頭皮がかゆい8つの原因と予防・対処の具体的な方法、抜け毛への影響

株式会社スヴェンソン所属。毛髪技能士の資格を有する、髪のプロで構成された編集スタッフ。髪コトを通して、皆さまが抱える髪の悩みや不安、疑問を少しでも解決できるよう、分かりやすく情報を届けていくことを心掛けています。

「頭皮がかゆい」とお悩みではありませんか?頭皮は、皮脂や角質がたまりやすく、シャンプーやリンスのほか、カラーリングや紫外線などの影響を受けやすい部分です。

この記事では、頭皮がかゆくなる原因に加え、かゆみを抑える方法や予防法などをご紹介します。かゆみを放っておくと、赤みや痛みを伴う発疹やかさぶたなど、皮膚疾患の原因になる可能性もあるため、早めに対処しておきましょう。

監修者
竹内想プロフィール画像
  • 皮膚科医 竹内 想
  • 国立大学医学部卒業
  • 市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を経て、大学病院に戻り皮膚科医としてクリニックでの外来や臨床研究を行う
  • AGAを含めた、自由診療の治療にも多く携わってきた経験を活かし、皮膚科の知識について、正確さやわかりやすさを心がけた情報発信を行っている

【資格】
医師免許

※本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が具体的なクリニックや施術や商品等を推奨しているわけではございません。

頭皮のかゆみの4大原因

頭皮のかゆみを気にする男性

まずは、頭皮がかゆくなる原因を確認していきましょう。頭皮にかゆみを感じる原因としては、主に次の8つが考えられます。

原因① 皮脂や汚れ

頭皮は身体のなかでも皮脂が多く分泌されるため、皮脂や角質がたまりやすく、適切に洗髪できていないと細菌が増殖しかゆみを誘発します。また、毛根に皮脂が詰まると、炎症を引き起こすケースもあるため、頭皮を清潔にしておくことが大切です。

こんな人は要注意
・シャンプーの使い方が雑になっている
・頭を洗わない日が多い

頭皮を正しく洗えず清潔な状態を保てていないと、かゆみを感じやすくなってしまうため、シャンプーの使い方をチェックしてみましょう。シャンプーの正しい方法も後ほど解説します。

原因② 頭皮の乾燥(ドライスキン)

原因①で触れたように、たまった皮脂はかゆみを引き起こす原因になりますが、乾燥により本来必要な皮脂が不足している場合も、かゆみの原因になります。

皮脂はバリア機能を持っているため、頭皮に限らず、皮膚には一定の皮脂が必要です。頭皮はもともと乾燥しやすい傾向にあるため、洗浄力の強いシャンプーや必要以上の洗髪などで、必要な皮脂まで奪ってしまうと、皮膚が刺激に弱くなり、かゆみを感じるようになります。

こんな人は要注意
・洗浄力の強いシャンプーを使っている
・1日2回以上シャンプーを使って洗髪している
・ドライヤーを頭皮の近くで使っている

洗浄力が強いシャンプーは皮脂を必要以上に落とす可能性がるため、注意が必要です。「ラウリル硫酸ナトリウム」「ラウレス硫酸アンモニウム」などの成分が含まれているシャンプーは、洗浄力が強い傾向にあります。かゆみを感じるときは、頭皮に優しいシャンプーに変えてみるとよいでしょう。

また、早く乾かそうとしてドライヤーを頭の近くで使い、頭皮が乾燥してしまうケースもあります。頭皮や髪を、ドライヤーの熱から守るためにも、10~15cmほど離して使うよう意識してみてください。また、洗髪後にタオルでなるべく髪の毛の水分をとっておくと、ドライヤーで乾かす時間を短縮でき、頭皮の乾燥しすぎを防げます。

原因③ フケ

頭皮の皮脂量やマラセチア菌のバランスが悪くなると、フケが増え、頭皮のかゆみにつながることがあります。マラセチア菌は、常在菌のひとつで、健康な人の身体には、日常的に生息する真菌(カビ)です。

頭皮から分泌される皮脂は、マラセチア菌のエサとなるため、頭皮の状態が悪化して皮脂量が増えると、マラセチア菌が過剰に増えます。増えすぎたマラセチア菌は、皮膚を刺激し、かゆみを引き起こすため注意が必要です。脂漏性皮膚炎と呼ばれる皮膚炎は、マラセチア菌が原因だと言われています。こちらについては後述します。

フケには、冬に発生しやすい乾燥タイプと、夏に発生しやすい脂性タイプの2種類があるため、それぞれの特徴をチェックしてフケの原因を突き止めてみましょう。

  乾燥フケ(冬に発生しやすい) 脂性フケ(夏に発生しやすい)
フケの特徴 ・白く細かい
・乾燥してカサカサしている
・パラパラ落ちる
・白~黄色がかっている
・湿ってベトベトしている
・大きな塊で落ちる
・頭皮や頭髪に張り付きやすい
主な原因 ・頭皮の乾燥
・洗髪のしすぎ
・洗浄力の強いシャンプー
・頭皮の皮脂分泌が過剰
(マラセチア菌の過剰な増殖)
・頭皮がきちんと洗えていない
・シャンプーやリンスのすすぎ不足

あなたのフケの種類はどれ?原因を知り、改善を目指そう!

原因④ シャンプーや整髪料などによるかぶれ

シャンプーやワックスなどの整髪料、ヘアカラーリング剤などが触れた部分が赤くなり、発疹や水ぶくれを起こす「かぶれ」は、かゆみの原因となります。

こんな人は要注意
・シャンプーがしっかりすすげていない
・シャンプーや整髪料が肌質に合っていない
・最近ヘアカラーリング剤を使った

肌質別のシャンプーの選び方も後ほど解説していますので、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

原因⑤ 脂漏性皮膚炎

なかなか治らないかぶれは「脂漏性皮膚炎」かもしれません。

脂漏性皮膚炎は、皮脂の分泌が多い部位にできるカサカサした湿疹です。明確な原因はわかっていませんが、頭皮の常在菌であるマラセチア菌(カビの一種)の増殖によって引き起こされるといわれています。

脂漏性皮膚炎になると脂っぽいフケが増え、洗ってもすぐにフケが出るといったケースもあるようです。ちゃんと洗っているのにフケやかゆみが治まらないときは、脂漏性皮膚炎かもしれません。

こんな人は要注意
・偏った食事をしている
・睡眠時間が十分でない
・過度なストレスをかかえている

脂漏性皮膚炎は、皮脂汚れやシャンプーなど外的要因だけでなく、ホルモンバランスの乱れやストレスなどの内的要因によっても引き起こされます。食生活や生活習慣が乱れていないかもチェックしてみましょう。

生活習慣を整えたり、ストレスを避けたり、頭皮の適切なケアも対策になりますが、本格的な治療には医学的なアプローチが必要です。治療法としては、外用薬(塗り薬)である抗真菌薬炎症を抑えるためのステロイド外用薬の使用が一般的です。お近くの皮膚科を受診してみてください。

原因⑥ 紫外線の浴びすぎ

紫外線を気にする男性

長時間日差し(紫外線)を浴びると、頭皮が日焼けし、かゆみが生じることがあります。腕や顔と同じく、皮膚が赤くなったりはがれたりといった、火傷(やけど)の症状がでるため、紫外線対策が必要です。

加えて、紫外線を浴びると頭皮が乾燥しやすくなり、頭皮を守るために皮脂が分泌されやすくなります。過剰分泌された皮脂が頭皮に蓄積されると、かゆみを感じるため、紫外線の強い時期は注意が必要です。

スプレータイプやミストタイプの日焼け止めであれば、頭皮にも使えます。また、UVカット加工の帽子や日傘を使うなどして、紫外線対策を意識してください。

原因⑦ シラミ・あせも・水虫菌

頭皮に悪影響を与える原因は、シラミ・あせも・水虫菌などもあげられます。

頭髪につくアタマジラミは、人間の血液を吸うため、かゆみを感じる原因のひとつです。特に、頭をくっつけあって遊ぶ幼児・小学校低学年の児童の間で集団発生することがありますが、まれに大人でもアタマジラミに悩まされることがあります。アタマジラミの卵は、1mm程度の大きさで、光沢のある乳白色、後頭部や耳の後ろの髪の生え際に張り付いているのが特徴です。

また、気温の高い季節は、頭皮にもよく汗をかくため、あせも(汗疹)でかゆくなる場合があります。加えて、水虫菌の感染が、頭皮のかゆみを引き起こすこともあるようです。足の水虫と同様の菌が原因となることもありますが、「トンスランス感染症」が問題となることもあります。この感染症はレスリングや柔道のような接触スポーツで集団感染しやすく、一度感染すると治りにくいといわれています。

原因⑧ 更年期障害

頭皮のかゆみに悩んでいる更年期の女性も少なくありません。更年期では、女性ホルモンのひとつ「エストロゲン」が減少し、皮膚の水分保持機能が低下します。その結果、皮膚が乾燥しやすくなり、頭皮のかゆみや湿疹といった皮膚症状が発症しやすくなるのです。

加えて、加齢と共に減少する皮脂量や汗の量も頭皮のかゆみと関係しています。皮脂は水分の蒸散を防ぎ、皮膚のうるおいを保つ働きも持っているため、皮脂や汗の量が減ると、頭皮から水分が逃げやすくなり、乾燥してかゆみを感じやすくなります。

更年期を迎えて、体調の変化や肌質の変化を感じてきたら、頭皮の状態も影響を受けていると考え、適切な頭皮ケアをプラスしていく必要がありそうです。

頭皮のかゆみが原因で抜け毛が起こってしまう?

抜け毛をチェックする男性

今まさに、かゆい頭皮を気にしながらこの記事を読んでいる方の中には、「もしかして、頭皮のかゆみがきっかけで抜け毛が起こってしまい、はげてしまうのではないか……?」と心配になっている方もいらっしゃるかもしれません。

結論からいうと、頭皮のかゆみが必ずしも薄毛に繋がるわけではありません。

しかし、頭皮がかゆいということは「頭皮環境が悪くなっている」ことを意味します。放っておくと、さらに悪化して髪の毛が抜けてしまうことは否定できません。

たとえば、脂漏性皮膚炎は進行すると粃糠性(ひこうせい)脱毛症になる可能性があります。

かゆいということは身体の異常を知らせているサインです。かゆいのを我慢するのはストレスにもなりますので良くありません。

これからご紹介する「かゆい頭皮への対処法」をよくお読みになって、適切な対策を取るようにしてください。

頭皮のかゆみを抑えるための対処法

かゆみは痛みよりも我慢するのがつらいかもしれません。ここでは、かゆみを感じたときにしてはいけないことと、おすすめの対処法をご紹介していきます。

かゆくても頭皮をかかないようにする

かゆいところをかくと、一時的にかゆみを忘れられるため、ついつい頭皮をかきたくなってしまいますよね。

しかし、かゆい頭皮をかくのはNGです。頭皮をかいてしまうと、頭皮の表面が傷つけられ、その傷口から細菌が入り込んで炎症を起こしてしまう可能性があります。

また、頭皮をかいてしまうとその刺激によって、さらに肌が敏感に反応するようになり、さらにかゆみが悪化してしまうかもしれません。痒みを感じてムズムズするときも、かきたい気持ちはグッとこらえてください。

頭皮のかゆい部分を冷やす

頭皮を冷やすイメージ画像

頭皮のかゆみを和らげたいときは、かゆいところを氷のうやタオルでくるんだ保冷剤で冷やしましょう。冷やすことで、かゆみを伝えている神経の活動を抑制でき、かゆみを軽減できます。

ただし、直に保冷剤や氷を当てると、頭皮への負担となるので避けてください。

頭皮のかゆみを再発させないための予防・対策

頭皮のかゆみを改善するためには、普段使っているシャンプーの選び方や洗髪方法、生活習慣の見直しなどが必要です。ここからは、頭皮のかゆみを発生させないための予防と対策をご紹介します。

自分に合ったシャンプーを使う

頭皮のかゆみが気になる方は、普段使っているシャンプーを見直してみましょう。

頭皮環境を整えるためには、自分の肌質に合ったシャンプーを使う必要があります。

市販のシャンプーは、「高級アルコール系」と「アミノ酸系」に分けられますが、おすすめは、頭皮への刺激が少ないアミノ酸系のシャンプーです。

アミノ酸系のシャンプーは洗浄成分にアミノ酸系の成分を配合しており、高級アルコール系シャンプーにくらべると少し値段が高めですが、低刺激で肌トラブルを起こしにくい特徴があります。

ただし、アミノ酸系シャンプーは洗浄力が弱いので、じっくり泡立てながら、丁寧に洗う必要があります。

また、自分の頭皮が脂性・乾性・敏感、どの肌傾向にあるかによって選ぶべきシャンプーは変わってきます。下記の表を参考に、選んでみてください。

高級アルコール系シャンプー 脂性肌の方
ハードワックスなどの整髪料を使う方
アミノ酸系シャンプー 乾燥肌・敏感肌の方

シャンプーで薄毛対策、効果はある?選び方から洗い方まで

正しい方法でシャンプーする

シャンプーのイメージ画像

正しい洗髪方法を知らずに、なんとなくシャンプーを使っている方は少なくないようです。髪の毛にシャンプーを付けてから、適当に洗って終わる……、という経験はありませんか?

頭皮の毛穴に詰まった皮脂や汚れを落とすためには、正しい方法でシャンプーを使う必要があります。

シャンプーの詳しい方法は「シャンプーの仕方は考えている?正しい洗髪手順をご紹介!」で解説していますが、ここでもポイントを押さえながら簡単にお伝えしていきましょう。

正しいシャンプーの手順
① ブラッシングする
② ぬるま湯で髪全体を洗う
③ シャンプーを手のひらで泡立てる
④ 優しくマッサージをするようにシャンプーで髪の毛を洗う
⑤ じっくりと時間をかけてすすぐ

シャンプーで髪の毛を洗う前に、ブラッシングをして、髪についたホコリやゴミを落とします。それから、ぬるま湯で髪、頭皮全体を予洗いしましょう。ぬるま湯は汚れを洗い流すだけでなく、毛穴が開いてシャンプーをしたときに、頭皮の汚れを落としやすくする効果があります。

シャンプーを使って洗うときは、髪の毛ではなく頭皮を洗うよう意識してください。爪ではなく指の腹を使って、皮脂や汚れをしっかりと洗いましょう。

最後に、シャンプーの洗い残しがないように、丁寧に時間をかけてしっかりすすいでください。

洗髪の後はドライヤーで乾燥させよう
ドライヤーを使わずに髪の毛を自然乾燥させている方も少なくないようです。
自然乾燥は水分を含んだ状態が長く続くため、髪の毛が傷みやすく、雑菌が過剰に増殖しやすくなります。
タオルドライは、頭皮の水分もしっかり取ってから、髪の毛の水分を拭き取り、それからドライヤーを使って乾燥させましょう。
タオルドライはゴシゴシ拭くのではなく、トントンと叩いて、タオルに水分を吸収させましょう。タオルドライをしっかり行えば、ドライヤーを使う時間が短くなります。
ドライヤーは10cm~15cm程度離して、必要最低限の時間で使用してください。

生活習慣を見直してストレスケアをする

頭皮環境は、生活習慣と密接に関係します。生活習慣の乱れはホルモンバランス、自律神経が乱れを引き起こし、頭皮環境が悪くするからです。頭皮のかゆみを予防するためにも、食事の内容も含めた生活習慣全般を見直し、ストレスケアしていきましょう。

食事は1日3食、バランスの良い食事を心掛けてください。なかでも、タンパク質・ミネラル(亜鉛)・ビタミンは、健康的な頭皮や髪の毛作りをサポートするのに大切な栄養素なので、意識的に摂取してください。

髪コトが推奨する頭皮環境に良い食べ物・レシピは「薄毛は食べ物で改善できる~髪に良い食べ方、食べ合わせ~」で詳しく解説しています。また、睡眠不足になると、髪の毛の成長に欠かせない「成長ホルモン」が十分に分泌されません。質の良い睡眠は頭皮に良い影響を与えます。

質の良い睡眠を取るためのポイントは次の通りです。

●18時以降はカフェインを控える
●食事は就寝3時間前には済ませる
●スマホやPCを見るのは就寝する1時間前までにする
●自分に合った寝具(枕やマットレス、パジャマ等)を使う
●日によって、睡眠時間にバラツキがないようにする

このほか、薄毛はストレスや不安によっても引き起こされる可能性があるため、ストレスをためこまないよう意識してみてください。

仕事や人間関係など、どうしても避けられないストレスを抱えているときは、気分がリフレッシュできる時間を作ったり、悩みを話せる友人や家族に話を聞いてもらうとよいでしょう。

毛髪のプロに頭皮ケアをしてもらう

ここまで、日々の生活の中で取り組んでいただける「頭皮のかゆみ対策」をご紹介してきました。

日常的なケアが大事なのは言うまでもありませんが、自動車の定期メンテナンスと同じように、頭皮や頭髪も、定期的にプロにケアしてもらうことをおすすめします。

家庭での洗髪で落とし切れない汚れも、プロによる頭皮ケア・クレンジングなら取り除くことが可能です。さらに、正しい頭皮・髪の毛のケア方法もレクチャーしてもらえます。

スヴェンソンの薄毛専門ヘアサロンでは、毛髪のプロによる頭皮ケア・スカルプクレンジングをリーズナブルな価格で体験できます。スカルプクレンジングによって、毛穴の奥深くに詰まった老廃物や酸化した皮脂を取り除いてくれるので、においやかゆみも解消できます。ぜひ、一度試してみてはいかがでしょうか。

詳しくは以下の公式ホームページをご覧ください。

頭皮のかゆみに関するよくある質問

後頭部をかく男性

ここからは、頭皮のかゆみに関連する疾患や毎日の洗い方など、頭皮のかゆみに関してよくある質問をご紹介します。

頭皮のかゆみが原因で病気を発症することはありますか?

頭皮にかゆみを感じる場合、悪化すると、なんらかの皮膚炎を発症する可能性もあるので、「ただかゆいだけ」と放置しないことが大切です。

たとえば、頭皮のかゆみと同時に赤みが見られる場合は、皮膚疾患の可能性もあります。具体的には脂漏性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、皮脂欠乏性皮膚炎などさまざまです。乾いたフケが多く出る場合は、「フケ症」とも呼ばれる頭部粃糠疹(とうぶひこうしん)かもしれません。

1日2日で収まるかゆみではなく、赤みやフケなどを伴う強いかゆみを何日も感じる場合は、皮膚科で医師に相談し、正しい病名と治療法を知ることが先決です。

頭を洗っても頭皮のかゆみが取れないのはなぜですか?

洗髪後も頭皮のかゆみを感じる場合は、マラセチア菌が増えすぎているのかもしれません。マラセチア菌は、マラセチア感染症の原因菌で、普段は悪さをしませんが、増えすぎると皮膚を刺激し、頭皮がかゆくなります。

かゆいからといって、洗いすぎはNGです。必要以上の洗髪は、必要な皮脂までなくなってしまい、バリア機能を維持しようと、皮膚は皮脂を過剰に分泌します。

すると、マラセチア菌のエサである皮脂が増え、マラセチア菌も過剰増殖してしまうため、「頭を洗っても頭皮がかゆい」状態が続いてしまいます。1日2回以上洗髪したり、洗浄力の強すぎるシャンプーを使ったりするのは避けてください。

頭は何日おきに洗うのが良いでしょうか?

頭皮を清潔な状態にしておくためにも、基本的に洗髪は毎日(1日1回)が基本です。乾燥肌で、冬場のかゆみに悩まされている方は、シャンプーを1日おきにしてみるか、お湯だけで洗う日を作ってみても良いかもしれません。

脂性肌の方や、スポーツや仕事で汗をかく方、整髪料を使っている方などは毎日の洗髪がおすすめです。分泌された皮脂や汗、整髪料などをそのままにしておくと、汚れが毛穴につまったり、酸化した成分が皮膚を刺激して炎症の原因になったりと、さまざまな肌トラブルを引き起こす可能性があります。

どちらの場合も、シャンプーやリンスはしっかりすすいでください。洗髪後は優しく丁寧にタオルドライし、ドライヤーで乾かし、頭皮の保湿も意識すれば、かゆみをはじめとする頭皮のトラブルを避けやすいでしょう。

いつも同じ部分がかゆくなるのはなぜでしょうか?

頭皮全体ではなく、同じ場所ばかりかゆくなるのは、シャンプーやリンスのすすぎ残しや、洗い方に問題があるかもしれません。特に、耳の後ろや後頭部はすすぎ残しが起きやすいので、流しきれなかったシャンプーやリンスの成分で、皮膚が敏感になっているのかもしれません。

また、シャンプーを泡立てずに、直接頭皮に塗布している方は、その部分にかゆみを感じる場合もあります。シャンプーは手でしっかり泡立ててから洗いましょう。

リンスは髪の状態を整えるものなので、頭皮に直接つける必要はありません。リンスを頭皮につけると、すすぎ残しが起こりやすくなるので、髪の毛にだけさっとなじませて、すすぎの時間をしっかり取ってください。

かゆみの原因を見極めて頭皮環境を整えましょう

頭皮がかゆくなる原因は、皮脂や汚れ、乾燥や紫外線などさまざまです。食生活や生活習慣、ストレスなどによってもかゆみを感じることがありますので、頭皮を清潔に保ちつつ、生活も見直していきましょう。正しい洗髪方法や、ドライヤーの使い方なども意識して、丁寧にケアしていくことが大切です。

また、何日もかゆみやフケが続く場合は、脂漏性皮膚炎をはじめとする、頭皮の皮膚疾患の可能性も考えられますので、皮膚科の受診を検討してみてください。適切な治療薬を用いた治療に加え、医療面からのアドバイスを受けられるでしょう。

参考文献

枚方市ホームページ「アタマジラミにご注意を!
日本ヘアカラー工業会「ヘアカラーのかぶれ・アレルギー・誤飲誤食
順天堂大学大学院医学研究科「【環境医学研究所】なぜ、かゆい?|かゆみと真剣勝負、かゆみの克服を目指して
厚生労働省科学研究費研究班(平成17~19年度)「かゆくなってしまったら:掻くかわりに
兵庫県医師会「脂漏性皮膚炎で髪の毛が抜ける
日本臨床皮膚科医会「ひふの病気

公開日:2020/11/09

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