の前兆!?」と感じて、不安になったり落ち込んだりすることもあるでしょう。
しかし、抜け毛がひどいと感じられたとしても、すぐに頭部の全体が退毛してしまうとは限りません。抜け毛の原因によっては、今から対策を始めることで進行を遅らせられる可能性もあります。
抜け毛がひどいとしてもすぐには諦めないで、次にご紹介するチェックポイントを確認してみましょう。
チェックしたいのは抜け毛の多さより状態
枕の抜け毛に気付いたときは、抜け落ちた髪の毛の本数が気になるかもしれませんが、確認しておきたいのは抜け毛の状態です。
落ちている髪の毛を手にとって、太さや毛根の状態をチェックしてみましょう。このとき、毛が細かったり毛根の膨らみがない場合には、ヘアサイクルの乱れが疑われます。
ヘアサイクルとは、髪の毛が生えてから抜け落ちるまでの流れのことです。
毛穴から新しい髪の毛が生えると、「成長期」という期間に太く長く成長していきます。十分に成長した髪の毛は、やがて成長が止まり「退行期」へと向かっていきます。
そして、最終的に「休止期」で毛穴から抜け落ちて、ふたたび新しい髪の毛が生えるというのが、ヘアサイクルの一連の流れです。
健康的なヘアサイクルを繰り返しているとき、1日に50~100本の髪の毛が自然と抜け落ちています。そのため、朝起きたときに抜け毛がひどいと感じても、場合によっては正常の範囲内である可能性も考えられます。
しかし、細い毛や毛根の膨らみがない毛が抜け落ちている場合には、本来であれば一定の太さと長さまで成長するはずだった髪の毛が、十分に成長する前に抜け落ちてしまったと考えられます。
アンファーの調査では、不安になる朝起きた時の抜け毛の数の平均は13.7本となっています。
そう考えると10本程度までであれば特に気にする必要はないかもしれないですが、抜け毛の本数と並行して、抜け落ちた髪の毛の太さと長さに注目してみましょう。
そして、抜け毛の状態から健康的なヘアサイクルが保たれているかどうかをチェックしてください。
枕につく抜け毛はなぜ増える?誰にでもあり得る5つの要因
枕につく抜け毛が増える要因は、治療を要する脱毛症とは限りません。洗髪の仕方や睡眠環境がよくなかったり、食生活など生活習慣の乱れがあったりして、一時的に抜け毛が増えることもあるでしょう。ここでは、抜け毛が増える日常的な要因を解説します。
洗髪のタイミングが就寝前ではない
休止期に入った髪は毛根の位置が浅くなり、その下で成長を始めた新しい髪に押し出されるようにして抜け落ちます。洗髪時には毛根が刺激を受けやすく、寿命を迎えた髪が自然に抜け落ちる他、頭髪に絡まっていた抜け毛も洗い流されるでしょう。
就寝前に洗髪する習慣のある方は、洗髪時に最も抜け毛が多くなるのは自然です。反対に、朝に洗髪する習慣のある方は、翌朝まで抜け毛(寿命を迎えた髪)をまとめて洗い流すタイミングがなく、枕に付着する抜け毛が多くなることもあるでしょう。
頭皮・髪がぬれたまま就寝している
洗髪後に頭皮・髪がぬれたまま就寝することも、枕につく抜け毛が増える要因のひとつです。頭皮がぬれたまま放置するとマラセチア菌など常在菌の異常繁殖を引き起こし、フケ・かゆみ・臭いといった頭皮トラブルにつながる恐れがあります。結果的に抜け毛を増加させかねません。
また髪はぬれていると乾いているときより柔らかいため、小さな力で傷つきやすくなります。枕との摩擦で髪を保護するキューティクル層が薄くなり、抜け毛の中に枝毛・切れ毛が目立ちやすくなることもあるでしょう。
枕の状態など睡眠環境がよくない
枕や枕カバーが清潔でないなど、睡眠環境が悪いことも、枕につく抜け毛が増える要因です。
睡眠中に出る汗の量は通常コップ1杯(約200cc)程度といわれており、室温・湿度や体調などによっては寝汗がひどくなることもあります。枕・枕カバーは汗を吸収するだけでなく、皮脂やフケも付着するため、雑菌の温床になり得ることが注意点です。不潔な枕を使い続けると、頭皮環境を悪化させて炎症を引き起こすなど、抜け毛の要因になり得ます。
摩擦が強い枕は髪にダメージを与えやすく、頭部・首筋を圧迫しやすい枕は血行不良を招く恐れがあることも注意点です。
食生活など生活習慣の乱れがある
生活習慣の乱れも抜け毛を増やす要因です。健康な髪の生育にはタンパク質・ミネラル・ビタミン群など、食事から摂取するさまざまな栄養素が関わり、栄養は血流に乗って毛乳頭細胞や頭皮へ運ばれます。高脂質・高カロリーなど偏った食事の習慣があると、健康な髪が作られにくくなり、頭皮環境にも悪影響を及ぼすでしょう。
また過剰な精神的ストレスや睡眠不足があると、自律神経の乱れによる血行不良を招いたり、髪の発育に必要な成長ホルモンを十分に分泌できなくなったりする恐れもあります。自律神経やホルモンバランスの乱れは、髪の成長を阻害するだけでなく、寝汗の量が多くなり過ぎる要因のひとつです。
季節要因による一時的な抜け毛も
季節要因により特定の期間のみ抜け毛が増えることもあり得ます。よくいわれるのが、「秋になると抜け毛が増える」です。原因は科学的に解明されているわけではありませんが、夏の強い紫外線や冷房による体調不良などが影響していると考えられています。秋だけ枕につく抜け毛が多いなら、一時的なものである可能性もあるため、過度な心配は必要ありません。
枕につく抜け毛に影響する主な脱毛症
以前と比べて、枕につく抜け毛の本数や状態に大きな変化があるとき、何らかの脱毛症が原因かもしれません。最もポピュラーな脱毛症は男性型脱毛症(AGA)です。円形脱毛症や脂漏性皮膚炎が原因の場合もあるでしょう。ここでは、早めの対策を検討したい主な脱毛症3種を解説します。
男性型脱毛症(AGA)
男性型脱毛症とは、成人男性によく見られる脱毛症のことです。英語では「Androgenetic Alopecia」と呼ばれることから、略して「AGA」と表記することもあります。
男性型脱毛症は、頭頂部または生え際の髪の毛が薄くなるのが特徴です。年齢を重ねるとともに発症する方が増えるものの、人によっては10代や20代で発症することもあります。
また、男性型脱毛症の大きな特徴として、進行性の症状であることが挙げられます。放っておくと症状が悪化し、徐々に薄毛の範囲が広がるため、早めの対策が必要です。
円形脱毛症
頭部の一部分に、まるでコインのように円形の脱毛が見られるときは、円形脱毛症が疑われます。
円形脱毛症は、一時的に脱毛が見られてから、数か月が経過すると自然と髪の毛が生えてくることがあります。その一方で、症状がひどいときには頭部の全体に脱毛が生じる場合もあるようです。
なお、脱毛箇所がひとつ程度の軽度であれば、自然治癒するケースが多いといわれています。
円形脱毛症について、詳しく解説しているサイトは以下からご覧いただけます。
脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎とは、頭皮をはじめとした体毛が生えている部位に起こる皮膚炎です。
頭皮にカサつきが感じられるとともに、フケのように見えるものが発生します。その後は、頭皮に赤みやかゆみなどの症状が見られ、やがて重症化すると抜け毛につながることもあります。
脂漏性皮膚炎は、マラセチアという真菌が原因です。正しいヘアケアの習慣を整えて頭皮を清潔に保つとともに、医療機関で処方された外用薬で治療が行われます。皮膚科で医師の診察を受けましょう。
男性の3人に1人は男性型脱毛症(AGA)で悩んでいる!
抜け毛がひどいときに考えられる原因として、男性型脱毛症(AGA)が挙げられます。
男性型脱毛症は、ジヒドロテストステロン(DHT)という物質によって引き起こされます。DHTとは、男性ホルモンのテストステロンが、5αリダクターゼという酵素と結びついて作られる物質です。
このDHTの影響を受けると、ヘアサイクルが乱れて髪の毛が十分に成長できないままで抜け落ちるようになります。
男性型脱毛症は、日本人男性の3人に1人の割合で発症しているといわれるほど、多くの方が悩んでいる症状です。しかし、実際にヘアケアなどの抜け毛対策を始める方は、それほど多くありません。
早めに対策を行えば、進行を遅らせる可能性があるため、気になったらヘアケアを始めましょう。
枕につく抜け毛を減らすための対策5選
抜け毛の変化がどのような原因によるものであっても、予防や症状緩和のためにはヘアケア習慣が重要です。生活習慣をできる限り改善し、正しい洗髪方法を身に付け、睡眠の質を高めましょう。抜け毛の悩みに寄り添える薄毛専門美容室を利用することも効果的です。
生活習慣をできる限り改善する
抜け毛予防には生活習慣の乱れを改善することが大切です。以下のような点に注意し、毛乳頭細胞に十分な栄養を届けつつ、頭皮環境を整えましょう。
- タンパク質・亜鉛・鉄分・ビタミンB群など、髪の生育に必要な栄養素をバランスよく摂取する
- 1日1回の洗髪で、頭皮・髪の汚れを優しくしっかりと洗い落とす
- 洗髪後は自然乾燥させず、タオルドライ後にドライヤーで完全に乾かす
- 規則正しい睡眠を心がける
- 適度な運動などストレス発散や血行改善に役立つ習慣を取り入れる
- 喫煙を控え、血行不良になることを避ける
頭皮に優しいシャンプーを正しく使う
頭皮環境を清潔に保つために特に気を付けたいことは、正しい洗髪習慣です。洗浄力の強いシャンプーでゴシゴシと洗髪すると、かえって頭皮のバリア機能を低下させたり、健康な髪を引き抜いてしまったりする恐れがあります。低刺激なシャンプーを選び、以下のような点に注意して優しくしっかりと洗い上げましょう。
- シャンプー前にお湯で予洗いをして汚れを洗い落とし、泡立ちを助ける
- シャンプーは手で泡立てから使い、頭皮に浸透させることを意識する
- ゴシゴシと洗わず、指の腹で優しく丁寧に洗う
- 強めの水圧のシャワーを当て、髪や頭皮の泡・汚れを完全にすすぎ落とす
シャンプー選びで悩んだら、薄毛専門理・美容室スヴェンソンの「ヘアライズ® TIスカルプシャンプー」がおすすめです。7つのフリー処方で頭皮に優しく、天然由来の有効成分をバランスよく配合しているため、どのような頭皮タイプの方でも正常な頭皮環境に導きます。ご興味のある方は以下よりチェックしてみてください。
睡眠環境を改善し睡眠の質を高める
枕につく抜け毛を減らすには、枕を清潔に保つことや睡眠環境を整えることも大切です。以下のような点に注意し、頭部の摩擦・圧迫・ムレを避けつつ、睡眠の質を高める工夫を取り入れましょう。
- 枕・枕カバーは毎週1回程度など定期的に洗濯・取り替えする
- 枕・枕カバーは綿・シルクなど通気性がよく摩擦の少ないものを選ぶ
- 硬過ぎず柔らか過ぎず、高過ぎず低過ぎない枕を選び、頭部・首筋が圧迫されることを避ける
- エアコンなどで室温・湿度をコントロールし寝苦しさを避ける
- 就寝前にスマホ・PCなどを触らない
育毛剤を使用する
頭皮の環境を整えるために、育毛剤を使用する方法もあります。
育毛剤は、頭皮に直接塗ることで、血流を促したり保湿したり炎症を抑えたりと、健康的な状態を保つサポートをしてくれます。
また、頭皮のお悩みに合わせた成分が配合されている育毛剤もあるため、ご自身の症状に適した成分を選べるというメリットもあります。比較的気軽に始められる抜け毛予防方法です。
専門美容室で頭皮ケアを受ける
抜け毛や薄毛が気になってくると、普段通っていた理髪店に行きづらくなったという方も少なくありません。そんな方にもおすすめなのが、薄毛専門美容室です。
「薄毛専門美容室と普通の美容室の違い」については、以下の比較表を参考にしてください。
薄毛専門美容室 | 普通の美容室 | |
---|---|---|
環境 | プライベート空間 | オープンスペース |
美容師 | 薄毛のプロ | 理美容のプロ |
薄毛対策 | 特化している | 特化していない |
客層 | 薄毛で悩む人 | 不特定多数 |
薄毛の相談 | しやすい | しづらい |
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まとめ
洗髪習慣・睡眠環境・生活習慣などの影響で、枕につく抜け毛が増えることもあります。抜け毛を予防するには、食生活やヘアケア習慣を改善し、栄養状態や頭皮環境を整えることが重要です。
薄毛専門理・美容室スヴェンソンなら、薄毛の悩みを熟知したプロによる相談や、髪・頭皮の状態に合わせた施術を受けられます。丁寧に洗髪しても頭皮の脂っぽさや臭いがなくならない場合、プロによる頭皮ケアや頭皮クレンジングを検討してみてはいかがでしょうか。
参考URL
https://www.angfa-store.jp/column/nukege1004
https://medicalnote.jp/diseases/%E5%86%86%E5%BD%A2%E8%84%B1%E6%AF%9B%E7%97%87
https://medicalnote.jp/diseases/%E8%84%82%E6%BC%8F%E6%80%A7%E7%9A%AE%E8%86%9A%E7%82%8E
http://www.aga-news.jp/secure/about_aga/index.xhtml
https://www.menshealth-tokyo.com/aga/aga_column_03/report08.html
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https://www.aderans.co.jp/kamiwaza/kami_trivia/pathological_hair_loss/
https://www.hyogo.med.or.jp/health-care/113%E3%80%80%E8%84%82%E6%BC%8F%E6%80%A7%E7%9A%AE%E8%86%9A%E7%82%8E%E3%81%A7%E9%AB%AA%E3%81%AE%E6%AF%9B%E3%81%8C%E6%8A%9C%E3%81%91%E3%81%A6-%E3%81%A9%E3%81%86%E3%81%99%E3%82%8C%E3%81%B0/