地肌の新陳代謝をみてみよう 〜フケはどこからやってくる?!〜
株式会社スヴェンソン所属。毛髪技能士の資格を有する、髪のプロで構成された編集スタッフ。髪コトを通して、皆さまが抱える髪の悩みや不安、疑問を少しでも解決できるよう、分かりやすく情報を届けていくことを心掛けています。
みなさんは頭皮から落ちてくるフケに悩まされたこと、ありませんか?
もしかすると、それは「不潔だから」という理由ではないかもしれません。なぜなら、毎日しっかり髪を洗って清潔にしていても、フケが異常に増えてしまうこともあるからです。
では、そもそもなぜフケが発生するのでしょうか。今回は、フケが発生するメカニズムをご紹介します。
頭皮の新陳代謝の仕組み
私たちの体は、新しいものと古いものが入れ替わる“新陳代謝”が絶えず行われています。一般的に“フケ”と呼ばれているものは、この新陳代謝によって古くなった角質が、新しい角質と入れ替わる際に剥がれ落ちたものを指します。
これは、爪が伸びることを想像すれば分かりやすいのではないでしょうか。それでは、頭皮の新陳代謝の仕組みを、もう少し詳しく図で解説します。私たちの肌の構造は、「表皮」「真皮」「皮下組織」の3つの構造に分かれています。
頭皮の新陳代謝は、「表皮」で行なわれています。
表皮は下から「基底層(きてい)」「有棘層(ゆうきょく)」「顆粒層(かりゅう)」「角質層」と4つの層に分かれています。この4つの層が入れ替わることで、新しい肌になるわけです。
「基底層(きてい)」で新しい肌になる細胞が作られ、どんどん上へとあがっていきます。約14日間かけて、「角質層」にあがった後、約14日間肌を守ってくれます。約28日間の役目を終えるとフケになって、剥がれ落ちていきます。
要するに、誰もがフケを発生させているわけです。しかしながら、このときに落ちたフケは、目にはほとんど見えないサイズです。
フケが出てきてしまう原因
しかし、フケに悩む人と悩まない人がいますよね。その原因はなんでしょうか?
それは、何らかの原因で新陳代謝のサイクルが早まるからです。
フケの種類と対策
フケは大きく2つに分類できます。1つめは、フケといわれて想像する、頭をかいたときなどにパラパラと落ちてくるフケです。 これを乾燥フケといいます。乾燥フケが出る最大の原因は、文字通り頭皮が乾燥していること。冬は季節的なものもあり、乾燥フケが出やすくなります。
しかし、「フケが出た=不潔だからもっとよく洗おう」と思うのは早計です。実は、シャンプーでゴシゴシ洗うと、髪や頭皮の保湿に必要な皮脂まで洗い流してしまうために、かえって乾燥しやすくなり、フケが出やすくなります。 ゆえに、過剰な洗髪は厳禁です。
頭皮を清潔に保つには1日1回の洗髪で十分なので、全体をもみ洗いするように、優しく洗ってください。また、頭皮環境を良くし、保湿を心がけると乾燥フケを抑えることができます。ちなみに、ビタミンA(β-カロテン)の不足は肌を乾燥しやすくするため、ビタミンAを多く含む緑黄色野菜や卵黄などの摂取を心がけてみてください。
2つめは、脂性フケといわれ、皮脂の過剰分泌により細菌が増殖し、炎症がおきている状態です。脂性フケになると、この炎症をなおすために、さらにフケを出そうとして悪循環が起こります。脂性フケは爪や指で頭皮を触ると皮脂が付着したり、髪にフケがくっついているため、自分でも簡単に見分けることができます。
もし脂性フケなら、食事のバランスを見直してみましょう。油物や肉料理を好んで食べていたり、野菜の摂取量が少ないとなりやすいので、日頃から注意することが大切です。また、脂性フケの方は髪をしっかり洗えていない可能性があります。
烏の行水のように、お湯をかけただけで終えている場合は、1日1回シャンプーを使ってしっかりと洗いましょう。
フケを放っておくと薄毛になる可能性も
フケが出やすい頭皮は、髪の育成にとってもよい環境ではありません。
頭皮が乾燥していると髪に必要な水分や栄養が不足して抜けやすくなりますし、脂性フケが出る場合は皮脂で髪に栄養が届きにくい状態だと言えます。
また、フケが出てくると頭が痒くなって、爪でかいてしまうこともあります。爪で頭をかくと頭皮が傷つき、炎症の原因になります。フケは髪がくれた薄毛のサインだと思って、対策を行うことをオススメします。
最後に
フケの原因は不清潔だからと思いがちですが、実はそうではない場合も多くあります。
頭皮を清潔にすることはもちろんですが、食生活や日頃の行動を見つめなおして、フケが出にくい生活を心がけてみてください。
公開日:2015/12/28