【監修記事】AGA治療にも副作用はある?肝臓に影響あるって本当!?
フリーライター・編集者・翻訳者。美容からITまで幅広い分野で活動中。1年に1回しか行かない美容院で、「ハサミが悲鳴をあげていますね~」と言われてるくらいダメージを受けた髪の毛が悩み。加えてくせ毛のため、自分にぴったりな髪形がいまいち見つからない。現在は強めのパーマでぼさついた髪の毛をごまかしている。同じような悩みを抱えている人に少しでも情報提供ができればと思っています。
発毛効果が期待できるAGA治療。抜け毛や薄毛を改善するために検討する人が多くなっています。AGA治療は一般的に、飲み薬や塗り薬などの投薬治療が行われます。そこで気になるのが、薬の副作用です。
すべての薬には「主作用」と「副作用」があり、服用すると患部だけではなく全身に行きわたります。目的以外の部分にも影響を与えてしまうため、副作用があるのです。副作用が現れる原因は以下の通り、さまざまです。
- くすりの性質や使い方
- 患者の体質
- 患者の生活習慣
- 患者のその他の病状
副作用が現れるかどうか、また副作用の強さなどは人により異なります。そのため、事前に知識を付けておくことが大切です。
本記事では、AGA治療の副作用について詳しく解説します。中でも、肝臓に起こる「肝機能障害」について、育毛の専門家である井上先生監修のもと深堀していきます。不安な人や気になる人はぜひ参考にしてみてください。
監修者
- 一般社団法人 国際毛髪皮膚科学研究所
- 所長 井上 哲夫
- 1952年、東京生まれ
- 東京理科大学卒業後、総合化粧品メーカーに入社
- ヘアケア・スキンケア商品の研究開発部長を経て、一般社団法人 国際毛髪皮膚科学研究所を設立
- 育毛研究35年、専門分野に取材多数
- 現在までに、全国各地のがん診療拠点病院及び7,000店以上の理美容店、その他各種医療セミナーで講演・指導実績あり
【資格】
生活習慣病予防指導士(日本ホリスティック医学協会認定)、医療機器販売・賃貸管理者及び修理業責任技術者、コスメコンシェルジュ(一般社団法人日本化粧品検定協会認定)
AGA治療薬の副作用について
多くのクリニックではAGA治療薬として、プロペシア(フィナステリド)やザガーロ(デュタステリド)を処方する傾向があります。
どちらも基本的に安全な薬ですが、先ほども少し触れた通り、すべての薬において副作用があるため服用する際には注意が必要です。プロペシアやザガーロにどのような副作用があるのか、見ていきましょう。
プロペシア(フィナステリド)やザガーロ(デュタステリド)に起こりうる副作用
まず初めに、プロペシアとザガーロの副作用についてご紹介します。
MSD株式会社のプロペシア薬剤添付文書によると、プロペシアには以下の副作用があります。
1~5%未満 | 1%未満 | 頻度不明 | |
過敏症 | そう痒症、じん麻疹、発疹、血管浮腫(口唇、舌、咽喉及び顔面腫脹を含む) | ||
生殖器 | リビドー減退注1) | 勃起機能不全注1)、射精障害注1)、精液量減少 | 睾丸痛、血精液症、男性不妊症・精液の質低下(精子濃度減少、無精子症、精子運動性低下、精子形態異常等)注2) |
肝臓 | AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇 | ||
その他 | 乳房圧痛、乳房肥大、抑うつ症状、めまい |
※表は横スクロール可能です
また、GSK グラクソ・スミスクライン株式会社のザガーロ薬剤添付文書によると、ザガーロには以下の副作用があります。
1%以上 | 1%未満 | 頻度不明 | |
過敏症 | 発疹 | 蕁麻疹、アレルギー反応、そう痒症、限局性浮腫、血管浮腫 | |
精神神経系 | 頭痛、抑うつ気分 | 浮動性めまい、味覚異常 | |
生殖系及び乳房障害 | 性機能不全(リビドー減退、勃起不全、射精障害) | 乳房障害(女性化乳房、乳頭痛、乳房痛、乳房不快感) | 精巣痛、精巣腫脹 |
皮膚 | 脱毛症(主に体毛脱落)、多毛症 | ||
消化器 | 腹部不快感 | 腹痛、下痢 | |
その他 | 倦怠感、血中クレアチンホスホキナーゼ増加 |
※表は横スクロール可能です
このようにさまざまな副作用がある中、肝臓(肝臓機能障害)が重大な副作用となっています。
「肝機能障害」とは?
肝機能障害とは、肝臓機能に異常がある状態を言います。肝機能障害の主な原因は、アルコール摂取によるアルコール性肝障害、B型・C型ウイルスによる肝炎、そして薬剤の服用による薬物性肝障害などさまざまです。
肝機能障害が起こると、有害物質の分解がスムーズにできなくなり、進行が続くと肝硬変から肝不全に行き着きます。
AGA治療薬の肝臓への副作用-肝機能障害
AGA治療薬において、なぜ肝機能障害のリスクがあるのか見ていきましょう。
肝臓は薬剤を代謝する臓器
肝臓は人体において、代謝、解毒、胆汁の生成・分泌をする役割を担っています。薬剤も肝臓が代謝するため、どんな薬の服用も肝臓にある程度の負担がかかります。
そして、薬剤による肝臓へのダメージがあまりにも大きいと、肝機能障害につながる可能性があるのです。
どれくらいの確率で副作用のリスクがある?
プロペシアで実地された943の臨床試験では、肝機能障害が報告された事例は2例しかなく、肝機能障害のリスクは0.2%と非常に低いです。
そのため、健康状態の人はプロペシアの服用による副作用としての肝機能障害を、深刻に心配しなくてもよい範囲といえます。
定期的な血液検査で薬剤の肝臓への負担をチェック
肝機能障害のリスクが低いとは言え、万が一引き起こしてしまうと危険です。副作用を回避するためにも、血液検査を定期的に受けましょう。肝臓の異常は自覚症状がほとんどなく、血液調査によって明らかになるケースが多いです。血液検査でAST、ALT、γ-GTPの高数値が発覚した場合、肝臓の異常が疑われます。
また、肝臓に持病がある人やアレルギー体質の人は、AGA治療を始める前に担当医に持病や体質について相談することが大切です。
また肝臓につきまして、東洋医学の観点で、肝臓機能についての判定があります。体質により肝臓の働きに注意すべき方は、爪が弱く、伸ばすと折れたりすること、目が疲れやすい、筋肉、筋をつりやすいなどと言われますので、参考にしてください。
AGAを専門としている医師の指導を受けよう
プロペシアやザガーロを使用する際には、必ずAGAを専門としている医師の指導を受けてください。「病院に行くのが恥ずかしい」「なるべく安く薬を手に入れたい」と思うかもしれませんが、薬剤の使用方法を誤ると、副作用のリスクが高まります。
偽物の薬が出回っていることも
医療用医薬品の偽物の流通は、日本国内でも問題となっています。偽問の薬には薬効成分が全く含まれていないものや薬効成分が過剰なものなどさまざまあり、正規品と見分けがつきにくいです。
プロペシアやザガーロは医師の処方箋を必要とした医薬用医薬品のため、必ず医療機関を受診し指導を受けたうえで服用しましょう。
個人輸入もさまざまなリスクが
もう一つ気をつけたいのが、薬剤の個人輸入です。個人輸入は海外販売店から直接購入する場合と、輸入代行業者を使用する場合があります。海外で購入した場合、処方箋が必要なく安価のため、魅力を感じるかもしれません。しかし、個人輸入にはさまざまなリスクが伴います。
個人輸入した薬剤が偽物である可能性はもちろん、健康被害の危険性があります。国内で販売される医薬品は有効性や安全性が「医薬品医療機器等法」に基づき確認されていますが、海外からの個人輸入の場合販売国の基準に基づくため、国内で許可されていない成分が配合されているケースがあります。これはつまり、国内での薬剤の健康や安全が約束されていないということ。
薬を服用するときは、安全を第一に考えることが重要です。個人輸入は避け、クリニックの受診と処方を検討しましょう。
薄毛対策にはAGA治療以外の選択肢も
AGA治療は、時間も費用も、効果が見えてくるまでの根気も必要な方法です。また、理想の毛量にならなかったり、薬の服用をやめると発毛効果がなくなり、元の薄毛の状態になってしまったりすることもあります。
「病院へ通う時間が確保しにくい」「お金のことが心配」「すぐに効果が欲しい」…そんな方には以下の2つの方法がおすすめです。
- 薄毛専門美容室へ通う
- 増毛(結毛)やウィッグを活用する
それぞれについて、ご紹介します。
薄毛専門美容室へ通って、薄毛をカモフラージュする
「薄毛になってきてから普段通っている理容室へ通いにくくなった」「薄毛で髪型がなかなか決まらない」…こんな悩みを抱えていませんか?
そんな方に知ってほしいのが、薄毛専門美容室の存在です。その名前のとおり、薄毛の方を専門に、自分の髪を活かして薄毛を目立たなくするヘアスタイルを提案してくれる美容室です。
※薄毛専門美容室スヴェンソンによるビフォーアフター
ここでは、薄毛に詳しいプロのスタイリストが相談に乗りながらヘアカットしてくれます。また、頭皮ケアといったメニューがあるだけでなく、プライベート空間での施術のため、人目を気にせず相談できるのもポイント。
薄毛専門美容室スヴェンソンによるビフォーアフター写真を見ても、髪型一つで格好良く印象を変えられることが分かります。薄毛専門美容室スヴェンソンについて、詳しく知りたい方は以下のHPをチェックしてみてください。
増毛(結毛・ウィッグ)で理想の変化をすぐに実現する
「もっとしっかり髪に変化を出していきたい!」そんな方におすすめなのが、増毛(結毛・ウィッグ)です。
結毛は地毛1本1本に、人毛や人工毛などの毛材を結び付けて毛量を増やしてみせる方法で、自然な仕上がりになります。薄毛がそこまで進行していない人にもおすすめで、心理的ハードルは低いでしょう。
ウィッグには以下のとおり、大きく3つの種類があります。
メリット | デメリット | |
編み込み式増毛 | 24時間付けたままで生活できる。スポーツも出来るほどの安定感と、地毛を活かした装着方法で見た目が自然。 | ウィッグを編み込めるだけの地毛が必要。付け外しがいらない分、着脱式と比較してウィッグが傷みやすい。 |
粘着式増毛 | 全く地毛がない人でもできる増毛方法で、見た目も自然な見栄えになる。部分的に取り入れることも可能。 | 頭皮のかぶれや皮膚呼吸の妨害など、頭皮にダメージを与える恐れがある。2,3週間に1度の貼り替えが必要で、匂いや衛生面も気になる点。 |
着脱式増毛 | 好きな時に付け外しができるので、オンオフの切り替えが可能。編み込み式や粘着式と比較してウィッグが傷みにくい。 | 「薄毛の自分」を日常的に見ることがストレスになることがある。強風のときなど、日常生活のなかで不意に外れてしまう可能性やウィッグを固定している部分の地毛が薄くなったり抜けやすくなるケースもある。 |
※表は横スクロール可能です
増毛について、以下の記事でより詳しく解説しています。ぜひご参考にしてください。
まとめ
薄毛に悩んでいる方は、副作用を気にしなくていい薄毛専門美容室や増毛(結毛)、ウィッグなどのサービスを視野に入れてみましょう。
髪コトでは、実際にAGA治療を経験したことのある男性100名にアンケート調査を行いました。はたして治療に対する満足度や効果はどのようなものなのでしょうか?以下の記事で結果や考察をまとめています。ぜひご覧ください。
参考文献
https://www.aac-nagoya.com/column/506 https://customlife-media.jp/propecia-side-effect
https://www.mrso.jp/colorda/az/4090/
https://www.josaiclinic-fukuoka.com/column/432
https://e-aga.jp/howto/882
https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/hepatic_dysfunction/
http://sagami-yaku.or.jp/publics/index/56/
公開日:2020/10/07