頭皮が乾燥すると薄毛になる?頭皮環境の悪化を招く原因と乾燥予防
株式会社スヴェンソン所属。毛髪技能士の資格を有する、髪のプロで構成された編集スタッフ。髪コトを通して、皆さまが抱える髪の悩みや不安、疑問を少しでも解決できるよう、分かりやすく情報を届けていくことを心掛けています。
頭皮は本来額の2倍以上皮脂分泌が多く、皮膚の中でとても脂っぽいところです。
頭皮が乾燥することは少なく、乾燥を感じるのは頭皮が張ってきて、ゆとりがなくなって血行が悪くなっているためと考えられます。
上記記載しているとおり、頭皮が乾燥することはほぼありませんが、肌の潤いが不足してしまう「乾燥肌」のように、頭皮も乾燥して水分不足になることがあります。頭皮のバリア機能が低下して刺激に弱くなると、結果として薄毛にもつながりかねません。
頭皮環境が悪いと感じるときは基本的には皮脂が原因ですが、乾燥が要因となっている可能性もあるため、悪化するまえに頭皮ケアの対策に取り組んでいきましょう。
ここでは、育毛のプロである井上哲夫先生監修のもと、頭皮環境が悪化する原因や対策について解説します。何気なく続けている生活習慣やヘアケアが、皮脂の分泌過多や乾燥などの意外な要因となっているかもしれません。改めて見直してみましょう。
- 一般社団法人 国際毛髪皮膚科学研究所
- 所長 井上 哲夫
- 1952年、東京生まれ
- 東京理科大学卒業後、総合化粧品メーカーに入社
- ヘアケア・スキンケア商品の研究開発部長を経て、一般社団法人 国際毛髪皮膚科学研究所を設立
- 育毛研究35年、専門分野に取材多数
- 現在までに、全国各地のがん診療拠点病院及び7,000店以上の理美容店、その他各種医療セミナーで講演・指導実績あり
【資格】
生活習慣病予防指導士(日本ホリスティック医学協会認定)、医療機器販売・賃貸管理者及び修理業責任技術者、コスメコンシェルジュ(一般社団法人日本化粧品検定協会認定)
頭皮の乾燥と薄毛の関係
薄毛対策では、第一に頭皮の脂性状態を避けることが大切です。皮脂分泌が多く、さらに酸化した皮脂が過酸化脂質となって頭皮に残ることにより、皮膚のバリア機能が低下することがあります。そうして炎症を起こしたり、ときに抜け毛にまで進行したりするケースがあります。
仮に乾燥している場合は、頭皮が張ることにより血行不良や皮膚のバリア機能が低下していることを意味します。バリア機能がしっかりと働いている状態では、保湿成分である皮脂が水分の蒸発を防ぐため、皮膚の潤いが保たれます。
その一方で、乾燥して外部からの刺激に弱くなった肌は、炎症を引き起こしやすくなってしまうのです。こうした炎症によって、頭皮に「かゆみ」や「フケ」などの症状が見られることも。
頭皮が脂性状態の場合も大きめの湿った「フケ」が出ることがあるので、フケが出ているからと言って一概に頭皮の乾燥が原因とは言えません。
人によっては、頭皮を掻いた際に傷を付けてしまい、毛が抜ける要因となる場合があります。また、フケが毛穴に詰まって発毛を阻害する可能性も考えられるでしょう。
このように、頭皮が乾燥したり、頭皮の脂性状態が続いたままになると間接的に薄毛につながるおそれがあります。乾燥や頭皮の脂が気になる方は、毎日の生活習慣やヘアケアを見直すことが大切です。
自分の肌質について詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。
頭皮が乾燥する6つの原因
基本的に頭皮が乾燥することは少なく、頭皮環境の悪化は過多の皮脂分泌が原因というケースがほとんどです。しかし、頭皮が乾燥するという方もゼロではなく、その原因として考えられることをお伝えします。
これらの要因のなかには、生活習慣やヘアケアにかかわる部分も少なからずあります。誤った方法でケアをしていないか、改めてご自身で確認してみましょう。
頭皮が張っている
頭皮が張ることで皮膚のゆとりがなくなり、血行が悪くなっていると乾燥を感じることがあります。
血行が悪くなるということは頭皮にも水分が行きわたりにくくなるということです。そのため、頭皮の乾燥に繋がるケースが考えられます。
誤った洗髪方法
シャンプーをするときは洗い方に注意が必要です。頭皮を清潔に保つことは大切ですが、力を込めてゴシゴシと洗っていると、頭皮を傷つけてしまうおそれがあります。
また、熱すぎるお湯でシャワーをしたり洗髪回数が多すぎたりする場合も、皮脂を過剰に洗い流してしまうため、乾燥につながりやすいといえます。
シャンプーは1日に1回行い、洗い方として、髪と頭皮を意識して洗う必要があります。泡立てたシャンプーで頭皮をこするのではなく、揉みだすようにして洗いましょう。
髪をこするように洗うと、キューティクルが壊れて髪が傷んでしまい、感触が悪くなります。揉みだすように洗うことで、毛穴に詰まった汚れ、余分な皮脂が取れてくるのです。
洗浄力の強いシャンプーの使用
洗浄力の強いシャンプーを使っていると、皮脂を落としすぎて乾燥を招くおそれがあります。
同様に、頭皮を清潔に保つ目的で、アルコール成分が含まれる殺菌力の高いシャンプーをお使いの方もご注意ください。殺菌作用が強すぎて、頭皮環境を整える常在菌まで減らしてしまっているかもしれません。
ドライヤーの長時間の使用
洗浄力が強すぎるシャンプーで洗ったのち、そのままドライヤーで長時間にわたって乾かし続けると乾燥する原因にもなります。温風を当て続けることで、水分が蒸発する原因となるためです。
髪の毛を乾かすとき、近距離からドライヤーの温風を当て続けたり、同じ場所を集中的に乾かしたりしていないでしょうか。このような使用方法が乾燥を引き起こしている可能性も考えられるため、ドライヤーの使用方法を見直してみましょう。
頭皮や髪は濡らしたままにしているとトラブルになりますので、適切に乾かすようにしてください。
水分補給の不足
体内の水分が不足すると、頭皮に必要な水分が行き渡りにくくなります。水分不足は血流の悪化につながります。
血行が悪くなることで、さらに頭皮へ水分が運ばれにくくなるという悪循環にもなりかねません。日常的に十分な量の水を飲んでいるか、振り返ってみましょう。
ストレスの蓄積
ストレスが蓄積すると、自律神経が乱れて血管が収縮してしまいます。これにより血液の巡りが悪くなると、頭皮の水分不足が懸念されます。
普段の生活から一切のストレスを無くすことは難しいもの。ただし、必要以上にストレスを溜め込みやすい自覚がある方は、注意しておきましょう。
頭皮の乾燥を防ぐ6つの方法
ここまで、頭皮が乾燥する原因についてお伝えしました。これらの原因に対しては、以下の対策方法を取り入れてみましょう。頭皮の乾燥を防ぐためのポイントをお伝えします。
頭皮の張りを解消する
まずは頭皮マッサージをするなど、頭皮の張りをほぐしてあげましょう。頭皮にはツボがいくつも存在しており、百会(ひゃくえ)や天柱(てんちゅう)といったツボは頭皮の血液の巡りを促進することに役立ちます。
また、毛穴詰まりの改善にも効果が出てくると考えられるので、皮脂の分泌過多に悩む方にもおすすめです。
正しい洗髪方法を心掛ける
毎日のシャンプーでは、必要以上に皮脂を落としすぎないように、指の腹を使ってやさしく洗髪しましょう。
シャワーで流す際は、お湯の温度を40度未満に設定し、ぬるま湯にすることがポイントです。また、洗髪をする頻度は基本的に1日1回までに留めてください。
頭皮にやさしいシャンプーを使用する
洗髪で使うシャンプーは洗浄成分に注目し、できるだけ頭皮にやさしいものを選びます。たとえば「アミノ酸系」や「ベタイン系」のシャンプーは、天然由来の洗浄成分を配合し、刺激が少ないのが特徴です。
また、保湿成分の「ヒアルロン酸Na」や「豆乳発酵液」のように、頭皮をケアする成分が含まれたシャンプーを使っても良いでしょう。保湿成分はほとんどが水溶性ですので、すすぎですべて流れてしまいますが、シャンプー時の刺激を緩和するために役立っています。
その反対に、アルコール成分が含まれるシャンプーは、頭皮の乾燥が気になっている人にはあまりおすすめできません。「ベンジルアルコール」や「イソプロパノール」は殺菌作用が強い一方で、皮膚への刺激となる可能性があります。
また、洗浄成分として「ラウリル硫酸」「ラウレス硫酸」などの高級アルコールを配合したシャンプーは、洗浄力が高い半面、刺激につながる点に留意しましょう。
なお、頭皮の乾燥が気になるときのシャンプー選びで注意したいことは、以下の記事で詳しく解説しています。購入時の参考になる「良い成分例」と「避けたほうがいい成分例」を取り上げているので、ぜひ併せてチェックしてみてください。
ドライヤー前にタオルドライを行う
ドライヤーを使うときは、できるだけ短時間で髪の毛を乾かせるように、事前にタオルドライを行ってある程度の水分を吸い取っておきましょう。
タオルドライをするときは、頭皮や髪を強くこすらないようご注意ください。このとき、頭皮や髪の毛を揉むようにタオルを当てるのがポイントです。
また、ドライヤーは頭皮から20センチほど離して使用し、1カ所に温風が集中して当たらないように動かしながら使うことを意識しましょう。
こまめに水分補給を行う
頭皮の乾燥対策のためにも、健康のためにも、こまめな水分補給の習慣をつけられると理想的です。体内の水分量が一定以上に保たれるよう、定期的に水分補給を行いましょう。
その際、カフェインが含まれない飲み物を摂るのが好ましいです。カフェインには利尿作用があるため、摂取しすぎると水分不足を招くことも。適切な量の水を飲んで、血行の悪化を防ぎましょう。
ストレスを溜めない生活を意識する
私たちは日常生活のなかで、多くのストレスを受けています。ストレスを溜め込みすぎないよう、自分なりに解消方法を見つけることが対策につながります。
たとえば、適度な運動やストレッチに取り組むこと、趣味の時間を設けること、毎朝日光を浴びることなどがストレス対策として有効です。
頭皮の乾燥対策や脂性対策には薄毛専門サロンのヘアケアもおすすめ
頭皮の乾燥や脂性と薄毛の関係に始まり、原因や対策についてお伝えしました。上記でご紹介したホームケアでの乾燥・脂性対策に加えて、薄毛専門サロンで頭皮ケアの施術を受ける方法もあります。
施術では、サロン専用のシャンプーや機器を使いながら、自宅ではできない頭皮のスペシャルケアが可能です。頭皮環境を良好に保つために、本格的な育毛ケアを始めてみてはいかがでしょうか。
「TIスカルプコントロール」で本格育毛ケア 自分の髪を大切にしたい全ての男性へ贈る、スヴェンソンの育毛プログラム。7つのステップであなたの頭皮を徹底ケア。毛髪のプロが毎日のセルフケアもサポートします。
スヴェンソンの本格育毛プログラム「TIスカルプコントロール」では、血行促進・頭皮軟化・頭皮洗浄・頭皮活性・栄養補給・頭皮維持の6ステップを実現。さらには、専門のスタイリストによるデザインカットで、薄毛を目立たなくするスタイリングが叶えられます。ホームケアを実践しながら、プロのもとでケアしていきましょう。
ヘアケア製品で頭皮の環境を整えるなら、保湿成分を配合した育毛剤や、頭皮環境を良好に保つクレンジングがおすすめです。髪のポテンシャルを引き出すスヴェンソンのアイテムをお試しください。
【育毛剤】
頭皮の血行促進や毛母細胞の活性化、抗炎症といった効果を有する5種の育毛有効成分を配合する薬用育毛剤です。抜け毛対策だけでなく、頭皮の保湿にも有用なダイズやオタネニンジンなどの成分も含まれており、乾燥によるふけ・かゆみの予防にもおすすめです。
10種類の頭皮ケア成分が配合されたナノビアは、保湿成分としてダイズやオタネニンジン、ホップなどが含まれています。植物由来のナノカプセルが採用されており、ビワ葉エキスやホップエキス、セキセツソウエキスの3種類の成分がしっかりと頭皮に浸透するようになっています。
【頭皮クレンジング】
頭皮専用のクレンジングオイルは頭皮の乾燥やかさつきが気になる方におすすめです。頭皮の毛穴に詰まった皮脂を取り除きながら、血行を促進します。シャンプーや育毛剤の効果をより活かしたい方も、ゼロを使うことでワンランク上の頭皮ケアを実現することができます。
頭皮環境を整える6種類の植物成分や潤い成分で、頭皮の汚れを落としながら頭皮を保湿することができます。ふけや乾燥が気になる方、「ヘアライズ ゼロ」と同様にシャンプーや育毛剤の効果を活かしたい方にもおすすめです。
頭皮の脂性による頭皮環境が気になるという方は、以下の記事を参考にしてください。
参考文献
https://www.agaskin.net/column/detail_30/
https://ai-med.jp/contents/aga/article-27/
https://www.kawasaki-usuge.com/blog/?p=1300
https://www.aquaclara.co.jp/lifehack/healthy-beauty/dry-skin/
https://www.azura.jp/column/column_theme/cat-166/9422
https://www.atama-bijin.jp/hair_care/scalp/pain/hurts_scalp_dry/
https://laurier.excite.co.jp/i/HadaLove_112620
https://www.tescom-japan.co.jp/journal/7942
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/first/first02_1.html
https://corp.shiseido.com/listener/jp/cfe00400/kami02-05.htm
https://allabout.co.jp/gm/gc/195635/
公開日:2021/07/09