まだ高校生なのにつむじハゲ？若ハゲを上手に隠しながら改善・治療するには

髪コト編集部
プロフィール 2025/02/27

株式会社スヴェンソン所属。毛髪技能士の資格を有する、髪のプロで構成された編集スタッフ。髪コトを通して、皆さまが抱える髪の悩みや不安、疑問を少しでも解決できるよう、分かりやすく情報を届けていくことを心掛けています。

つむじは地肌が見えやすい部分です。髪質や生え癖によっては、地肌が目立ちやすい方もいます。特に多感な高校生の方は、「つむじハゲかもしれない」と気になり始めると、ネガティブに考えすぎるかもしれません。

そこでこの記事では、高校生でもつむじハゲになるのか、髪が薄くなる原因と対処法を解説します。薄毛専門サロンで上手にカバーする方法もあるため、前向きに悩みと向き合い、適切なアプローチを探りましょう。

つむじハゲに悩む高校生の割合

両手で頭を抱える若い男性の頭頂部のアップ — AGAなどの脱毛症は10代でも発症することがあり、高校生のつむじハゲは特別珍しいことではない

10代や20代の方が薄毛になることを、俗に「若ハゲ」と呼ぶことがあります。男性の薄毛の原因として代表的なものは、遺伝や男性ホルモンが関与するとされるAGA（男性型脱毛症）です。若ハゲの原因はAGA以外にも考えられ、薄毛の部位にも個人差がありますが、つむじ周辺の髪が薄くなるのは特別なことではありません。

10代の薄毛発症率は？

日本皮膚科学会が公開している「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」によると、AGA（男性型脱毛症）は日本人男性の約30%が発症する、非常に一般的な脱毛症です。

AGAは思春期以降に発症し、徐々に進行するのが特徴です。発症率は20代で約10%、30代で約20%、40代で約30%と、年齢とともに増加します。額の生え際やつむじ周辺から進行するケースが多く、高校生でもつむじ部分の薄毛が進行する可能性があります。

心配しすぎ？髪は1日に何本抜けるのか

つむじ周辺の髪の状態を気にし始めると、日々の抜け毛の量が多く感じるかもしれません。髪は伸び続けるものではなく、長く成長してから自然に抜け落ち、新しい髪がまた伸び始めることを繰り返しています。

頭髪全体の一部は抜け落ちる直前の状態で、1日当たり50〜100本程度の抜け毛は正常の範囲内です。また秋に抜け毛が多くなりやすいなど、普段より抜け毛が目立つこともあります。

抜け毛の毛根部分に白い小さな球状の構造が付着していれば、正常なヘアサイクルにより抜け落ちたものだと考えられます。一方、毛根部分が細く萎縮していたり、完全に欠如していたりする場合、薄毛の初期段階かもしれません。

つむじハゲは円形脱毛症や膠原病などの恐れも

つむじ周辺の髪が特別に多く抜け落ちるなど、他の部位に比べて明らかな違いがある場合、何らかの脱毛症を発症している疑いがあります。高校生の方のつむじハゲを招く脱毛症は、AGAとは限りません。

例えば、10円から500円硬貨程度の面積の髪が短期間で急激に抜け落ちた場合、円形脱毛症の発症が疑われます。他にも膠原病や脂漏性皮膚炎に伴う脱毛症、栄養失調に起因する抜け毛の増大など、さまざまなケースが考えられます。原因によっては頭部以外にも影響が及ぶため、心当たりがあれば早めに医療機関を受診しましょう。

高校生なのにつむじハゲになる原因

受験勉強のストレスで頭を抱える男子高校生 — 男性ホルモンの影響や遺伝的な要因、生活習慣の乱れなどにより、高校生でもつむじハゲになる場合がある

思春期以降は男性ホルモンの分泌が増加し、男性らしい体格が形成される一方で、頭皮を含む皮膚トラブルが増えることがあります。頭皮環境が悪化すると、髪の成長に悪影響を及ぼす可能性があります。また、遺伝的に脱毛症になりやすい体質の人もおり、AGAは思春期以降にその影響が現れ始めます。

男性ホルモンの増加

男性ホルモンの一種テストステロンの分泌量は、10代後半から20代にかけてピークを迎えます。テストステロンは男性らしい体格の形成などに不可欠ですが、皮脂の分泌量を増やす作用もあります。

ホルモンバランスの乱れや頭皮の蒸れなどにより頭皮環境が悪化すると、皮膚常在菌のマラセチア菌が異常繁殖し、脂漏性皮膚炎を起こす場合があります。これは顔にニキビが増えるのと似た状態です。頭皮の毛穴の目詰まりや炎症を起こすことで、髪の正常な成長を阻害し、結果的に抜け毛を増やしてしまうことがあります。

遺伝

AGAの発症には、男性ホルモンの一種であるDHT（ジヒドロテストステロン）が深く関わっています。テストステロンは頭頂部や前頭部に存在する5α還元酵素（5αリダクターゼ）の働きでDHTに変換され、DHTが毛根周辺のアンドロゲンレセプターに結合すると、髪の成長期を大幅に短縮させるシグナルを発します。

このシグナルを受けた髪は太く長く成長する前に抜け落ちるようになり、相対的に細く短い髪が増え、つむじ周辺や額の生え際の髪の密度が低下します。

5α還元酵素の活性度やアンドロゲンレセプターの感受性は遺伝するため、「先天的なAGAの発症しやすさ」は人それぞれです。遺伝的にAGAを発症しやすいからといって、必ず発症するとは限らず、他の原因でつむじハゲを招くこともあり得ます。

心身の疲労

髪は頭皮の毛根にある毛球部で細胞分裂を繰り返しながら成長します。頭皮や髪は、血液に乗ってさまざまな栄養素や酸素が供給されることで、コンディションを保っています。

高校生の方は受験勉強や部活動、アルバイトなどに打ち込む中で、生活習慣が乱れることもあるでしょう。例えば、偏った食生活や慢性的な睡眠不足などです。強い精神的ストレスを受けることもあるかもしれません。

偏った食生活は、頭皮・髪に十分な栄養素を届けられない要因になり得ます。睡眠不足や強いストレスは、ホルモンバランスや自律神経の乱れを招き、頭皮の血行不良を引き起こします。こういった要因が重なると、頭皮や髪が必要とする栄養素や酸素は供給されにくくなり、結果として髪の成長の阻害や抜け毛の増大を招くことがあります。

高校生のつむじハゲを改善するには

健康的な献立で色とりどりな食卓を囲む3人家族 — 栄養バランスの改善など生活習慣を見直し、つむじハゲの解消を目指そう

つむじハゲの悩みを解消するには、ネガティブに考え続けるのではなく、生活習慣を改善するための行動を起こすことが大切です。薄毛のきっかけになる要因を、できる範囲で解消していきましょう。具体的に取り組みたいこととして挙げられるのは、栄養バランスや睡眠の質の改善、ヘアケアの見直しです。

若ハゲであることを受け止める

高校生の方は多感な時期のため、つむじ周辺の髪が特別に薄くなっていないにもかかわらず、薄くなっていると思い込んでしまうこともあります。とはいえ、何らかの脱毛症を発症している場合や、生活習慣の乱れなどにより、一時的に抜け毛が増えていることもあるでしょう。

薄毛を気にしすぎることがストレスになり、悪循環に陥る恐れもあります。一人で悩まず、周りの人や専門家に相談してみることをおすすめします。遺伝的な体質は変えられなくとも、症状は若ければ若いほど改善しやすいため、早期発見・早期対策が大切です。

食生活に気をつける

食事内容が好物に偏ったり、ファストフードで済ませたりすることもあるかもしれません。日々の食事から摂取するタンパク質・亜鉛・ビタミンB群などの栄養素は、髪を作る材料となり、髪が成長する土壌となる頭皮環境や髪・頭皮へ栄養を供給するための血行を整えます。

髪の大部分はタンパク質（ケラチン）で構成されており、ケラチンは食事から摂取するタンパク質や亜鉛を使って合成されます。ビタミンB6は亜鉛の働きをサポートし、ビタミンB2は皮脂の分泌量の抑制、ビタミンEは抗酸化作用や血行改善などの働きがあります。

栄養不足による薄毛の兆候があれば、髪や頭皮が必要とする栄養素をバランスよく摂取するために、食習慣を改善することが大切です。家族にも協力してもらい、日々の献立を見直してみましょう。

目を休め質の良い睡眠をとる

目の疲れは間接的に頭皮環境に悪影響を及ぼす場合があるため、定期的に休ませることが大切です。高校生の方は、長時間の受験勉強やスマホ操作により、目を酷使することもあるでしょう。同じ姿勢で集中し続けると、体の凝りによる血行不良を招き、髪・頭皮へ栄養素や酸素が供給されにくくなります。

また睡眠不足や睡眠の質の低下も髪の成長に悪影響を及ぼします。就寝前にスマホやPCを操作すると、自律神経の乱れや成長ホルモンの分泌不足を招く場合があります。髪の成長にとっても重要な成長ホルモンは睡眠中に最も多く分泌されますが、神経が興奮状態だと分泌が阻害され、ストレスや疲労の回復もしにくくなります。ぐっすりと深い睡眠をとれるように、リラックスして眠りにつくことが大切です。

正しくヘアケアする

誤ったヘアケアは薄毛を助長する場合があります。高校生の方は、部活で汗をかいた後などに、荒っぽく洗髪することもあるかもしれません。1日の間に酸化したり汚れたりした皮脂は、しっかりと洗い流す必要があります。一方で、皮脂は頭皮のバリア機能を維持する働きもあります。

洗浄力の強いシャンプーで洗いすぎると、必要な皮脂も落としてしまい、かえって頭皮環境を悪化させる場合もあります。また、洗髪後にぬれたまま放置すると、雑菌の繁殖などを招きます。低刺激なスカルプシャンプーを選び、正しく洗髪したりドライヤーしたりすることが大切です。

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つむじハゲの治療は未成年でも受けられる？

つむじハゲの治療を未成年でも受けられるかどうかは、原因や治療法によって異なります。例えばAGA治療は、基本的に20歳以上を対象としたものです。クリニックで処方されるAGA治療薬は、男性ホルモンの抑制効果や血管拡張作用のあるものがあります。未成年者への処方・治療はリスクがあるため限定されますが、詳細はクリニックにより異なるため、確認が必要です。

また、つむじハゲの原因はAGAとは限りません。円形脱毛症など別の脱毛症の場合もあり、複数の症状が併発している場合もあります。原因の特定や適切なアプローチの判断は、医師による診察が必要です。保険適用の対象となるかどうかも原因や治療内容によって異なるため、一人で悩まず、家族と医療機関を受診しましょう。

デザインカット&スタイリングでおしゃれに隠す手も

つむじハゲの治療を医療機関で受けられたとしても、すぐに改善するわけではありません。治療効果を実感できるまでに半年程度かかることもあります。

軽度のつむじハゲであれば、カットとスタイリングで自然にカバーしつつ、おしゃれに見せることもできます。髪の状態によっては、ウィッグ（かつら）やエクステ（付け毛）などの選択肢もあります。

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