抜け毛を予防するためのケア方法
株式会社スヴェンソン所属。毛髪技能士の資格を有する、髪のプロで構成された編集スタッフ。髪コトを通して、皆さまが抱える髪の悩みや不安、疑問を少しでも解決できるよう、分かりやすく情報を届けていくことを心掛けています。
髪の毛のボリュームが減った感じがしたり、抜け落ちる髪の毛の量が増えてきた気がしたり、抜け毛に気づいたらヘアケアの習慣を見直してみてください。抜け毛を引き起こす原因は、もしかしたら意外と身近なところにあるかもしれません。こちらでは、抜け毛予防のために行いたいヘアケア方法を、日常生活・スタイリング・スペシャルケアという3つの観点からご紹介します。
抜け毛が増えたと感じたらヘアケアで予防しよう
これまでにそれほど髪の毛のお手入れに力を入れてこなかった方も、抜け毛が増えてきたことを実感してから、ヘアケアに関心を持つことがありますよね。多くの男性を悩ませる男性型脱毛症(AGA)は、進行性の症状であることから、お手入れを怠っていると薄毛がさらに進んでしまいます。抜け毛が増えたと感じたときは、すみやかにヘアケアで予防を始めましょう。できるだけはやめに薄毛対策をしておけば、将来の頭皮の状態に大きな差が出るかもしれません。
抜け毛予防ヘアケア~日常生活編~
まずは、抜け毛を予防するためのヘアケアとして、日常生活で行いたいことをお伝えします。普段の習慣を見直して、抜け毛を防ぐために改善を目指しましょう。
● 正しいシャンプーの習慣を身につける
頭皮を清潔に保つためには、毎日の正しいシャンプーの習慣が欠かせません。抜け毛を予防したいときは、頭皮への刺激を抑えるためにシャンプーの成分にも気をつけておきましょう。
一般的に、シャンプーとは汚れやニオイを落とし、髪をきれいに保つためのものと考えられています。一方、頭皮のことを考え、薄毛やフケ対策を目的としたものをスカルプシャンプーといいます。特徴は、使用されている界面活性剤が頭皮への刺激が少ないものとなっていたり、頭皮を健やかに保つ成分が含まれていたりします。そのため、薄毛対策のためのスカルプシャンプーを選択すると安心です。なお、代表的な製品としては、アンファーのスカルプDなどが挙げられます。
シャンプーをするときは、液を手のひらで泡立ててから、指の腹で優しく洗い上げます。その後はぬるめの温度のシャワーで、洗い残しのないようにすすぎましょう。ただし、1日に何度もシャンプーをするなど、過度なケアは頭皮の負担になるため避けてください。
● ストレスを発散する方法をみつける
ストレスを溜め込むと緊張で血管が収縮し、血流が悪くなると、抜け毛につながるおそれがあると考えられています。日常生活でストレスをなくすことは難しいため、上手に発散する方法をみつけましょう。たとえば、適度な運動はストレス発散に役立ちます。また、好きなことをする時間を意識的に作るのも大切です。趣味に没頭したり、友人と会って話したりすることも、立派なストレス発散方法といえます。十分な睡眠をとったり、入浴して緊張をほぐしたりするのも、ストレス発散に役立ちます。
● 過度な飲酒と喫煙を控える
体に悪いとは分かっていても、なかなか止めるのが難しい飲酒と喫煙。実は、飲酒と喫煙は抜け毛にも悪い影響を与えると考えられているため、飲みすぎ、吸いすぎには注意しましょう。お酒に含まれるアルコールは、肝臓で分解されるときにビタミンを消費してしまいます。これにより頭皮のターンオーバーに必要なビタミンが失われやすくなるのです。また、タバコに含まれる有害な成分は血管を収縮させる働きがあるため、頭皮に必要な栄養素が血液によって運ばれるのを阻害してしまいます。
抜け毛予防ヘアケア~スタイリング編~
おしゃれのために欠かせないスタイリングが、頭皮にダメージを与えているかもしれません。抜け毛を予防しながらスタイリングを楽しむためのポイントをご紹介します。
● ワックスは頭皮への負担に気をつける
スタイリングに使用することの多いワックスですが、使用後にきちんと汚れを落とさなかったり、刺激の強い成分が配合された商品を使い続けたりすると、頭皮にダメージを与えるおそれがあります。抜け毛を予防したいときは、可能であれば使用を控えておきましょう。どうしても髪の毛のボリュームを出したいときは、石油系界面活性剤やシリコン、パラベンといった西武が含まれていないものを選んで使いましょう。また、成分の90%以上が天然由来成分のものもおすすめです。なお、どのようなワックスであっても、使用後は丁寧に洗浄して、毛穴の汚れを落とすことが大切です。
<おすすめワックス>
・スカルプD ワックス ストロングホールド
・MEUVLE(ミューヴル) ドライハードワックス
・ザ・プロダクト ヘアワックス
● ジェルは少量で仕上げて負担を減らす
ウェット感を出したいときや、長時間髪型をキープしたいときに使うジェル。成分が水溶性であることから、使いやすさに定評がありますが、抜け毛を予防したいときは使い方に気をつけておきましょう。まず、ジェルは少量でもホールド力があります。指先にほんの少し取り、毛先につけてください。量が多すぎたり、髪の毛の根本につけたりすると、ジェルが頭皮の毛穴を塞ぎやすくなります。また、ジェルを使ったときは寝る前に必ずシャンプーで洗い流し、頭皮に汚れが残らないようにお気をつけください。
● パーマやヘアカラーをするなら慎重に
おしゃれのためにパーマやヘアカラーをすると、髪や頭皮に負担をかけます。パーマで使用する液剤では強力なアルカリ性の成分を使用しますが、通常、毛や頭皮は弱酸性なのでpH値の違う液剤が毛や頭皮に付着することでストレスがかかってしまいます。またヘアカラーに関しても液剤に含まれるジアミン成分の刺激によって、髪の毛と頭皮に負担がかかります。どちらも抜け毛の直接的な原因となるわけではありませんが、このような強い刺激を繰り返し受けることで、髪の毛の成長にかかわる頭皮が傷ついてしまいます。特に、市販のパーマ剤やカラー剤を使ってセルフでお手入れをしている方は、薬剤の洗い残しには十分に注意しておきましょう。また、薬剤によるダメージを感じたときは、その後の使用を控えておくと安心です。
抜け毛予防ヘアケア〜スペシャルケア編〜
前項までの内容については、すぐにでもはじめられるものをご紹介してきました。以下からはスペシャルケア編として、より専門的かつ効果的な薄毛対策方法について解説します。
● 頭皮マッサージで血行を促進する
抜け毛予防のスペシャルケアとして、頭皮マッサージで血行を促進すると、頭皮環境を健康的に保ちやすくなります。頭皮マッサージを行うタイミングとしておすすめなのは、お湯で体が温められているお風呂上がりです。指の腹を使って、5分間ほど優しくマッサージを行いましょう。このとき、爪を立てて頭皮を引っかくと、頭皮を傷つけるおそれがあるためお気をつけください。頭皮マッサージは血行を促すだけでなく、リラックスや疲労回復などのメリットも期待できます。継続して行いましょう。
● 育毛剤で抜け毛予防をサポート
基本的なヘアケアに加えて気軽に取り入れやすいのが、市販されている育毛剤です。それぞれの育毛剤には、期待する効果に応じた成分が配合されており、抜け毛対策をサポートしてくれます。また、頭皮マッサージとの相性もよいため、ぜひ育毛剤と組み合わせてスペシャルケアを始めてみてください。育毛剤は、使い始めてから数カ月から半年ほどで、効果を実感できるといわれています。育毛剤と合わせて、抜け毛予防のための成分が配合されたスカルプシャンプーを使用してもよいでしょう。
分類 | 成分名 | 育毛剤のタイプ | 作用 | 有名な育毛剤 |
医薬品に区分される成分 | ミノキシジル | 成長促進 | 毛乳頭細胞の増殖、毛母細胞の死滅抑制、血行促進作用 | リアップ・シリーズ |
フィナステリド | 脱毛予防 | 抗男性ホルモン作用 | プロペシア | |
塩化カルプロニウム | 成長促進 | 血行促進作用 | カロヤン・シリーズ | |
医薬部外品成分(有効成分) | セファランチン | 成長促進 | アレルギー抑制、血行促進作用 | 薬用プランテル、LPLP薬用育毛エッセンス |
センブリエキス | 成長促進 | 血行促進作用 | BUBKA、プランテル、M−1育毛ミスト、ナノインパクト100 | |
グリチルリチン酸二カリウム | 頭皮環境 | 抗炎症効果 | ポリピュア、BUBKA、チャップアップ、M−1育毛ミスト、LPLP薬用育毛エッセンスなどほとんどの育毛剤にもれなく配合 | |
トコフェロール酢酸エステル | 頭皮環境 | 血行促進作用、抗酸化効果 | リアップX5プラス、ナノインパクト100、ベルタ育毛剤 | |
エチニルエストラジオール | 脱毛予防 | 抗男性ホルモン作用 | ナノインパクト100、ケフトル、スカルプD ボーテ、 メディカルエストロジー スカルプセラム | |
メーカーの独自開発成分 | M-034 | 頭皮環境 | 外毛根鞘細胞の増殖を促進 | BUBKA、チャップアップ、イクオス |
バイオポリリン酸 | 頭皮環境 | ヘアサイクルの正常化 | ポリピュアEX | |
温泉由来加水分解酵母エキス | 成長促進 | 毛乳頭が活性化 | M−育毛ミスト、ケノミカ | |
ルプルプWフコイダン | 頭皮環境 | 頭皮の保湿効果 | LPLP薬用育毛エッセンス | |
キャピキシル | 脱毛予防 | 抗男性ホルモン作用 | フィンジア、ザスカルプ5.0c | |
リデンシル | 成長促進 | 毛母細胞が修復 | 薬用プランテルEX |
● AGA治療で本格的に予防を始める
男性型脱毛症(AGA)の予防は、医療機関で治療を受けるという選択肢もあります。抜け毛が気になり始めたとき、医師の診察を受けて専門的な対策を始めたいときは、検討してみてはいかがでしょうか? AGA治療では、主に医薬品を服用する方法が行われています。また、男性専門クリニックの中には生活習慣の指導を受けられる医療機関もあります。治療内容に健康保険が適用できないため、治療費用はやや高額になりますが、本格的に抜け毛を予防したいときにおすすめです。
まとめ
抜け毛が増えてきたのを実感したときは、今回ご紹介したケア方法を参考に、毎日のお手入れの習慣を変えてみましょう。日常生活編やスタイリング編では、今日からすぐにできる抜け毛予防の方法をご紹介しました。これに加えて、スペシャルケア編では、頭皮マッサージや育毛剤など、新たに抜け毛対策として取り入れたいヘアケアをご紹介しています。今後の抜け毛予防にぜひお役立てください。
参考URL
https://www.hairmedical.com/nukege/nukege-yobou/
https://www.hairmedical.com/nukege/supplement/
http://www.biotech.ne.jp/column/nukege/archive115/
https://www.aderans.co.jp/kamiwaza/usuge_kiso_chishiki/usuge_nukege_five_methods/
https://www.hairmedical.com/about/touhatsu-chiryou/
公開日:2019/02/28