M字ハゲの基準と見分け方!改善策や今すぐ目立たなくする方法も紹介
株式会社スヴェンソン所属。毛髪技能士の資格を有する、髪のプロで構成された編集スタッフ。髪コトを通して、皆さまが抱える髪の悩みや不安、疑問を少しでも解決できるよう、分かりやすく情報を届けていくことを心掛けています。
額(おでこ)の左右両サイドの髪の毛が後退し、前頭部の生え際がアルファベットのMに似た形になる状態を「M字ハゲ」と呼びます。生え際の髪が薄くなったように感じ、「M字ハゲかも?」と悩み、判断基準や対処方法を探している方もいるのではないでしょうか。
M字ハゲはAGA(男性型脱毛症)の症状であることが多いものの、要因は複数考えられ、状態に応じて最適な対処方法も変わります。そこでこの記事では、M字ハゲの判断基準と原因、改善策とよくある疑問について紹介します。
M字ハゲの基準は「生え際の後退が指2本分以上」?
M字ハゲはO字ハゲやU字ハゲとともに、AGA(男性型脱毛症)に見られる進行状態です。AGAの進行パターンは複数の分類法により定義されます。広く利用されているのは、ハミルトン・ノーウッド分類です。
この分類法によると額の生え際(特にこめかみ周辺)の薄毛は、自覚が難しいステージI(タイプI)からステージII(タイプII)へ徐々に進行していき、額に深いM字型の切れ込みが見られるステージIII(タイプIII)になるとAGAだとはっきり認識できます。
進行パターンはM字タイプでも、「どこからがM字ハゲ」という明確な定義はありません。AGAの進行を自覚するための簡易的なセルフチェックの判断基準として、「生え際の後退が指2本分以上」というものもあります。いずれにせよ、症状や原因の正確な見極めには専門医による診断が必要です。セルフチェックで薄毛の兆候に気付いたら、早めに対策を考えましょう。
M字ハゲかどうかを見分ける方法
M字ハゲの原因はAGAとは限りませんが、AGAの場合は放置していると徐々に症状が進行します。前向きに対策を検討するには、薄毛の進行状態を自覚することが重要です。ここでは、M字ハゲと呼べる状態まで症状が進行しているかどうか見分ける方法を解説します。
ハミルトン・ノーウッド分類を使う
「ハミルトン・ノーウッド分類」では、耳の穴と頭頂部を結ぶ線と、食い込んだ両サイドの生え際(そり込み)の最終ライン(角額)との差が2cm以内の状態をAGA(男性型脱毛症)と診断しています。
額と前頭部の境界を明らかにする
もう一つは、額と前頭部の境界を明らかにして、それよりも生え際がどの程度、後退しているかをチェックする方法です。
1.顔全体が見える鏡の前に立ち、前髪を上げて額の生え際を見えやすくする
2.目を見開いて眉毛を持ち上げ、一番上にできたしわの上端を額の上限ラインと考える
3.額の上限ラインと両サイドの生え際の間に、指が何本入るかを確認する
このとき2本以上の指が入るなら、M字ハゲの進行が疑われます。とはいえ指の太さには個人差もあるため、あくまで進行具合の目安です。
昔の自分と比べる
生まれつき額が広めに見える方や、脱毛症とは無関係にM字に見える富士額の方もいます。額の広さや生え際の形状には生まれつき個人差があるため、薄毛の進行状況をチェックするなら、現在と過去の状態を見比べてみるのが得策です。3か月前・半年前・1年前など過去の写真と見比べ、明らかに後退が見られるなら、M字ハゲの進行を疑いましょう。
M字ハゲの原因のほとんどはAGA
どうして両サイドの生え際で薄毛が進行し、そり込みが深くなるのでしょうか。その原因のほとんどはAGA(男性型脱毛症)ですが、なぜAGAが発症するのでしょうか。また、AGA以外の要因には何があるのでしょうか。M字ハゲの原因と発症のメカニズムを解説していきます。
AGA(男性型脱毛症)
AGAは「Androgenetic Alopecia」の略称です。日本語では「男性型脱毛症」と呼ばれます。男性の薄毛の原因は主にAGAとされ、日本人男性の発症率は全年齢平均で約3割です。
AGAにはいくつかの進行パターンがあります。代表的なのは、前頭部から頭頂部にかけての薄毛で始まり、徐々に進行して薄毛の範囲が広がるパターンです。女性型脱毛症(FAGA・FPHL)と異なり、特定の部分から広がっていくのが特徴です。
なぜ、AGAが発症してしまうのでしょうか。その理由は、ヘアサイクル(毛周期)にあります。ヘアサイクルは「成長期初期」「成長期」「退行期」「休止期」に分かれます。AGAは男性ホルモンの一つ、テストステロンの影響により髪の毛のヘアサイクルが短縮され、髪の毛が抜け落ちてしまうのです。
AGAの原因は、男性ホルモンだけではありません。ストレスや睡眠不足(発毛に欠かせない成長ホルモンが不足する)、栄養バランスの偏り、頭皮の血行不良、遺伝など、さまざまな要因によって起こります。
成長初期 | 毛母細胞が分裂を開始し、新しい毛を作る時期 |
成長期 | 毛が栄養を摂り込んで成長する時期 |
退行期 | 毛の成長が止まり、毛穴から抜け落ちる時期 |
休止期 | 次の毛が生えるまでの準備期間 |
髪コトでは、AGAについての詳細を以下の記事でも解説しています。
牽引性脱毛症
継続的に額の生え際(特にこめかみ周辺)の髪を引っ張る髪型を続けることで、牽引性(けんいんせい)脱毛症を起こし、AGAによるM字ハゲと似た状態になることも考えられます。
前頭部や側頭部の生え際に起こりやすく、毛包へのダメージや血行不良により、髪が生えにくくなる場合もあります。例えばポニーテールなど、前髪を後ろ向きに強く引っ張る髪型をする習慣がある場合、牽引性脱毛症もM字ハゲの原因として考えられるでしょう。
生活習慣の影響
食生活の乱れや睡眠不足、強い精神的ストレスを受け続けることなども、M字ハゲを助長する要因です。
髪の大部分はタンパク質の一種ケラチンで構成されています。髪の生育に必須といえる栄養素は、ケラチン合成に必要となるタンパク質(アミノ酸)と亜鉛、ケラチン合成を助けるビタミンB群です。これらの栄養素の摂取不足があると、髪が作られにくくなり薄毛の要因となり得ます。
また精神的ストレスによる自律神経の乱れ、睡眠の質が低下することによる成長ホルモンの分泌不足、喫煙習慣による血行不良なども薄毛を助長させかねません。
頭皮トラブル
髪を作る土壌となる頭皮が何らかのトラブルを起こすことも、M字ハゲを助長する要因です。例えば洗浄力の強いシャンプーで皮脂を落とし過ぎると、頭皮のバリア機能を低下させ、強い薬剤・紫外線・細菌などから頭皮を守る力が弱くなります。シャンプー後の汚れ・泡のすすぎ残しも頭皮ダメージの要因です。
ヘアカラーやパーマで使用する薬剤が直接頭皮に触れると、頭皮環境を悪化させることもあります。特に誤った洗髪習慣でバリア機能が低下していると、薬剤の刺激により炎症などを起こしやすい状態です。また紫外線のダメージも受けやすく、フケ・かゆみや皮脂の過剰分泌を起こしやすいでしょう。紫外線の中でも特に波長が長いUV-Aは毛母細胞まで達し、髪の正常な成長を妨げ、薄毛を助長させる恐れもあります。
なお、糖質・脂質の多い食生活は、皮脂の過剰分泌を引き起こしかねません。皮膚常在菌の異常繁殖などにより、頭皮トラブルを起こしやすい状態になることも考えられます。
遺伝
M字ハゲになる原因の一つに遺伝が挙げられます。薄毛の原因である、「5αリダクターゼ」という酵素の活性度、毛乳頭細胞にある男性ホルモンレセプター(アンドロゲン受容体)の感受性は、親から子へ遺伝するのです。そのため、同じ家系に薄毛の方がいる場合、薄毛になりやすい体質を遺伝している可能性があります。
どういうことか、簡単に説明しましょう。
5αリダクターゼは、毛乳頭細胞に存在する酵素の一種です。毛乳頭細胞は、髪のもととなる毛母細胞に指令を与えて、ヘアサイクルを調整する役割があります。
5αリダクターゼは、テストステロンと結びつくと、ジヒドロテストステロン(DHT)という男性ホルモンに変換されます。DHTは、毛髪ホルモン量測定キットなどでよく測定されるホルモンです。
このDHTが毛乳頭細胞の男性ホルモンレセプター(アンドロゲン受容体)と結合すると、ヘアサイクルの成長期を強制的に終わらせる指令が出てしまいます。
5αリダクターゼの活性度が高ければ、テストステロンとくっつきやすく、DHTを過剰に作りやすい体質になります。また、男性ホルモンレセプター(アンドロゲン受容体)の感受性が高ければ、DHTとくっつきやすく、髪の毛が成長せずに抜けやすくなるという訳です。
5αリダクターゼの活性度は両親の家系から、男性ホルモンレセプター(アンドロゲン受容体)の感受性は母方の家系から遺伝すると考えられています。とはいえ、遺伝はあくまで薄毛の要因の一つですから、過度に気にしないようにしましょう。
自分でできるM字ハゲの改善策
M字ハゲの特徴と原因について、ご理解いただけたと思います。では、最初のセルフチェックでM字ハゲと分かったら、どうすればよいのでしょう。諦めて薄毛と付き合うしかないのでしょうか。そのようなことはありません。いくつも解決方法はあるのです。生活習慣の見直し、育毛剤の使用などの地道な方法から、悩みをすぐに解決する方法まで、さまざまな対処法について解説します。
生活習慣を見直す
適切な睡眠時間を心がける、適量の運動をする、ストレス発散をする、食生活を改善するなどして、生活習慣を改善しましょう。生活習慣を見直すことは、薄毛に対処するための基本的なステップです。
食事に関しては、以下のような成分を心がけるとよいでしょう。
3つの栄養素
タンパク質…肉、魚、卵、大豆
ミネラル…牡蠣、牛肉、レバー、貝類、根菜類、海藻類
ビタミン…ナッツ、柑橘、玄米、ブロッコリー、トマト、葉菜類
>>「薄毛は食べ物で改善できる~髪に良い食べ方、食べ合わせ~」
正しくシャンプーをする
抜け毛が多い場合でも、頭皮を含めた丁寧な洗髪が大切です。頭皮を清潔に保つことで皮脂の詰まりが解消され、健やかな髪の毛が維持できます。
しかし、シャンプー方法が間違っていると頭皮や髪の毛が傷つき、抜け毛につながります。汚れを必死に落とそうとゴシゴシ洗ったり、すすぎ残したりしないように注意しましょう。
正しくシャンプーをするのに覚えておきたいキーワードが「もみ洗い」です。頭皮はシャンプーを十分に泡立ててからもむように優しく洗います。洗顔をするときと同じ感覚で、こすらないことが大切です。
髪の毛は泡を毛先まで移動させるようにもむと、汚れがしっかり落ちます。洗い流すときも、ぬるま湯ですすぎましょう。
>>【医師監修】シャンプーで薄毛対策、効果はある?選び方から洗い方まで
頭皮マッサージをする
頭皮マッサージを行うと血行が良くなり、頭皮環境の改善につながります。血流やリンパの流れに沿って、頭皮を軽く指圧しましょう。目安として、後頭部と頭頂部を比較すると、頭頂部のほうが動きにくいと思います。この動きにくい部分の血行が悪いと考えてよいでしょう。
頭部のマッサージ方法については、以下の記事で育毛・ヘアケアの専門家監修のもと、詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
>>頭皮マッサージは薄毛に効果的?プロが教えるマッサージを解説!
育毛剤を使用する
薄毛や抜け毛に対処するために使用したいのが、育毛剤です。育毛剤を使うことで、抜け毛予防の効果が期待できます。また、頭皮の血行を良くし栄養を与えてくれるため、頭皮環境の改善にも役立ちます。
育毛剤には頭皮に直接塗るタイプと頭皮に噴射するスプレータイプがあり、種類により使い方が少々異なります。商品の説明書に必ず目を通してから使用しましょう。
「ヘアライズ® スタートアップセット」を試す
日々のヘアケア習慣を改善・グレードアップするなら、薄毛専門理・美容室スヴェンソンによる「ヘアライズ® スタートアップセット」もおすすめです。スタートアップセットは、スカルプケアシャンプー「ヘアライズ® TIスカルプシャンプー」と薬用育毛剤「ヘアライズ® ボルト」をセットにして、お得な価格で購入できます。
スカルプシャンプーは7つのフリー処方で頭皮に優しく、天然由来の有効成分をバランスよく配合していることが特徴です。脂性肌・乾燥肌いずれの方にもおすすめできます。ボルトは5種類の育毛有効成分および正常な毛周期にアプローチする成分を、新技術により深部までスムーズに浸透させることが特徴です。詳細は以下よりチェックできます。
専門家の力も借りるM字ハゲの改善策
薄毛予防には生活習慣やヘアケア習慣の改善も大事ですが、AGAの場合は専門クリニックでの治療も検討しましょう。治療を選択してもしなくても、デザインカットやウィッグにより、地毛を活かしてスタイリッシュに仕上げることもできます。
専門のクリニックで治療する
M字ハゲの原因がAGAの場合、薄毛治療専門のクリニックで治療を受けるのが効果的です。治療方法は受診するクリニックやご自身の症状・希望により変わりますが、基本的にはAGA治療の効果が認められた内服薬や外用薬が処方されます。内服薬ならプロペシア(フィナステリド)、外用薬ならミノキシジルを処方されることが多いでしょう。治療の流れの例は以下の通りです。
1.治療を受けたいクリニックを選ぶ
2.電話や申し込みフォームからカウンセリングを予約する
3.来院時、受付を済ませて問診票を受け取り、薄毛が気になり始めた時期や育毛剤・治療薬の使用経験などを回答する
4.専門カウンセラーによる問診を受け、診察を受けるか判断する
5.診察を受ける場合、頭部の写真撮影や視診・触診を受け、治療内容の提案に納得できたら治療同意書にサインする
6.症状や希望に応じて治療薬の処方を受ける
7.通院を開始し、毎回の来院時に治療薬の処方を受ける
AGA治療の効果が出始めるのは、早い方なら3か月ほど、遅い方なら1年ほどかかるケースもあり、さまざまです。治療期間に応じて費用もかかるため、継続できるかどうかを慎重に判断しましょう。
ヘアスタイルを工夫する
ヘアスタイルを工夫すれば、見た目の印象をかなり変えられるでしょう。実際に多くの理容室や美容室が「M字ハゲでもかっこいい髪型」「M字ハゲが目立たないヘアスタイル」などを発信しています。
よくあるのがサイドを思い切り短くし、トップの長さを残すソフトモヒカン。前髪は下ろすのも手ですし、オールバックにするのもかっこいいでしょう。あるいは分け目をセンターあるいは思い切りサイドにした大胆なツーブロックならそり込みを活かせます。ベリーショートや坊主なども人気です。
ただし、M字ハゲの場合は徐々に進行する可能性がありますし、髪の毛に負担がかかるヘアスタイルは避けたいもの。見た目だけでなく、髪の毛の健康や髪質も考えたスタイリングやケアを受けたいところです。また会社員の場合、あまり大胆なヘアスタイルにするのも難しいでしょう。
その点、薄毛専門のヘアサロンなら薄毛のヘアデザイン経験が豊富で、抜け毛・毛髪の専門知識を持つスタイリストがいるのでおすすめです。薄毛専門理・美容室スヴェンソンの「デザインカット」では、さまざまな悩みや希望に応じて、地毛を活かして自分に合ったヘアスタイルにしてくれます。プライベート空間のため、普通の美容室でM字ハゲを相談するのが恥ずかしいという方も、人目を気にすることなく相談できるのも魅力です。
「薄毛の方でもカット次第でイケてる髪型に!これだけ変わるビフォーアフター6選」では、実際にスヴェンソンの「デザインカット」を行ったビフォーアフターを画像付きで紹介していますので、髪型の参考にしてみてください。
ウィッグを使用する
ウィッグは、気になる部分をボリュームアップできる、初期の薄毛対策としてもおすすめです。ウィッグというと地毛に金具で装着するイメージがありますが、着脱不要のウィッグもあります。
例えば薄毛専門理・美容室スヴェンソンの場合、自分の頭髪に特殊な3本の糸を使ってウィッグを編み込んでいく、「編み込み式増髪」という方法で行っています。スヴェンソンが特許(特許番号第3686998)技術として提供している増髪法です。
この方法を使って前髪の部分にボリュームを持たせ、M字の部分をカバーできます。
地毛に編み込んでいるため、24時間着脱不要で外れる心配もありません。自然な使用感で、入浴はもちろんスポーツなどのアクティブな活動もそのまま楽しめます。
ウィッグというと、装着感や仕上がりに不安を持つと思いますが、そのような方が安心できるようにスヴェンソンでは無料体験も実施しています。詳しく知りたい方は、以下よりご確認ください。
M字ハゲに関するよくある質問
M字ハゲに悩む人は非常に多く、年齢層も幅広いことが特徴です。女性で悩みを持つ方もいます。また、最近は医療機関でのAGA治療がさかんに宣伝されていて、詳しい情報を求める方も増えているようです。ここではM字ハゲに関する「よくある質問」を集め、解説しました。
M字ハゲの治療はどれくらい費用がかかりますか?
最近はAGAの診察や治療を行う医療機関が増え、専門クリニックや専門医も存在します。通院不要のオンライン診療なども多く行われているようです。
AGA治療がさかんになった理由は、薄毛の発生メカニズムに直接働きかける治療薬がたくさん開発されてきたためです。例えばミノキシジルは毛母細胞を活性化し、フィナステリド(プロペシア)やデュタステリド(ザガーロ)は5αリダクターゼを抑制する効果があります。内服薬が中心ですが、ミノキシジルには外用薬もあります。
通常のAGA治療は保険が効かないため、治療費は比較的高額です。①予防、②進行を遅らせる、③発毛を促進する、④より積極的な発毛促進、などの目的ごとに費用は異なります。
一般的なM字ハゲの治療費を、下の表にまとめてみました。月額治療費は平均で、初月は初診料や血液検査などの検査費用が加わりますから、もっと高額になります。また、効果には個人差が大きいというデメリットもあります。治療費の計算方法は「初診料」+(「毎月の治療費」×「治療までの月数」)となりますので、5年間治療を継続した場合の相場と合わせて、参考にしてみてください。
<治療目的別の治療費>
治療目的 | 月額治療費の平均 | 費用総額の相場(5年間治療を継続した場合) |
---|---|---|
予防をする場合 | 約6,000円 | 約360,000円 |
進行を遅らせる場合 | 約18,000円 | 約1,080,000円 |
発毛を促進する場合 | 約28,000円 | 約1,680,000円 |
より積極的な発毛促進する場合 | 約40,000円~120,000円 | 約2,400,000円~7,200,000円 |
※2020年9月時点で各クリニックの公式サイトに掲載している治療費を集計しました。
※初診料や初診にかかる血液検査費は除いて計算しています。
※治療内容は医師の診断結果によって変わることがあり、本記事で掲載している金額から変動する可能性もあります。
※6か月や12か月などの長期コースのほうが安い金額となっている場合は、長期コースを契約時のひと月当たりの金額を算出しました。
※ジェネリック医薬品が選べる場合は、ジェネリック医薬品を利用した場合の価格で算出しました。
※治療費は、自由診療の場合の価格で算出しました。
AGAの治療費についてもっと詳しく知りたい方は、「AGA治療費の平均相場は?費用・時間・満足度を徹底調査」の記事も合わせてお読みください。
M字ハゲの治療には副作用もあるのでしょうか?
どのような治療にも、必ず副作用のリスクがあります。
例えば、AGA治療薬のフィナステリド(プロペシア)やデュタステリド(ザガーロ)は、男性ホルモンに働きかけるため、勃起不全・性欲減退・精液減少・肝機能障害などの副作用が生じることがあります。
また、発毛剤にも使われるミノキシジルは、もともとは高血圧の治療に使用された血管拡張薬です。その作用の結果、腫れやかゆみ、動悸、頭痛、発熱、吐き気などの副作用が生じる恐れがあります。とはいえ、実際に副作用が出るのは全体の0.1〜0.2%と非常に稀で、過度に心配する必要はないでしょう。
最近、AGA治療に取り入れられているメソセラピーという治療法があります。頭皮に直接、育毛・発毛に必要な有効成分や栄養素を注入する注入治療です。メソセラピーの場合も、頭部の腫れや頭皮の痛み、赤み、注射部位の熱感、しこり、かゆみなどの副作用が生じることがあります。
高校生はM字ハゲの治療ができますか?
高校生でも、保護者の同意があれば治療を受けることができます。初診に保護者の同伴が必要なケースもあれば、最初から同意書のみで受けられるケースもあります。
テストステロンは思春期以降の成長期に分泌量が増えるため、高校生ぐらいの年齢からAGAに悩む方も多いのです。AGAに悩む人の約1割は10代から症状が出ていたというデータもあり、現在、真剣に受診を考えている高校生もいるでしょう。
AGAにはさまざまな治療方法があります。未成年は対象外の治療もありますが、それ以外の方法を組み合わせることで、治療を行います。
20代のM字ハゲはどのように対処したらよいですか?
20代の場合は、まずは睡眠不足、偏った食生活、運動不足、ストレス、喫煙・飲酒など、薄毛の要因になる行動を改善してみましょう。生活習慣や栄養バランスの影響も大きいのです。まだ若くて新陳代謝も活発な時期ですから、頭皮マッサージも効果があるでしょう。
このうち特に重要なのは睡眠です。髪の成長に必要な成長ホルモンは、入眠後から3時間の間に最も分泌されます。入眠直後の睡眠の質はとても大切です。寝る前にスマートフォンやタブレットなどのブルーライトを浴びると、睡眠の質が低くなりますから注意しましょう。
女性のM字ハゲはどのように対処したらよいですか?
女性のM字ハゲは、男性と違ってテストステロンなどの男性ホルモンの影響が少ないため、男性よりも生活習慣や栄養バランスの改善、ストレスの回避による効果が出やすく、治りやすいとされています。頭皮マッサージで血流を促進するのも効果的です。
女性の薄毛は、女性型脱毛症(FAGA・FPHL)と呼ばれます。フィナステリドやデュタステリドなどのAGA治療薬は女性への薄毛治療効果は確認されておらず、ホルモンに悪影響を及ぼすため、女性の使用は不可とされています。また、ミノキシジルは男女共に使用できますが、妊娠中または妊娠の可能性がある女性の使用は注意が必要なため、医師への相談が必要です。
まずは生活の見直しから始め、それでも改善が難しければ、ウィッグなどを使っておしゃれを楽しむのも一つの方法です。
市販の育毛剤でM字ハゲは治りますか?
育毛剤は、抜け毛予防を目的としているため、M字ハゲを治す効果はありません。育毛剤とは、いま生えている髪の毛や頭皮の健康維持をすることを目的とした医薬部外品です。
M字ハゲを治すには、育毛剤ではなく発毛剤を使用すべきでしょう。発毛剤は「毛を生やす」ことを目的とした医薬品です。AGA治療薬にも使われる有効成分、ミノキシジル配合の育毛剤なども市販されています。
ただし下記のアンケートによると、育毛剤や発毛剤の使用満足度は低いようです。もちろん効果に個人差はありますが、あまり高い期待は持たないほうがよいかもしれません。
早いうちに自分に合ったM字ハゲの対処方法を見つけよう
薄毛は、早いうちの対処が重要です。両サイドの生え際の髪の毛が弱々しくなったり、抜け毛が多くなったりしたら、今回紹介した対処方法を試してみてください。頭皮の健康状態が改善され、さらに毛根がまだ生きていれば、再び髪が生えてきたり、毛が強くなったりすることが期待できます。また、進行が止まる可能性もあるでしょう。
しかし、ある程度進んでしまった場合は、根本的な解決はなかなか難しいのが現状です。髪の悩みは、「見た目の悩み」といえます。ヘアスタイルやウィッグの使用などで、見た目の問題が解決できれば、悩みが解消するかもしれません。また、薄毛は進行していきます。早めにウィッグの使用に慣れておけば、長きにわたって「悩み知らず」になるかもしれませんよ。
参考文献
トラブルブック「M字ハゲの前兆は?詳しい症状や対処法を知って早めの対策を取ろう!」
幻冬舎ゴールドオンライン「「2cmの壁」が明暗を分ける?AGA(男性型脱毛症)自己診断」
日本皮膚科学会ガイドライン「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」
髪コト「【実態調査】育毛剤・発毛剤は実際に効果がある?ユーザーの満足度は?」