日頃から注意したい頭皮の乾燥対策｜すでに乾燥に悩む人の対策方法も紹介

川上雅哉
プロフィール 2023/03/16

個人事業主としての経験と確かなエビデンスを元に、ビジネス・ IT ・美容・健康と、多くのジャンルの記事を執筆するフリーランスライター。難しい内容や専門用語を多く使うものを幅広い視野で読み解き、わかりやすい言葉に変えてみなさまにお届けしています。
健康的な肌や元気な髪は、男女問わず自信や魅力に繋がると考え、自身も保湿ケアや頭皮ケアに励んでいます。目指すは、見た目年齢マイナス 10 歳！当サイトでは、育毛・発毛のために役立つ情報をしっかり発信できればと思います。

あなたの薄毛や抜け毛の原因は、頭皮の乾燥かもしれません。この記事では、頭皮が乾燥してしまう原因と対策をご紹介します。頭皮が乾燥してしまう原因は、体質やシャンプーの成分、食生活、紫外線によるダメージなどさまざまです。頭皮が乾燥した状態だと、フケやかゆみ、薄毛といった症状に繋がります。育毛のオーソリティである井上哲夫先生の監修のもと、頭皮の状態を見直して原因に応じた対策を講じ、地肌のうるおいをキープしながら、頭皮環境を改善する方法をご紹介します。

監修者

一般社団法人国際毛髪皮膚科学研究所
所長井上哲夫

1952年、東京生まれ
東京理科大学卒業後、総合化粧品メーカーに入社
ヘアケア･スキンケア商品の研究開発部長を経て、一般社団法人国際毛髪皮膚科学研究所を設立
育毛研究35年、専門分野に取材多数
現在までに、全国各地のがん診療拠点病院及び7,000店以上の理美容店、その他各種医療セミナーで講演・指導実績あり

【資格】
生活習慣病予防指導士（日本ホリスティック医学協会認定）、医療機器販売・賃貸管理者及び修理業責任技術者、コスメコンシェルジュ（一般社団法人日本化粧品検定協会認定）

頭皮が乾燥する原因

乾燥のイメージ画像

間違った洗髪や乱れた生活習慣は、頭皮の乾燥を悪化させる原因です。ここでは、頭皮が乾燥する原因を一つひとつ紐解き、解説していきます。

乾燥肌体質

もともと乾燥肌の方は、頭皮も乾燥しやすい傾向にあります。肌のうるおいは、ヒアルロン酸やセラミド、コラーゲンといった保湿成分によって保たれますが、乾燥肌体質の方は、こうした保湿成分が不足しがちです。

特に、空気が乾燥し、皮膚がカサカサしやすい冬は、頭皮も乾燥しやすい季節。対策していないと、薄毛に繋がることもあるため、頭皮をしっかり保湿ケアしていきましょう。

洗髪の仕方が悪い、あるいはシャンプーが肌に合っていない

洗髪方法が間違っていると、頭皮が乾燥しやすい状態になってしまいます。シャンプーを使う目的は、髪の汚れと同時に、頭皮の汚れや雑菌を落とし、頭皮を清潔な状態にすることです。髪だけでなく、頭皮もしっかり洗えているか確認してみてください。

また、シャンプー剤が肌にあっていないと、頭皮がダメージを受けて、かゆみやフケが出やすくなります。きちんと洗っているのに頭がかゆい、フケがよく出る場合は、シャンプー剤が頭皮に合っているかどうかをチェックしてみましょう。加えて、強力な洗浄成分が配合されているシャンプー剤の使用は、頭皮への刺激になり、かゆみや乾燥の原因になることもあるので気をつけましょう。

洗髪後の乾かし方に問題がある

ドライヤーで髪を乾かす男性の画像

頭皮の乾燥を防ぐためには、ドライヤーの使い方も大切です。ドライヤーは熱と風で水分を飛ばして乾かすため、過度にドライヤーの風をあてすぎると、乾かしすぎになってしまいます。逆に、ドライヤーでの乾燥が不十分だと、常在菌が繁殖しやすくなり、かゆみの原因になることもあります。

偏った食生活

髪の成長と頭皮の健康維持には栄養が欠かせません。偏った食生活により、髪や頭皮に必要な栄養が供給されていないと、細く抜けやすい髪になったり、乾燥しやすい頭皮になったりします。特に、タンパク質、亜鉛、ビタミンなどをバランス良く取ることが大切です。

加えて、水分の補給が不足していると、肌も頭皮も乾燥しやすくなります。水分不足は血行不良も招くこともあり、髪や頭皮に栄養が届きにくくなるため、こまめな水分補給を忘れないようにしましょう。

紫外線による頭皮のダメージ

頭皮が紫外線を浴びると、他の部分の肌と同じく、ダメージを受けます。紫外線はコラーゲンを減少させ、エラスチンというタンパク質を壊し、うるおいをキープしにくくするので注意が必要です。

特に、頭頂部（つむじ）付近は直射日光を浴びやすいため、帽子をかぶったり、日傘を差したり、紫外線から頭皮を守ってあげましょう。

関連記事＞＞つむじの日焼けで薄毛に？紫外線による頭皮と髪の毛への影響

原因に合わせた頭皮の乾燥対策

頭皮の乾燥対策イメージ画像

頭皮が乾燥する原因はさまざまです。ここでは、その原因に合わせた乾燥対策を紹介します。ご自身に合った方法をぜひ試してみてください。

頭皮用のオイルやローションなどを利用し、頭皮の乾燥を防ぐ

顔や手や脚と同じく、頭皮にも保湿ケアは有効です。洗髪後、しっかり乾かした後に、頭皮用のオイルやローションを使ってみてください。頭皮がやわらかくなっているお風呂あがりに、オイルやローションを頭皮になじませながら、じっくりマッサージを行いましょう。ただし、使い過ぎには注意してください。

マッサージを含む頭皮ケアは、乾燥を防ぎ、血流も促せるため、頭皮だけでなく、髪にも良い影響があります。また、オイルやローションのなかには、皮脂量を減らす効果が期待できるものもあるため、脂性肌の方にも効果的です。自分の皮膚や頭皮のタイプに合った保湿ケアアイテムを選びましょう。

乾燥頭皮は、体質として冷え性、低体温の方に多いようです。運動などで筋肉を作ると体の血行が良くなるため、合わせて行うとよいでしょう。

正しい洗髪を行う

正しい髪の洗い方は、次の3つです。

・頭皮の汚れも落とす
・力を入れすぎない
・シャンプーをしっかりすすぐ

シャンプーで洗うときは、髪だけでなく頭皮も意識して洗ってください。シャンプーを使う前にお湯でしっかり予洗いしておくと、汚れも落ちやすく、シャンプーも泡立ちやすくなります。洗うときは爪をたてたり、力まかせにゴシゴシしたりせず、指の腹で頭皮をマッサージするように洗っていきましょう。頭皮を揉みだす様にして洗うとこすらずに汚れが取れます。シャンプーやトリートメント、リンス（コンディショナー）などのすすぎ残しは、頭皮へのダメージになることもあるため、丁寧に洗い流してください。

また、洗髪の前に湯船に浸かり、体を温め、血行をよくしておけば、毛穴が開き、汚れを落としやすくなります。

関連記事＞＞【医師監修】シャンプーで薄毛対策、効果はある？選び方から洗い方まで

正しく髪を乾かす

洗髪後に適切に髪を乾かすことで、乾かしすぎによる過剰な皮脂の分泌や、常在菌の増えすぎを防げます。

お風呂から上がったら、まずはタオルドライで、頭皮と髪の水分を丁寧に吸い取っていきましょう。頭皮の水分をしっかり吸い取れば、その後のドライヤー時間を短縮できます。

タオルドライが終わったら、ドライヤーを使って乾かしていきましょう。ドライヤーは、10cm～15cm以上離して使うのが理想的です。ドライヤーが近すぎると、髪のダメージや頭皮の過度の乾燥を招くので注意してください。

ドライヤーの吹き出し口を左右にふりながら、髪の毛の根本から毛先の順番で乾かすようにあてると、一部分のみが乾燥しすぎてしまうことを避けられます。7割～8割ほど水分が飛んだと感じたら、冷風に切り替えましょう。仕上げを冷風にすれば、乾燥しすぎを防ぐと同時に、髪や頭皮が水分を失いにくくなります。

ビタミン類を中心にバランスの良い食事を意識する

食事のイメージ画像

食事の面では、ビタミン類を意識しながら、栄養バランスの良い食事を取りましょう。

たとえば、ビタミンAは頭皮のうるおいキープを助け、新陳代謝を促す効果が期待できます。ビタミンAを多く含む食品は、レバー、にんじん、卵黄、うなぎなどです。

ビタミンCは、コラーゲンの生成を促し、健康な頭皮や血管の維持に役立ちます。血行が良くなれば、頭皮や髪にも栄養が届きやすくなるでしょう。ビタミンＣ多く含む食品は、レモン、いちご、ピーマンなどです。

抜け毛が気になる方は、髪の毛の生成に必要な栄養素も意識してみましょう。

たとえば、アミノ酸を含むタンパク質は髪の毛の主成分です。髪の毛を構成するケラチンというタンパク質を生成するのに必要なアミノ酸であるメチオニンは、体内では生成できない必須アミノ酸のため、食事から摂取する必要があります。豚肉、鶏むね肉、マグロ、卵など、アミノ酸が豊富に含まれているタンパク質を積極的に摂取していきましょう。

加えて、ケラチンの合成を助ける亜鉛も、丈夫な髪の毛作りに欠かせません。亜鉛は、チーズ、牡蠣、レバー、アーモンドなどに多く含まれています。

また、同じビタミンでもビタミンB群やビタミンCは、髪の毛の生成を助ける働きを持っています。普段の食事メニューでビタミンを摂るなら、魚類、豚肉、牛肉、バナナなどがおすすめです。

詳しくは「薄毛に効くサプリメントとは？よくある誤解と効果的な飲み方」でも解説しています。

紫外線から頭皮を守る

紫外線を浴びると、コラーゲンやエラスチンが壊れ、頭皮の潤いや健康を維持するのが難しくなり、抜け毛や薄毛に繋がります。一年を通じて紫外線は降り注いでいるといわれていますので、日焼けは気にしてこなかったという方も、紫外線対策を意識してみてください。

たとえば、帽子をかぶる、日傘をさす、紫外線の強い時間帯（午前10時～午後14時）の外出を避けるなど、ちょっとした対策を講じるだけでも、頭皮が浴びる紫外線の量は大きく変わってきます。加えて、UVカットをしてくれる頭皮用のオイルや、ダメージケアもしてくれる保湿ローションなどで頭皮をケアすれば、紫外線の影響を減らすことができるでしょう。

頭皮の乾燥を放っておくとどうなる？抜け毛や薄毛の原因になる？

頭皮の乾燥に悩む男性の画像

「たかが乾燥」と放っておくと、頭皮へのダメージが蓄積され、思わぬ悪影響に繋がってしまうかもしれません。ここでは、頭皮の乾燥がもたらす症状について解説していきます。

頭皮のかゆみが出て、フケが出る

頭皮が乾燥すると、皮膚本来が持っているバリア機能の低下により赤みやかゆみが起こり、それをかきむしったりすることで、炎症が起こることがあります。また、頭皮表面の細胞がボロボロとはがれやすくなり、白い粉のようなフケが増えたりします。

頭皮の乾燥は抜け毛の原因となる

乾燥や寒さによって頭皮の立毛筋が硬くなって鳥肌が立つようになり、髪の毛が抜けやすくなります。また、立毛筋が硬くなると髪の毛が成長しにくくなり、細くなってしまうことでボリュームダウンにつながります。実際の本数よりも髪が薄く見えるため注意が必要です。

特に冬は保湿ケアが大事

空気が乾燥しやすい冬は、頭皮の水分も失われやすくなります。皮脂の分泌量も減少しやすいため、乾燥肌でない方も、冬は頭皮の保湿ケアが大切です。また、分泌された皮脂は気温が低いと毛穴にたまりやすくなるので、頭皮洗浄もしっかり行ってください。秋から冬は、夏に浴びた紫外線の影響から、髪が抜けやすくなったり、頭皮が乾燥しやすくなったりします。夏はしっかり紫外線対策をして、秋～冬は保湿ケアを徹底しましょう。

頭皮の乾燥に悩む方は保湿ケアを

頭皮の乾燥をチェックする男性の画像

頭皮を乾燥させないためには、スキンケアと同じく毎日の保湿ケアが欠かせません。ここでは、男性でも使いやすい頭皮の保湿に役立つアイテムや、シャンプーの選び方などをご紹介していきます。

主な保湿ケアアイテム

いろいろな種類があるため、自分にとって使いやすい、手軽なアイテムを選びましょう。

シャンプー

シャンプーには、セラミドやヒアルロン酸、天然性油脂などの保湿成分が配合されたものが市販されていますので、自身の肌にあったものを選ぶことが大切です。サッパリ感や爽快感が好む方もいるかもしれませんが、洗浄力が強すぎると頭皮に負担をかける可能性があります。頭皮の保湿を考えるなら、アミノ酸系やベタイン系など天然由来の成分が含まれているものがおすすめです。