【医師監修】パーマは薄毛に安心?パーマ液がもたらす頭皮への影響
株式会社スヴェンソン所属。毛髪技能士の資格を有する、髪のプロで構成された編集スタッフ。髪コトを通して、皆さまが抱える髪の悩みや不安、疑問を少しでも解決できるよう、分かりやすく情報を届けていくことを心掛けています。
薄毛や抜け毛対策として、パーマやヘアカラーを考えたり、実際に周囲の人におすすめされたりする人も多いのではないでしょうか?
特にパーマは、髪のボリュームを増やすことができるので、薄毛にお悩みの方に最適のような気がしますよね。
一方で、「パーマは頭皮に良くない」と言われることもあります。パーマのせいで薄毛が進行してしまうのは避けたいものです。実際のところはどうなのでしょうか。
この記事では、医師である西田先生監修のもと、パーマ液が頭皮に与える影響について解説します。
- 恵比寿美容クリニック
- 院長 西田 恭之
- 東海大学医学部医学科卒業後、都内市中病院での初期研修を経て、消化器内科診療に従事
- その後、人間ドックでの診療を続けながら「恵比寿美容クリニック」にて皮膚科・美容皮膚科診療に従事。
現在は院長として診療にあたっている
【資格】
日本内科学会認定内科医、美容皮膚科医・美容外科医・消化器内科医
※本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が具体的なクリニックや施術や商品等を推奨しているわけではございません。
薄毛をパーマやヘアカラーでカモフラージュする人も
薄毛が進行するにつれて、髪全体のボリュームがなくなってしまい、頭皮が透けて見えやすくなります。
そこで、薄毛をカモフラージュするためにパーマをかけることで対策する方も多いようです。パーマにより、髪に人工的なクセをつけることで、髪全体のボリュームを増やして薄毛をカモフラージュすることができるからです。
さらに、パーマと同時にヘアカラーで明るい髪色にしておくことで、薄毛の隙間から覗く地肌を目立ちにくくすることができます。
このように、薄毛で悩む方々はパーマやヘアカラーを駆使して隠している人もめずらしくありません。
パーマ液の成分とは
いざパーマをしようと考えても、気になるのが「パーマをすることによって、逆に髪や頭皮に良くない」といううわさではないでしょうか。
パーマでは「1剤」と「2剤」という2つの薬剤が使われています。
「1剤」は、非常に強いアルカリ性の成分(チオグリコール酸アンモニウム塩など)で構成されています。頭皮は弱酸性なので、1剤を使うことで髪の上で化学反応が引き起こされやすくなります。
もう1種類の薬剤である「2剤」は、臭素酸ナトリウムや臭素酸カリウムなどが使われます。この2種類の薬剤を用いてパーマのクセ付けが行われます。
髪の主成分は「ケラチン」というタンパク質で、複数のアミノ酸がさまざまな方法で結合して構成されています。
1剤として使われるチオグリコール酸アンモニウム塩などには、このケラチンの結合を切り離す作用があり、髪の毛にクセをつけやすくすることが可能になります。
その後、2剤である臭素酸ナトリウムや臭素酸カリウムなどを用いて、髪にクセのついた状態で切れた結合の再結合を促すことで、パーマは成立しているのです。
髪が細くなってしまう理由
パーマをかけ続けていると、「髪が細くなったかも?」と感じる方もいます。これは、実際にありえる話といえるでしょう。
髪の毛は3層構造になっていて、いちばん外側を「キューティクル」が覆っています。
1剤を使って髪の結合を切り離すとき、このキューティクルが開いてしまい、3層構造の2層目の物質「コルテックス」が開いたキューティクルから流れ出てしまうことがあるのです。
その後、2剤で再結合を促す際も、コルテックスが失われた状態で再結合されてしまいます。
これが原因により、髪の毛が全体的に細くなってしまい、ボリュームが失われるのです。
パーマ液が頭皮に与える影響
パーマをかけることによって、髪にダメージを与えてしまい、髪が細くなってさらに薄毛に見えてしまうリスクがあります。
しかし、パーマによる影響は髪だけではなく頭皮にもあります。パーマで使われる1剤は、非常に強いアルカリ性の成分です。これが弱酸性である頭皮についてしまうと、大きなダメージを与えてしまうのです。
実際にパーマをかけたことがある方なら、1剤で処理をしているときに頭がチクチクと痛みを感じたことがあるのではないでしょうか。これは、化学反応によって弱酸性の頭皮がダメージを受けてしまっている状態です。
何度もパーマをかけたり、長時間パーマ液の刺激を受けたりしてしまうと、頭皮の炎症が引き起こされるリスクが高まっていきます。
そして、炎症が起きた部分の脱毛が引き起こされる可能性があるので、注意が必要です。
パーマ後の正しいヘアケア方法とは
頻繁にパーマをすることは髪にとって良くないとお分かりいただけたのではないでしょうか。
一方で、パーマをかけることで髪全体のボリュームアップができて、薄毛を目立ちにくくすることができるのも事実です。
パーマをかけて薄毛隠しをしたい場合は、パーマの後に適切なヘアケアをすることが重要です。
まず、パーマをした当日はシャンプーをあまりしないようにしましょう。パーマ直後の髪や頭皮は、非常に敏感になっています。シャンプーをしすぎてしまうと、頭皮の乾燥や髪に傷をつけてしまうリスクがあります。特に、刺激の強いシャンプーは避けるようにしましょう。
また、シャンプーやブラッシングの際に必要以上に頭皮に刺激を与えないことも重要です。どうしてもシャンプーが必要な場合は、刺激が少ないものやアミノ酸系シャンプーなどの保湿効果に優れているシャンプーを使い、優しく洗ってあげるようにしましょう。
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さらに、パーマで細くなってしまった髪に嬉しい、ハリコシをアップする加水分解ケラチンの成分も配合されているのがポイントです。
薄毛に悩んでいる方は、こちらのシャンプーを試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
ヘアカラーと同様に、パーマはボリュームアップ効果による薄毛対策をすることができます。
ただし、非常に強いアルカリ性の薬剤を用いるため、髪や頭皮にダメージを与えてしまうリスクがあります。さらに、キューティクルが開くことで髪の成分が外に流れ出して、髪が細くなるリスクもあります。
そのため、薄毛対策としてパーマをかける場合には、ご紹介したポイントに気をつけながら、適切なヘアケアやシャンプーで髪を労わっていくようにしましょう。
記事の参考URL
https://www.menshealth-tokyo.com/aga/aga_column_02/report08.html
公開日:2019/06/22