【医師監修】「毛深いと将来ハゲる」はホント?体毛の濃さと薄毛の関係を解説
ITコンサルタント、まちづくりコーディネーター、行政職員等を経て独立。沖縄-神奈川の二地域居住をしながら、ライターとして活動しています。子供の頃から「毛髪が太い」「きっと将来ハゲない」と親を始めその他大人から言われてきたため、油断しヘアケアを怠ってきました。その結果、額が後退してきており、若干焦っています。
「毛深い・体毛が濃い人は将来ハゲる」という話を、耳にしたことはありますか?
全身にはたくさん毛が生えるのに、頭部は逆に、ハゲて薄くなっていくという説です。
全身に多くの毛が生えるなら、同じ身体の一部である頭部にだってたくさん髪の毛が生えてもおかしくはないし、ハゲにはならないのではないかと思いますよね。
毛深い男性にはとても気になるこのウワサですが、果たして本当なのでしょうか。
結論から先にいいますと、全身の体毛の濃さは薄毛に多少なりとも関係しています。
しかし、だからといって毛深い方が必ずハゲてしまうわけではないので、ひとまずご安心ください。
この記事では、体毛の濃さと薄毛の関係性、そのメカニズムを科学的に解説します。また、おすすめの薄毛対策方法もご紹介いたします。
- 恵比寿美容クリニック
- 院長 西田 恭之
- 東海大学医学部医学科卒業後、都内市中病院での初期研修を経て、消化器内科診療に従事
- その後、人間ドックでの診療を続けながら「恵比寿美容クリニック」にて皮膚科・美容皮膚科診療に従事。
現在は院長として診療にあたっている
【資格】
日本内科学会認定内科医、美容皮膚科医・美容外科医・消化器内科医
※本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が具体的なクリニックや施術や商品等を推奨しているわけではございません。
「毛深い」とは、どの程度? 体毛が濃い人の特徴とは
毛深いかどうかを判断する明確な基準はなく、個人の主観にも左右されます。
しかし、一般的に「毛深い」「体毛が濃い」といわれる人には、以下のような共通点があります。
- 胸毛がしっかりと生えている(背中などに毛が生える場合も)
- 体毛が太い、長い
- 腕や足が毛により黒っぽく見える
- ひげの密度が高い
- ひげを剃っても青く残る
- 朝にひげを剃っても夜には伸びている
「毛深い・体毛が濃いと将来ハゲる」そのメカニズムとは
記事の冒頭でもお伝えしましたが、毛深いほどの体毛の濃さと薄毛には、少なからず関連があります。
まずは、薄毛になる原因から解き明かしていきましょう。
生活習慣の乱れや加齢など、薄毛にはさまざまな原因がありますが、そのひとつに「ジヒドロテストステロン」という男性ホルモンがあります。
ジヒドロテストステロンは頭皮の毛包に影響を及ぼす男性ホルモンの一種で、ヘアサイクルの乱れを引き起こし、結果的に薄毛(AGA=男性型脱毛症)を進行させます。
ここから、薄毛の原因物質である「ジヒドロテストステロン」が作られるメカニズムと、体毛の濃さの関係性について解説します。
しかし先にお伝えしておきます。ジヒドロテストステロンが作られるメカニズムと毛深さが関係しているからといって、「毛深い人は必ずハゲる」というわけではありません。過度な心配は無用です。
毛深くなる理由は「遺伝」と「テストステロン」
体毛が濃くなる主な理由としては、次の二つが考えられます。
2.男性ホルモンの主な成分「テストステロン」
遺伝に関しては、人の毛穴の数は胎児のころには既に決まっています。頭皮の毛穴はおよそ10万個ほどですが、毛穴の数に個人差はあまりないとされています。
しかし、そこから先の「実際に毛穴から毛が生える本数」や「毛の太さ・密度・長さ」などは、遺伝によって決まるといわれています。
一方、男性ホルモンの一種である「テストステロン」は、男性らしい身体にしてくれる作用を持つホルモン物質です。体毛やひげが生えるのも、このテストステロンが作用しています。
テストステロンは薄毛の原因物質の原料
男らしい身体にし、体毛の濃さにも影響するホルモンであるテストステロン。
実は、薄毛の原因物質である「ジヒドロテストステロン」の原料でもあります。
男性ホルモンである「テストステロン」は、「5αリダクターゼ(Ⅱ型)」という代謝酵素と結びつくと「ジヒドロテストステロン」に変化します。
生成されたジヒドロテストステロンは、「アンドロゲン受容体」と結合しやすい性質があり、二つが結合することで毛髪の成長を抑制してしまいます。
毛髪の成長がストップしてしまうと「ヘアサイクル(毛周期)」が乱れて、髪の毛が成長しきらない状態で抜けてしまいます。その結果、薄毛が進行してしまうのです。
毛深いと「5αリダクターゼ」が多く分泌されることも
毛髪の成長を抑制する作用がある「ジヒドロテストステロン」は、腕・脚やわきの下など頭皮以外の体毛を増やす作用も持っています。
テストステロンや5αリダクターゼ(Ⅱ型)の分泌量には、個人差があることが明らかになっています。
ですので、テストステロンや5αリダクターゼ(Ⅱ型)の分泌量が多い人ほど、両者が結びついて「ジヒドロテストステロン」へ変化する量も多くなる可能性が高いと考えられます。
結果として、多量に生成された「ジヒドロテストステロン」が全身の体毛を増加させるだけでなく、毛髪の成長を抑制してしまい、薄毛(ハゲ)になってしまうのです。
毛深い人はハゲやすい、といわれるメカニズム【まとめ】
以上をまとめます。
頭皮の毛包にある毛乳頭には、代謝酵素の「5αリダクターゼ(Ⅱ型)」が存在します。
男性ホルモンの「テストステロン」と5αリダクターゼ(Ⅱ型)が反応すると、体毛を増加させる一方で髪の成長は抑制させるホルモン「ジヒドロテストステロン」に変化します。
テストステロンや5αリダクターゼ(Ⅱ型)の分泌量は人によって個人差があり、両者の分泌量が多い人ほど、テストステロンが5αリダクターゼ(Ⅱ型)と結びついて「ジヒドロテストステロン」がたくさん生成される確率が高くなります。
「ジヒドロテストステロン」の生成量が多くなることで、体毛はより増加して毛深くなりますが、同時に頭皮では薄毛が進んでしまいます。
これが、「毛深い・体毛が濃いとハゲやすい」といわれる理由です。
ただし、繰り返しますが「毛深い人には必ずこのような作用がはたらく」というわけではないこともあわせて覚えておきましょう。
毛深い・体毛が濃い人がやってはいけない薄毛対策とは
ここまでの説明をお読みになった方の中には、このように思われた方もいるのではないでしょうか。
「では、テストステロンを減らせば、毛深さも解消して、薄毛も進まなくなるの?」
確かにテストステロンが少なくなれば、薄毛を引き起こすジヒドロテストステロンが生み出される確率は低くなり、薄毛を防げるかもしれません。
しかし、男性ホルモンであるテストステロンの分泌量が減ると、身体的にも精神的にも悪影響が発生します。
そのため、意図的にテストステロンの分泌量を減らそうとすることは、おすすめしません。
テストステロンを減らすと起こる悪影響
テストステロンが減ると、どのような悪影響が生じるのでしょうか。
たとえば、身体的な面では以下のような影響が生じる可能性が考えられます。
●メタボリック症候群になるリスクの増加
●認知機能の衰え
●貧血
●骨密度の減少
また精神的な部分でも悪影響が考えられます。
テストステロンは大脳に作用し、ポジティブで前向きな思考を促し、判断力を高めてくれます。
そのため、テストステロンの分泌量が減ると、以下のような悪影響が出る可能性があります。
●イライラしがちになる
●不安を感じやすくなる
●ネガティブな思考が多くなる
このように、テストステロンは心身の健康に大きな影響を与えています。無理に減らそうという考えはしない方がよいでしょう。
【参考】メンズヘルス外来 | 順天堂大学・順天堂医院泌尿器科
筋トレは控えたほうが良い!?
筋トレをすることでテストストロンが分泌されることを知っている方の中には、「テストステロンが分泌されないように、筋トレは控えたほうがいいのでは?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
ですが、適度な運動は、健康にも髪にも良いので続けることをおすすめします。
実際のところ、運動によって分泌されるテストステロンだけでは薄毛は進行しません。
繰り返しになりますが、薄毛の進行には、テストステロンを変化させる5αリダクターゼが必要です。
運動や筋トレをしているからといって、心配しすぎる必要はありません。
筋トレに関連していえばもうひとつ、「プロテインを摂ると、副作用でハゲる」というウワサもあります。
このウワサに関しても、概ねウソといえます。プロテインの摂取が直接ハゲにつながるという科学的な根拠は、これまで見つかっていません。
そもそも、プロテインの主な成分はタンパク質です。タンパク質は髪の成長に有効な成分なので、むしろ摂取が望ましいものです。
詳しくは、以下の記事も参考にしてください。
毛深い・体毛が濃い人がするべき薄毛対策とは
毛深い・体毛が濃いからといって、薄毛対策や予防方法は他の人と大きく変わりません。
薄毛の悩みを持つ他の人と同じように、一般的にいわれている薄毛対策を実践してみましょう。
良好な生活習慣を維持する
何よりもまずは、生活習慣を見直し、健康に気をつけましょう。
バランスのよい食事、適度な運動習慣、正しい洗髪、良質な睡眠を心がけることで、髪を強くたくましく育てることのできる頭皮環境が整います。
また、ストレスを溜めてしまうと、心身のみならず髪の成長にも悪影響を及ぼします。スポーツや趣味を楽しみ、上手にストレスを発散しましょう。
スカルプケアを習慣にする
スカルプケアとは、頭皮を清潔な環境に保つことを意味します。
スカルプケアは薄毛対策によい効果があります。育毛剤や育毛シャンプーなど使用すると、頭皮環境を清潔に整えられたり、抜けにくく太い髪に育てられたりと、薄毛対策に大きく貢献します。
せっかく毎日ケアをするのですから、効果が期待できる成分が配合されたものを選ぶことをおすすめします。
薄毛の悩みに応える商品を専門的に扱っているスヴェンソンでは、スカルプケアの強い味方になるプロ仕様のシャンプーや育毛剤を販売しています。
頭皮にとって良くない7つの成分は処方せずに、頭皮にやさしい成分だけで汚れをスッキリ洗い流すのが「TIスカルプシャンプー(写真左)」です。
エイジングケア成分を含有しているので、頭皮環境の改善を期待できます。また、配合されている加水分解ケラチンにより、髪のハリやコシもアップさせます。
シャンプーとあわせて使いたいのが、育毛剤の「ボルト(写真右)」。頭皮の血行促進や毛母細胞活性化などの効果がある5つの薬用有効成分を配合しています。さらに、タケノコ皮抽出液が毛周期にアプローチするため、乱れたヘアサイクルを整えてくれます。
各成分の育毛効果をより高く得ることが可能な新技術が用いられているので、効率的に髪を太く・長く成長させたい方におすすめです。
今なら、このシャンプーと育毛剤をセットにして、通常価格の半額(送料無料)で購入することができます。
「スカルプケアを始めたいけど、何を買ったらいいかわからない」「せっかく使うなら効果があるものが欲しい」という方は、ぜひ一度お試しください。
詳しくは、以下のページをチェックしてみてくださいね。
薄毛専門美容室で対策をする
ヘアスタイルを変えるだけでも、ハゲの印象を大きく変えられます。
薄毛専門美容室を利用すれば、気になるハゲ部分が目立ちにくい、オシャレなヘアスタイルを実現できます。
薄毛専門美容室スヴェンソンは、髪型を変えるように髪を増やすことが自然な選択肢になってほしいと考えています。「増髪(ぞうはつ)」というコンセプトのもと、髪を増やすことは男磨きのひとつとして、様々なサービスを提供しています。
次の写真をご覧ください。薄毛専門美容室でヘアスタイルを変えた男性の例です。
このように薄毛専門美容室では、清潔感のある、薄毛が目立ちにくい髪型にアレンジしてもらえます。
※薄毛専門美容室スヴェンソンで「デザインカット」を受けた男性のビフォー・アフター
薄毛専門美容室であるスヴェンソンでは、毛髪のプロの手による育毛プログラム「TIスカルプコントロール」があります。
血行促進をはじめ、頭皮環境の活性化など、6つのステップを通して育毛ケアをするサービスです。最後は地毛を活かしたヘアカットの施術で薄毛をカモフラージュし、見た目の印象を一新させることができます。
スカルプケアは、毎日継続的に行うことで効果が格段にアップします。
「TIスカルプコントロール」では、毛髪のプロに正しいセルフケアの方法も質問できるので、本格的な育毛プログラムとあわせて育毛ケアをばっちり行うことができるようになります。
「TIスカルプコントロール」の詳細は、以下のページをご覧ください。
「TIスカルプコントロール」で本格育毛ケア 自分の髪を大切にしたい全ての男性へ贈る、スヴェンソンの育毛プログラム。7つのステップであなたの頭皮を徹底ケア。毛髪のプロが毎日のセルフケアもサポートします。
薄毛が進行したら増髪という手段もある
薄毛対策として、育毛は有効な手段です。しかし、先にお伝えしたような育毛方法では即効性が乏しいのも事実です。
「育毛」という性質上、効果を実感するまでには、どうしても時間がかかってしまいます。
「薄毛が気になってしょうがない」「早く薄毛を解消したい」という方は、増髪(ウィッグや結毛)の利用も考えてみてはいかがでしょうか。
※スヴェンソンのウィッグ(カツラ)「編み込み式増髪」を装着した男性のビフォー・アフター
自分にあった増髪方法であれば、いち早く薄毛の悩みを解決できます。
ただし、カツラであればどれでもいいわけではありません。ネット通販や市販で売っているような安いカツラでは、いかにも安っぽい素材が使われていることが多いので、余計に頭部が目立ってしまい、すぐに周囲にバレてしまいます。
特に毛が濃い人は毛髪も太いことが多く、安物のカツラと地毛との差が出やすくなる場合もあります。
そのため、カツラを使うのであれば安物ではなく、自分にピッタリで品質のよいウィッグ(カツラ)を選ぶことをおすすめします。
薄毛対策の各種サービスを展開するスヴェンソンでは、カツラの種類も豊富です。
リーズナブルなものからオーダーメイドのものまで、人それぞれの生活環境や要望にそったカツラを提供しています。
詳しくは以下のページに載っていますので、ぜひご覧くださいね。
「毛深いと必ずハゲる」わけではない。都市伝説やウワサには惑わされないで
まことしやかにウワサされている「毛深い人は将来必ずハゲる」という説。
毛深さと薄毛は、男性ホルモンが影響するという共通点があり、全くの無関係ではありません。しかし、体毛が濃いから絶対ハゲるということでもありませんでした。
しかし、もし「最近薄毛になってきたかも」と気になるならば、まずは抜け毛の量などに注意しておくとよいでしょう。
毛深さや体毛の濃さに限らず、日頃からの髪やスカルプケアはとても重要です。
毎日のケアについてわからないことや、髪での悩みごとがある場合は、頼れるプロに相談することも有効です。
スヴェンソンでは、専任アドバイザーが毛髪や頭皮の状態を確認して、ヘアケアの方法や対策についてアドバイスしています。また髪に関するさまざまなご相談も承っています。
悩み事は一人で抱え込まず、ぜひスヴェンソンにもご相談くださいね。
参考文献
https://www.aga-clinic.com/column/hairy-usuge/
http://www.nomura-iin.com/baldness_heredity.php
https://juntendo-urology.jp/examination/mens_health/
公開日:2021/10/08