ジヒドロテストステロン(DHT)を減らすことはできる?4つの抑制方法とは
ITコンサルタント、まちづくりコーディネーター、行政職員等を経て独立。沖縄-神奈川の二地域居住をしながら、ライターとして活動しています。子供の頃から「毛髪が太い」「きっと将来ハゲない」と親を始めその他大人から言われてきたため、油断しヘアケアを怠ってきました。その結果、額が後退してきており、若干焦っています。
「ジヒドロテストステロン(DHT)」は男性ホルモンの一種で、AGA(男性型脱毛症)を引き起こす作用をもつ「薄毛の原因物質」です。
ジヒドロテストステロンの量を減らしたり、その作用を抑えたりすることができれば、理論上はAGA(薄毛)の進行を防ぐことができます。
ですが、ジヒドロテストステロンの分泌量を減らしたり、抑制したりする方法はあるのでしょうか?
この記事では、医師の吉岡容子先生監修のもと、「ジヒドロテストステロン(DHT)とは何なのか」「どうやってジヒドロテストステロンは生成されるのか」という基礎知識から、ジヒドロテストステロン(DHT)を抑制する方法まで、おすすめの薄毛対策と併せてご紹介します。
- 高梨医院
- 皮膚科・美容皮膚科
- 副院長 吉岡 容子
- 東京医科大学医学部医学科を卒業後、麻酔科学講座入局
- 明治通りクリニック皮膚科・美容皮膚 院長を務めたのち、
2014年「高梨医院 皮膚科・美容皮膚科」を開設。2019年より副院長。
【資格】
麻酔科標榜医、麻酔科認定医、高濃度ビタミンC点滴療法認定医、日本レーザー医学会会員、
日本美容皮膚科学会会員、日本抗加齢医学会会員、点滴療法研究会マスターズクラブ会員
※本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が具体的なクリニックや施術や商品等を推奨しているわけではございません。
ジヒドロテストステロンとは?どういう作用・影響がある?
まずは、ジヒドロテストステロン(DHT)について正しく理解しましょう。
どのような作用があって、あなたの身体や毛髪にどのような影響を与えるのかを解説します。
ジヒドロテストステロンは「薄毛の原因物質」
あなたは、「テストステロン」という名前を聞いたことはあるでしょうか?男性ホルモンの一種で、男性らしい骨格や筋肉を形成する作用がある物質です。
同様に「ジヒドロテストステロン」も男性ホルモンのひとつで、テストステロンと代謝酵素が結合して作り出されます(詳しくはこの後に解説します)。
そんなジヒドロテストステロンは「薄毛の原因物質」と言われています。具体的には、AGA(男性型脱毛症)の原因になってしまうのです。
では、どのようにしてジヒドロテストステロンが作り出され、薄毛を引き起こしてしまうのでしょうか?
ジヒドロテストステロンがAGA(薄毛)を引き起こす仕組みとは
男性ホルモンの「テストステロン」が「5αリダクターゼ(Ⅱ型)」という代謝酵素と結びつくと「ジヒドロテストステロン」に変化します。
生成されたジヒドロテストステロンは、毛乳頭細胞に存在して毛髪の成長をコントロールする「アンドロゲン受容体」と結合します。
この結合が起こると、毛髪の成長期間(ヘアサイクル)を短縮するシグナルが発せられて、毛髪の成長が止まり、貧弱で抜けやすい状態となってしまうのです。
ちなみに、男性の薄毛の原因は、ジヒドロテストステロンが関係するAGA(男性型脱毛症)だけではありません。頭皮の血流や頭皮環境が悪化することなどでも、薄毛になることがあるのです。
以下の記事で分かりやすく解説していますので、合わせて読んでみてください。
ジヒドロテストステロンを減らす・抑えることはできる?自分でできる方法【4選】
では、ジヒドロテストステロンの働きを抑えることはできるのでしょうか。
まず考えられる方法は、ジヒドロテストステロンのもとになる「テストステロン」の分泌量を減らすことです。
しかし、テストステロンは身体的・精神的な影響が大きく、無理に減らすと筋肉量や骨密度の減少、判断力低下などを招く可能性があります。そのため、テストステロンを減らそうとするのは現実的とは言えません。
その代わりに、ジヒドロテストステロンが作り出されないように、「5αリダクターゼ」が「テストステロン」と結合しようとする作用を抑えるのが有効です。
病院に通って投薬治療を行うことも可能ですが、この記事では、ご家庭で取り組める「ジヒドロテストステロン」の生成を抑える方法をご紹介します。
①5αリダクターゼの結合作用を抑制する食べ物を選ぶ
実は、ふだんの食生活から5αリダクターゼの結合作用を抑えることが可能です。具体的には、以下の食べ物が効果的です。
●亜鉛を豊富に含む食べ物
●大豆類
●柑橘類の皮、ノコギリヤシ(サプリメント)
あなたの食生活で取り入れられそうな食材がないか、一つずつ詳しく見ていきましょう。
発酵食品(納豆、キムチなど)
発酵食品に多く含まれる「ポリグルタミン酸」は5αリダクターゼの働きを阻害してくれるアミノ酸の一種です。また、納豆のネバネバの正体でもあります。
発酵食品を日々の食卓に取り入れるなら「納豆キムチ」がおすすめ。手軽に摂取できて、食べ合わせの相性もバツグンです。
ポリグルタミン酸のほかにも、キムチに含まれるカプサイシンや、納豆に含まれる大豆イソフラボンが頭皮や胃腸の知覚神経を刺激し、髪の毛を成長させる働きのある「IGF-1」という物質が増加して、薄毛を防ぐ効果があるといわれています。
亜鉛を豊富に含む食べ物(牡蠣、豚レバーなど)
亜鉛は魚介類、肉類に含まれている栄養素です。5αリダクターゼの働きを抑制するほか、髪の毛を構成する主成分である「ケラチン」を生成する働きもあります。
魚介類なら牡蠣やイワシ、ウナギなどに多く含まれています。肉類では豚レバーが最も含有量が多いとされていますが、牛肉や鶏肉にも含まれています。
大豆類
大豆類に含まれる「大豆イソフラボン」にも、5αリダクターゼの働きを抑える作用があるといわれています。
また、大豆に含まれるタンパク質は髪の毛の主成分「ケラチン」の生成に欠かせない栄養素です。
柑橘類の皮、ノコギリヤシ(サプリメント)
みかん・オレンジなどの柑橘類の皮やノコギリヤシにも、それぞれ5αリダクターゼの作用を抑える成分が含まれています。
柑橘類の皮に含まれる「リモネン」という成分や、ノコギリヤシに含まれる成分「オクタコサノール」「ステロール」が5αリダクターゼの結合作用を抑えると研究で明らかになっています。
柑橘類に含まれるリモネンはサプリメントでも摂れますが、デザートや間食として「オレンジピール」をつまんでみても良いでしょう。ノコギリヤシはそのまま食べることは難しいので、サプリメントをうまく活用して摂取するのが望ましいでしょう。
反対に、糖質や脂質の摂りすぎ、多量のアルコール摂取は髪にとって悪影響なので注意しましょう。ヘアサイクルを乱す可能性があります。
別の記事で、髪に良いおすすめの食材や料理メニューを詳しく紹介していますので、そちらも参考にしてみてくださいね。
②適度に運動をする
健康な毛髪を保つには、毛髪への十分な栄養供給が必要で、そのためには良好な血流を維持する必要があります。
適度な運動を通じて、血流を促して栄養を頭皮に送り届けることができれば、結果として薄毛予防につながります。
反対に運動不足に陥っていると血流が滞り、頭皮環境が悪化する可能性があります。そうならないためにも、適度な運動を習慣づけましょう。
運動は毛髪だけでなく、健康的な身体をつくるために重要です。
オーストラリアにあるベイカーIDI心臓・糖尿病研究所の研究によると、1時間座り続けると寿命が22分縮むとされています。反対に、1日に15分の運動で寿命が3年延びるといった研究結果もあります。
適度な運動は身体全体にプラスに働きますので、継続的に行うようにしましょう。
ただし、いくら運動が健康に良いからといっても、過度な運動は逆効果です。身体に負荷をかけすぎず、無理をしないよう適度な運動を意識してください。
髪コト編集部は、速歩やジョギングなど、無理なく始められる運動をご紹介しています。下の記事も合わせてチェックしてみてくださいね。
③睡眠の質を上げる
良質な睡眠をとることで、ホルモンバランスの乱れを防ぐことができます。
反対に日常的な睡眠不足が続くと、ホルモンの分泌が妨げられてしまい、ヘアサイクルの悪化を招くリスクも。さらに睡眠不足は脳のストレスが発散できず、頭皮環境の悪化を招く可能性もあります。
睡眠の質を上げるためには、寝る前の食事やアルコール、カフェインの摂取を控えることが重要です。また、寝る直前にスマホを見たり、照明をつけながら寝たりすることはなるべく避けてください。
快適な寝具をそろえ、部屋を適温にするなど、心地よく眠れる環境づくりを意識することも有効です。
別の記事で睡眠の質を上げる方法を解説していますので、こちらも参考にしてみてくださいね。
④育毛剤やスカルプケア商品を使う
頭皮や毛髪をより健康的にする方法として、育毛剤やスカルプケア商品を使用してみることもおすすめです。
育毛剤やスカルプシャンプーなどを使用すると、頭皮環境を清潔に整えることができて、薄毛対策に大きく貢献します。
薄毛の悩みに向き合うスヴェンソンでは、プロ仕様の育毛剤やシャンプーを販売しています。
スヴェンソンの育毛剤「ボルト(写真右)」には、頭皮の血行促進や毛母細胞の活性化に効果がある5つの薬用成分が配合されています。「タケノコ皮抽出液」も含まれており、この成分がジヒドロテストステロンで乱れたヘアサイクルを整えるためのアプローチをします。
育毛剤を使うときには、「TIスカルプシャンプー(写真左)」で頭皮を清潔にしてからの利用がおすすめです。頭皮に良くないパラベンや石油系界面活性剤、サリチル酸などの7つの成分を含まず、頭皮にやさしい成分だけが処方されたシャンプーで、汚れをスッキリ洗い流すだけでなく、ハリやコシもアップさせることができます。
また育毛剤のボルト同様、配合されているボタンエキスの成分が、休止期にある毛の状態を成長期へと促すアプローチをし、乱れたヘアサイクルを整えます。
今なら、育毛剤とシャンプーがセットで通常価格の半額(送料無料)で購入できます。詳しくは、以下のページをチェックしてみてくださいね。
ジヒドロテストステロンに関するよくある4つの質問
ここからは、ジヒドロテストステロンに関するよくある質問とその回答を紹介します。
Q. ジヒドロテストステロンの減少によるデメリットはありますか?
A. ジヒドロテストステロンは、男性ホルモンとして脳の海馬に作用し、不安感を抑える効果があるとされています。また胎児の男性外生殖器の形成にも作用します。
ただし、今回紹介したような方法でジヒドロテストステロンが減少しても、成人であれば大きな影響があるとは考えられていません。
Q. 亜鉛サプリでジヒドロテストステロンを抑制できますか?
A. 各所で臨床試験は行われていますが、確実な効果は示されていません。
サプリメントはAGA治療薬ではなく、あくまでも足りない栄養を補うものとして考えることをおすすめします。
Q. ジヒドロテストステロンはニキビの原因になりますか?
A. ジヒドロテストステロンには、皮脂分泌を促す作用があります。
それにより、皮脂の量が増えたり毛穴が詰まったりすることで、ニキビができやすくなる可能性はあります。
Q. ジヒドロテストステロンは体臭にも影響しますか?
A. ジヒドロテストステロンが原因で体臭がきつくなるとは考えられていません。
しかし、ジヒドロテストステロンの働きで皮脂分泌が促され、それにより毛穴の詰まりやベタつきが発生することで体臭に影響を及ぼすことは考えられます。
即効性のある薄毛対策にはヘアカットと増毛がおすすめ
この記事では、ジヒドロテストステロンの分泌量を減らす方法について解説しました。
ジヒドロテストステロンは、男性ホルモンであるテストステロンと5αリダクターゼが結合して生成されます。ジヒドロテストステロンの分泌を減らすには、この5αリダクターゼの結合作用を抑えることが重要です。
5αリダクターゼの作用を抑えるには、抑制効果のある食べ物やサプリメントを摂ったり、生活習慣を改善したり、育毛やスカルプケアを行ったりすることが有効です。
しかし、これらの対策に即効性はありません。
そのため、薄毛の進行が見られていて見た目の変化をすぐに出していきたいという方は、長期的な視点でのケアを行いつつ、ヘアカットや増毛などの対策も取り入れてみてはいかがでしょうか。
薄毛専門美容室でのヘアカット
※薄毛専門美容室スヴェンソンのカットモデル写真
ヘアカットやヘアセットを工夫するだけでも、薄毛の印象を変えることが可能です。
薄毛専門美容室スヴェンソンは、髪型を変えるように髪を増やすことが自然な選択肢になってほしいと考えています。「増髪(ぞうはつ)」というコンセプトのもと、髪を増やすことは男磨きのひとつとして、様々なサービスを提供しています。
スヴェンソンの「デザインカット」では、髪の薄さやボリューム感の気になる部分をカモフラージュできるような髪型に整えてくれます。自分の髪をそのまま活かしながらオシャレに仕上がり、費用もお手頃です(初回は特別価格)。
薄毛専門美容室については、以下の記事もあわせてチェックしてみてください。
結毛(マイヘアプラス)による部分増髪
あなたの理想のヘアスタイルを実現するには、「増髪」という手段もあります。
増髪の方法にはいくつか種類がありますが、なかでも自分の髪1本1本に毛材を結ぶ部分増髪「マイヘアプラス」を利用すれば、育毛や発毛に取り組みながら、お望みの毛量をすぐに実現できます。
※スヴェンソンの部分増髪「マイヘアプラス」によるビフォーアフター
スヴェンソンの部分増髪「マイヘアプラス」は、毛材が地毛と馴染んでより自然な見た目を実現できることが特徴です。地毛に負担をかけることがないので、99.2%の定着率を実現しています(2017年1月比較実験データ)。
今なら、「マイヘアプラス」の施術3回分(税込66,000円相当)を半額の33,000円(税込)でお試しいただけます。
マイヘアプラスが気になった方は、以下のページをチェックしてみてください。
このように、育毛や頭皮ケアを行いながら、デザインカットや部分増髪(マイヘアプラス)で髪型を工夫してみるという方法も選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。
カットが良いのか増髪が良いのか、自分にどんな方法が合うか分からないという方も無料で相談することができるので、まずはスヴェンソンで話を聞いてみると良いでしょう。
参考文献
https://www.aska-pharma.co.jp/media_men/column/5-reductase/
https://diamond.jp/articles/-/254031
https://529270.com/blog/ikumou/363
https://www.tv-tokyo.co.jp/plus/lifestyle/entry/2021/023194.html
https://www.agaskin.net/column/details/?id=detail_25
https://www.aska-pharma.co.jp/media_men/column/dht/
http://gakui.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/data/h21/125515/125515a.pdf
https://daito-p.co.jp/blog/2006/03/post-5.html
https://himitsu.wakasa.jp/contents/limonene/
https://daitoyakuhin.co.jp/blogs/2021/04/08/%E3%83%AA%E3%83%A2%E3%83%8D%E3%83%B3%E3%81%AE%E7%89%B9%E5%BE%B4%E3%82%84%E5%8A%B9%E6%9E%9C%E3%82%92%E7%9F%A5%E3%82%8A%E5%8A%B9%E7%8E%87%E3%82%88%E3%81%8F%E6%91%82%E5%8F%96%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%97/
公開日:2022/01/31