そのつむじハゲは思い込み？5つの判断基準と原因別の対処法を解説
髪コト編集部プロフィール
株式会社スヴェンソン所属。毛髪技能士の資格を有する、髪のプロで構成された編集スタッフ。髪コトを通して、皆さまが抱える髪の悩みや不安、疑問を少しでも解決できるよう、分かりやすく情報を届けていくことを心掛けています。
つむじ周りの薄毛が気になるとき、単に「つむじ割れ」の場合もある一方、AGAなどによる「つむじハゲ」が進行している場合もあります。つむじハゲなら状態や原因に応じた対処が必要です。
つむじ周りの状態に違和感があり、つむじハゲなのか思い込みなのか、判断がつかない方もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では、つむじハゲの判断基準や対処法について紹介します。
そのつむじハゲは思い込み？5つの判断基準
つむじハゲなのか、自分の思い込みなのかを判断する基準は、地肌の透け感・赤みや髪質、渦の状態などです。まずは明る過ぎない場所でつむじの状態をチェックしてみましょう。鏡を使って目視する他、頭頂部の写真を撮って確認する方法もあります。
1.つむじ周りの地肌は透けて見えるか？
つむじの渦周辺の地肌が透けて見える場合、つむじハゲである可能性が高いでしょう。つむじの渦がほころび、透けて見える地肌の面積が広がっていれば、つむじハゲと考えられます。渦の中心部のみ地肌が透けた状態なら正常で、つむじハゲではありません。
ただし髪の生え癖や髪型などによっては「つむじ割れ」を起こし、割れ目に沿って地肌が透けて見える場合もあります。洗髪不足や寝ぐせでもつむじ割れの面積が広くなる場合もあるため、コンディションを整えてから、明る過ぎない照明の下でチェックしましょう。
2.つむじ周りの地肌は赤っぽいか？
正常なつむじは、渦の中心に白っぽく適度な湿り気のある地肌が透けて見えます。つむじ周りの地肌に赤みがあったり、茶色く色素沈着していたりする場合、つむじハゲの可能性が高いでしょう。
紫外線によるダメージや頭皮の乾燥などにより炎症を起こしている場合や、毛細血管がうっ血している場合、抜け毛が多くなりやすい状態と考えられます。また、茶色く色素沈着している場合は炎症が慢性化していると考えられ、より深刻な状態です。
3.つむじ周りの髪は細くて短くはないか？
つむじ周辺の髪が細く柔らかかったり、他の部位に比べて短かったりする場合、つむじハゲである可能性が高いでしょう。生まれつき髪が細く柔らかい方なら、髪質に関しては以前と変化がなければ問題ありません。
しかし血行不良などによりヘアサイクルが乱れ、正常な髪の発育が阻害されると、うぶ毛のように弱々しい髪になる場合があります。またつむじ周りの髪が長く生えそろわず、密度がまばらになっている場合、AGA（男性型脱毛症）を発症しているかもしれません。
4.つむじ周りの毛の渦を確認しづらいか？
つむじは右回りまたは左回りの渦となるのが正常な状態です。つむじが左右どちらに渦巻いているか分からなかったり、つむじの位置が分からなかったりする場合、つむじハゲである可能性が高いでしょう。
髪が細く弱々しくなったり、毛量が少なくなったりすると、つむじ周りの髪が渦状に保持されにくくなります。短髪であるにもかかわらず髪が渦を巻かずに垂れ下がり、つむじの位置がはっきりしない場合も、髪質の変化や薄毛によるつむじハゲが疑われる状態です。
5.フケやかゆみ、赤疹などがつむじ周り以外にもあるか？
つむじハゲと似た症状が出る皮膚疾患として、脂漏性（しろうせい）皮膚炎が挙げられます。フケやかゆみ、赤い発疹などがつむじ周り以外にもある場合、つむじハゲやAGAではなく脂漏性皮膚炎かもしれません。
皮脂の過剰分泌や皮脂を好む常在菌「マラセチア菌」の増殖によって引き起こされる、難治性の病気です。症状は髪の生え際や頭頂部の他、鼻・頬・耳・脇など、皮脂の分泌が活発な部位に現れます。頭皮のベタつき・かゆみ・フケ・湿疹といった症状が出る他、悪化すると生え際やつむじ周辺の脱毛も目立つようになるのが特徴です。
やっぱりつむじハゲだった場合の対処法
思い込みではなく実際につむじハゲの症状が見られる場合、原因に応じた対処を取りましょう。どのような原因でも、放置していると症状が進行してしまい、将来的に後悔することになりかねません。ここでは、つむじハゲの原因別の対処法を解説します。
つむじハゲになってしまった原因を推察する
つむじハゲの原因は複数考えられるため、まずは原因に当たりをつけ、適切な対処法の指針を得ることが大切です。主な原因として以下4点が考えられます。
- AGA
- 生活習慣の乱れ
- 重度のストレス
- 誤ったヘアケア
AGAは頭頂部や生え際から薄毛が進行する病気です。発症頻度は日本人男性の3～4人に1人と高く、つむじハゲの多くのケースがAGAによるものと考えられます。
暴飲暴食・睡眠不足といった生活習慣の乱れ、重度のストレスなどがあると、ホルモンバランス・自律神経の乱れや血行不良を招くでしょう。誤ったヘアケアにより、頭皮へのダメージや乾燥が慢性化していることもあります。いずれの場合も正常なヘアサイクルを阻害するため、髪質の変化や脱毛につながる原因です。
AGAの場合：治療を受ける
つむじハゲの原因がAGAの場合、自然治癒は難しく、専門のクリニックでAGA治療を受けることが有効です。
AGAはテストステロンという男性ホルモンと、5αリアクターゼ（I型またはII型）という酵素が結合し、DHT（ジヒドロテストステロン）という男性ホルモンが発生することで発症します。DHTは毛乳頭細胞の男性ホルモンレセプターに取り込まれ、発生した脱毛因子「TGF-β」が毛乳頭細胞にシグナルを出すことで、髪を成長期から退行期へと移行させる仕組みです。
正常なヘアサイクルを取り戻すには投薬治療が必要になります。主な治療薬は以下3種類です。
- プロペシア（主成分：フィナステリド）：II型5αリダクターゼの働きを阻害し、薄毛の進行を予防する内服薬
- ザガーロ（主成分：デュタステリド）：I型およびII型5αリダクターゼの働きを阻害し、薄毛の進行を予防する内服薬
- ミノキシジル：毛母細胞の細胞分裂を促し、発毛につなげる内服薬または外用薬
生活習慣の乱れの場合：規則正しく生活する
AGAを発症していなくても、生活習慣の乱れがあるとつむじハゲを招きかねません。例えば栄養バランスの乱れた食生活や睡眠不足です。
健康な髪は食事から摂取した栄養分をもとに作られ、髪の成長を促すホルモンは睡眠時に多く分泌されます。どちらが欠けても髪の成長は阻害され、また不規則な生活は血行不良も招きがちです。毛母細胞に十分な栄養を届けられなくなれば、コシのある強い髪が育ちにくくなるだけでなく、脱毛しやすい状態になってしまいます。
このため、栄養バランスの乱れや睡眠不足などがあれば、生活習慣を見直すことが大切です。規則正しい生活を送っても改善が見られない場合、AGAによる進行性の脱毛を疑いましょう。
ストレスの場合：ストレス解消法を見つける
精神的なストレスもつむじハゲの原因になり得ます。健康な髪が成長するには、アミノ酸や亜鉛などの栄養素を血液に乗せて毛母細胞まで送り届けることが必要です。
ところが不安や悩みなどを抱えて精神的なストレスを感じると、自律神経が乱れ、全身の血管が収縮します。精神的ストレスが血行不良を招くと、栄養不足により髪の成長が阻害され、髪のコシや毛量に影響を与えかねません。
この問題を根本的に解決するには、精神的ストレスの原因をなくすことが大切です。難しければ趣味や運動など、ご自身に合ったストレス解消法を見つけましょう。ストレスを解消してもつむじハゲが改善しない場合、AGAが関わっていることも考えられます。
誤ったヘアケアの場合：正しいヘアケアを勉強する
習慣となっているヘアケアが、実は頭皮にダメージを与え続けていて、つむじ周りの脱毛や頭皮環境の悪化を招いている場合があります。
例えば洗浄力の高いシャンプーを使ってゴシゴシと洗髪する習慣があると、皮脂の落とし過ぎにより頭皮が乾燥したり、炎症を起こしたりしているかもしれません。ドライヤーの熱風を地肌に当てることも、頭皮環境を悪化させかねない原因の1つです。ヘアカラーやパーマに使われる液剤により、頭皮がダメージを受ける場合もあります。
こういった場合は低刺激シャンプーに買い替え、頭皮マッサージを取り入れてみるなど、頭皮環境をいたわるヘアケア習慣を持つとよいでしょう。また、そうした自宅でのシャンプーやヘアケアに加えて、専門のサロンでのケアを体験してみるのもよいでしょう。薄毛専門理・美容室のスヴェンソンによる「頭皮ケア&クレンジング」は、自宅では取り切れない毛穴の奥深くに詰まった老廃物や酸化した皮脂、スタイリング剤の残留物などを特殊な酵素で完全に取り除きます。詳しい情報は以下でチェックできます。
女性がつむじハゲになる原因は男性と異なる？
女性もつむじハゲになる場合があります。男性と同様に生活習慣の乱れやストレス、誤ったヘアケアによる頭皮へのダメージは、つむじハゲを招く原因です。また女性はホルモンバランスの乱れなど、他の原因によって頭頂部の薄毛が進行する場合もあります。
加齢に伴う女性ホルモンの乱れ
エストロゲンは生殖機能を維持する女性ホルモンとして知られますが、健康な髪の成長を促す働きもあります。しかしホルモンの分泌量は生涯を通じて一定ではありません。エストロゲンの分泌量は生殖機能がピークを迎える30代後半ごろから減少し始め、ハリやコシのある髪が育たなくなったり、脱毛したりすることがあります。
つむじを含み頭髪全体が薄くなっている場合、びまん性脱毛症かもしれません。これはホルモンバランスの乱れなどを原因として発症する病気で、頭髪の密度が全体的に薄くなることを特徴とします。いずれの場合も、改善するにはホルモン治療など原因に応じた治療が必要です。
髪の毛をきつく縛るヘアスタイル
髪を強く引っ張ったり縛ったりするヘアスタイルを習慣的に行うと、牽引性（けんいんせい）脱毛症になる恐れがあります。頭皮の同じ場所に負担をかけ続けることで、うっ血や血行不良を起こし、毛が抜け落ちやすくなる症状です。
エクステンションやヘアアイロンの習慣も同じ症状を招く場合があり、毛包までダメージを受けると永久的に髪が生えてこなくなることもあります。早めに習慣を変えることが大切です。なお長髪の男性も、牽引性脱毛症によるつむじハゲを起こす場合があります。
女性男性型脱毛症（FAGA）
AGAは男性特有の病気ですが、女性はAGAの女性版といえるFAGA（女性男性型脱毛症）を発症することがあります。FAGAはAGAと同じく、男性ホルモンの働きで毛母細胞が退行期に移行させられる病気です。
通常は男性ホルモンであるテストステロンより女性ホルモンであるエストロゲンのほうが優位ですが、加齢・出産・ストレスなどでホルモンバランスが崩れると、優位性の逆転によりFAGAを発症することがあります。
FAGAの特徴は、頭部全体の髪が薄くなることです。頭頂部のボリュームが減り、分け目が広がったように感じることもあります。症状に気付いたら、早めに専門のクリニックを受診しましょう。
つむじハゲはどうやって隠す？お悩みQ&A
つむじハゲに関するよくある質問として、「10代でもなる可能性があるのか」「育毛剤でも治るのか」といったものがあります。「遺伝するのか」「どうやって隠せばよいのか」という疑問もあるでしょう。ここでは、つむじハゲに悩む方から頂くよくある質問を、Q&A形式で回答します。
Q.まだ10代ですがつむじハゲの可能性はありますか？
A.あります。
つむじハゲに年齢はあまり関係ありません。人によっては10代から症状が進行する場合もあります。つむじ周りの地肌が透けて見えたり、地肌が白っぽく見えたりするなら、つむじハゲの進行が始まっているかもしれません。
若い世代では生活習慣の乱れやストレス、過度なヘアケアなどが原因として考えられます。初めてご自身のつむじを鏡や写真で見たとき、つむじの中心部が透けて見えるだけでもショックを受けるかもしれません。とはいえ正常なつむじの状態であることも多く、過度な心配はストレスや誤ったヘアケアにつながる恐れもあります。
Q.病院ではなく市販の育毛剤で治療可能ですか？
A.つむじハゲの改善につながる可能性はありますが、専門クリニックで診断・治療を受けるほうが確実です（100％治るという意味ではありません）。
育毛剤は手軽に購入でき、頭皮環境を整え、健やかな髪を育てる目的に役立ちます。期待できる効果は乾燥・血行不良のケアや、髪の発育に必要な栄養素の補充です。
軽度なつむじハゲの改善や薄毛予防には役立つと考えられますが、薄毛の原因によっては専門クリニックで治療を受けることをおすすめします。
Q.つむじハゲは遺伝しますか？
A.遺伝によるつむじハゲも考えられます。
遺伝が問題になりやすいのは、AGAの発症しやすさです。AGAの発症機序に関わる5αリダクターゼの活性や男性ホルモンレセプターの感受性は遺伝するといわれています。両親や祖父母にAGAの症状と思われる薄毛の方がいる場合、AGAを発症しやすい遺伝子が受け継がれているかもしれません。
必ずしも遺伝・発症するわけではありませんが、AGAは進行性の脱毛症です。発症した場合、セルフケアによる自然治癒は期待できません。思い込みでなかった場合はできる限り早く改善・治療に取り組むことが大切です。
Q.つむじハゲはどうやって隠せばよいでしょうか？
A.エクステンション（つけ毛）やウィッグ（かつら）を着用する他、トップにボリュームを出すヘアスタイルにすることです。
つむじ部分の透け感を抑えるならエクステンション、より広い範囲をカバーするならウィッグが候補に挙がるでしょう。帽子を被るのも手軽な方法ですが、締め付けやムレにより頭皮環境を悪化させる場合もあります。
男性のヘアスタイルとしては、サイド部分を短めにしてトップにボリュームを出すショートヘアやソフトモヒカンがおすすめです。ツーブロックを取り入れるとトップのボリュームがより際立ちます。
ご自身の髪を生かしてカット・スタイリングでつむじハゲを隠すなら、薄毛専門理・美容室であるスヴェンソンの「デザインカット&スタイリング」サービスがおすすめです。薄毛専門のスタイリストが一人ひとりに合わせた髪型を提案してくれます。プライベート空間のため、普通の美容院では話づらいデリケートな悩みでも安心して相談できる環境を整えています。詳細は以下よりチェックできます。
まとめ
つむじが目立つように感じても「実はただのつむじ割れだった」ということもあります。一方で、頭皮環境の悪化やAGAにより薄毛が進行している場合もあるため、状態や原因の見極めが大切です。実際につむじハゲだった場合は悩み続けるのではなく、治療や改善、隠す工夫に努めましょう。
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