一日300本の抜け毛は正常?異常なケースや抜け毛が続くときの対処法
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髪は正常に成長して寿命を迎えると自然に抜け落ちますが、一日300本程度の抜け毛が起こる場合もあります。これは正常なのか異常なのか、どのように対処すればよいか知りたい方もいるのではないでしょうか。
抜け毛の悩みを解消するには、ヘアサイクルや頭皮トラブルについて理解を深め、原因に応じた最適な対処方法を選択することが大切です。そこでこの記事では、一日300本の抜け毛が見られる原因や対策について紹介します。
一日300本の抜け毛でも異常なし
大前提として、髪は一定期間伸びた後に抜け落ち、新しい髪が生えてくるサイクルを繰り返しています。一日当たり100本程度の抜け毛は正常範囲とされており、季節の変わり目などで一時的に300本程度の抜け毛が見られることもあります。
しかし、脱毛症などが原因でヘアサイクルが乱れると、継続的に多量の抜け毛が見られる可能性があり、注意が必要です。
一日100本程度の抜け毛は問題なし
起床時やシャンプー中に抜け毛を見つけた方は、「こんなに抜け毛があって大丈夫……?」と不安になるかもしれません。しかし抜け毛の量が多過ぎなければ、過度な心配は必要ありません。一日に50〜100本程度の髪が抜け落ちるのは自然なことです。
成長しきって毛根の位置が浅くなった髪は、洗髪時のわずかな力でも抜け落ちることがあります。頭髪に絡まっている抜け毛も洗い流されるため、シャンプーの際にまとまった抜け毛を見ることになるのは自然です。
秋の抜け毛は一日200~300本に増えることも
「でも、明らかに100本以上抜けているんだけど……」そう思う方もいらっしゃるかもしれません。
抜け毛の量は季節にもよります。特に秋は抜け毛が多くなる季節です。秋には平均して一日200本~300本程度の抜け毛が出ることもあると言われています。抜け毛が気になるときが秋であれば、ある程度抜け毛の量が多くなってもそれほど心配しなくてよさそうです。
花王(株)生物科学研究所主任研究員の服部道廣氏は、45歳の女性における抜け毛の年間推移を記録し、次のような図にまとめています。この図の0日目とは1月1日のことです。この図から10月から11月にかけて抜け毛の量が増えることが分かります。
【図表】季節による一日当たりの抜け毛数の変動(赤丸は髪コト編集部)
【出典】服部道廣『養毛・育毛剤の評価法―人における新評価法―』
これには、哺乳類が体毛を夏毛から冬毛に生え変わらせる「換毛期」が人間の遺伝子にも残っているからではないか、という見解があります。
もしくは、夏の紫外線が頭皮の「酸化ストレス」を増加させ、酸化ストレスによって毛包幹細胞が機能しなくなってしまうことで、秋に抜け毛が増えるのではないか、という説もあります。
このように、秋に抜け毛が増える現象についてはさまざまな説がありますが、いずれにしても一日に200本~300本程度の抜け毛であれば正常な範囲だといえます。季節による抜け毛の増加は一時的なものであるため、過度な心配は必要ありません。
抜け毛と深く関わる「ヘアサイクル」を知ろう
「自分の抜け毛の量が正常な範囲か知りたい」「抜け毛を減らしたい」…そんな方は、まず毛が生える仕組み「ヘアサイクル」を知っておく必要があります。
ヘアサイクルとは、「髪のライフサイクル」のことです。毛が生え、成長が止まり、抜け、また新しい毛が生える一連の周期を指します。
通常のヘアサイクルは以下3つの段階を繰り返します。
- 成長初期~成長期:毛髪が伸びていく時期。期間は3~5年程度
- 退行期:毛髪の根元にある「毛球」が縮まり退化する時期。期間は2~3週間
- 休止期:毛髪の成長が完全に休止する時期。期間は数か月
ヘアサイクルの期間や時期は、髪の毛一本一本で異なります。成長期を迎えている毛髪もあれば、退行期や休止期の毛髪もあるのです。
休止期から成長期に移る際には、古い髪の根元で新しい髪が伸び始め、古い髪が押し上げられます。これが自然な脱毛の原理です。しかし、ヘアサイクルが乱れると、成長期の期間が短くなり、逆に休止期が長くなってしまいます。
つまり、髪の成長が早く止まってしまい、細く短い髪の割合が増えます。また休止期の髪が多くなるため、新しく伸びてくる髪よりも抜ける髪のほうが多くなります。これらの結果により、髪の毛が薄く見えてしまうのです。
正常なヘアサイクルでは、大部分の髪は成長期で伸び続けており、休止期にある一部の髪のみが抜け落ちます。一日に500本や1,000本などの大量の脱毛は、正常なヘアサイクルを維持できている限り、ほぼ起こりません。
ヘアサイクルと抜け毛について、詳しくは以下の記事でも解説しています。
ただし抜け毛の形状を確認すること!
抜け毛の量だけでなく、その形状にも注目することが重要です。正常なヘアサイクルでは、数年の成長期を経た後に髪が抜け落ちるため、長い髪が多く見られるでしょう。しかし、細く短い抜け毛が目立つようであれば、何らかの要因でヘアサイクルが乱れ、十分に成長する前に抜け落ちている可能性があります。
また、正常に成長して寿命を迎えた抜け毛の毛根部分には膨らみがあり、毛根部分のみ白いか半透明な状態です。以下のような特徴がある場合、頭皮トラブルや脱毛症による抜け毛が疑われます。
- 毛根周辺にいびつで黄味がかった付着物がある
- 毛根が細く尖っている
- 毛根の形がいびつ(ちぎれや裂けが見られる)
- 毛根の先にひげのような毛(新しく成長を始めた毛)が生えている
一日300本以上の抜け毛が止まらない原因は?
継続的に一日300本もの抜け毛がある場合、まず考えられるのはAGA(男性型脱毛症)や円形脱毛症、脂漏性脱毛症などの脱毛症を発症していることです。栄養不足・血行不良などによる頭皮環境の悪化、誤った洗髪習慣なども、抜け毛が増える原因になり得ます。
男性型脱毛症(AGA)である
男性型脱毛症はAGA(Androgenetic Alopeciaの頭文字)とも呼ばれ、その名の通り男性によく見られる脱毛症です。男性型脱毛症になると、生え際や頭頂部の髪の毛が薄くなっていきます。
男性型脱毛症の主な原因は、男性ホルモンであると考えられています。
詳しい原理を解説します。
男性ホルモンの一種に「テストステロン」というものがあります。テストステロンは血液中を漂っていますが、これが前頭部や頭頂部の毛乳頭細胞(毛髪の根元にある細胞)に到達すると「男性ホルモンを活性化させる酵素(II型5αレダクターゼ)」と反応します。
そして、テストステロンがさらに活性化した「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変換されるのです。
このDHTが、毛乳頭細胞にある「男性ホルモン受容体」と結合することで、ヘアサイクルの成長期を短くする方向に作用するため、薄毛が進むと考えられています。
ちなみに、AGAの治療を始めて3週間後~3か月後くらいに、抜け毛が増える現象が発生することがあります。これは「初期脱毛」と呼ばれますが、正常な反応ですので心配はいりません。
円形脱毛症・脂漏性脱毛症など、AGA以外の脱毛症である
男性型脱毛症(AGA)以外の脱毛症である可能性もあります。代表的な脱毛症は次の2つです。
- 円形脱毛症
- 脂漏性脱毛症
それぞれ説明していきます。
円形脱毛症
円形脱毛症とは、一部分からごっそり毛髪が抜けるような症状を示します。毛髪がまとまって抜け、脱毛部分が円形、もしくは楕円形を描くことからこのように呼ばれています。
円形脱毛症の主な原因は、普段は私たちの体をウィルスや病原菌などから守ってくれる免疫が異常に機能してしまう「自己免疫疾患」です。また、アトピーや精神的なストレス、遺伝、女性ホルモンの減少などが原因になる場合もあります。
ちなみに円形脱毛症は、大人のみならず子どもでも発症することがあります。子どもが発症した場合には特に精神的ケアが重要です。
脂漏性脱毛症
脂漏性脱毛症とは、脂漏性皮膚炎の結果引き起こされる脱毛症です。そして脂漏性皮膚炎とは、皮脂の分泌が多くなることで生じる皮膚炎のことです。皮脂が過剰分泌されることで皮膚上にいるマラセチア菌が異常繁殖し、炎症を引き起こすのです。肌が赤くなりかゆみやフケが発生します。脂漏性皮膚炎の原因は、遺伝やストレス、食事やホルモンバランスの崩れ、不十分な洗髪などです。
頭皮環境が悪化している
頭皮環境の悪化は毛髪への栄養供給を阻害し、ヘアサイクルの乱れを引き起こします。頭皮への負担の原因は、主に次のようなものが挙げられます。
- 食生活の乱れ
- ストレス
- 睡眠不足
- 寝る時間の遅さ
- 過度な喫煙や飲酒
- 過度な洗髪
- シャンプーの洗い残し
- 汗や皮脂の蓄積
- 紫外線
食生活において特に注意が必要なのは、揚げ物など動物性脂肪の多い高カロリーな食べ物です。このような食べ物を多く摂り過ぎると血液中にコレステロールが増加し、血液の流れが悪くなってしまいます。結果として血液中にある栄養素が毛乳頭まで届きにくくなり、髪の成長を妨げてしまうのです。
またビタミンB群の不足にも注意が必要です。ビタミンB群の不足は、頭に細かいフケが発生し、薄毛が進む「粃糠(ひこう)性脱毛症」の原因になります。ビタミンB群は、脂肪分の少ない豚肉やさつまいも、玄米などに多く含まれています。進んで摂取するようにしましょう。
また過剰な精神的ストレスや睡眠不足、過度な飲酒やたばこから摂取するニコチンは、いずれも自律神経の乱れ(副交感神経の働きの抑制)を引き起こす原因になり得ます。交感神経が優位になることで血管収縮による血行不良を招き、食事から摂取した栄養を頭皮・毛乳頭へ届けにくくなります。
頭皮の汚れを落としきれていない
誤った洗髪習慣により頭皮の汚れを落としきれず、頭皮トラブルを引き起こして抜け毛が増えている可能性もあります。洗髪は重要ですが、洗髪のし過ぎも皮脂の過剰分泌や毛穴の目詰まりの原因になります。以下のような点に注意して、一日一回丁寧に洗髪し、頭皮を清潔に保ちましょう。
- シャンプー前にお湯で丁寧に予洗いをする
- シャンプーは髪に付ける前によく泡立てる
- シャンプー時は「頭皮を洗う」ことを意識し、指の腹で優しくもみほぐすように洗う
- 汚れやシャンプーの洗い残しがないようにすすぎ洗いをする
- 濡れた髪は自然乾燥させず、タオルドライをしてからドライヤーで完全に乾かす
ただし頭皮の状態によっては、洗髪習慣を変えても効果が見られないこともあります。このような場合は、薄毛専門理・美容室スヴェンソンの「頭皮ケア&クレンジング」サービスがおすすめです。普段のシャンプーでは難しい脂っぽさや臭いといった頭皮の問題を、徹底的な施術でスピーディに解消できます。ご興味のある方は、以下よりチェックしてみてください。
他の病気の影響がある
脱毛症以外にも、次のような病気の影響で抜け毛が多くなる可能性があります。
- 梅毒
- 鉄欠乏性貧血
- 甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
- 膠原病(こうげんびょう:リウマチ熱、関節リウマチ、結節性多発動脈炎、全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、皮膚筋炎など)
- 抜毛症(トリコチロマニア)
病気が原因である抜け毛については、以下の記事でも解説しています。ご参考にしてください。
300本以上の抜け毛が続くときの対策
薄毛は「予防すること」はもちろん、薄毛になってしまった後に「進行を止める」「回復させる」「目立たなくさせる」行動を取ることも大切です。
薄毛を予防したり、進行を止めたり、回復させたりするには、まずは頭皮環境を良くし、ヘアサイクルを正常に戻す必要があります。
そのためにできることについては、「【薄毛対策】男性におすすめの髪の抜け毛予防&防止対策を解説」の記事で詳しく解説しています。
また、ヘアカットやヘアセットに一工夫を加えたり、気になる部分にピンポイントで増毛したりすることで、薄毛をカモフラージュすることも可能です。
シャンプーを変えてみる
頭皮の状態に合わせて、刺激の少ないシャンプーを選ぶことが重要です。例えば、洗浄力が強く過剰な刺激となりがちな石油系シャンプーを使用している場合は、低刺激のアミノ酸系シャンプーへ切り替えることをおすすめします。
頭皮トラブルがある方は、合成香料などの添加物不使用のフリー処方シャンプーや、有効成分が配合された薬用シャンプーも検討したい選択肢です。
薄毛専門理・美容室スヴェンソンが提供する「ヘアライズ TIスカルプシャンプー」は、7つのフリー処方で頭皮に優しく、抗菌・保湿・抗炎症などの作用がある天然由来の有効成分をバランスよく配合しています。頭皮が脂っぽい方にも、乾燥しがちな方にもおすすめできるスカルプケアシャンプーです。ご興味のある方は、以下よりチェックしてみてください。
AGAクリニックを受診してみる
一日300本以上の抜け毛が継続して見られる場合、何らかの脱毛症が原因である可能性があります。特に注意したいのは、10代以降の男性であれば誰でも発症し得るAGAです。
AGAは前頭部(額の生え際)や頭頂部(つむじ周辺)から進行するのが特徴的で、これらの部位の毛髪が側頭部・後頭部と比べて「明らかに細く、短く、柔らかい」といった違いが見られれば、AGAの発症・進行が疑われます。
AGAは進行性の脱毛症なので、自然治癒は期待できません。放置すれば徐々に薄毛が目立つようになるため、初期症状に気付いたら、早めに専門医を受診することをおすすめします。
「デザインカット」で自然に薄毛をカバーする
※薄毛専門美容室スヴェンソンの「デザインカット」によるビフォーアフター
シャンプーを変えたり脱毛症の治療を始めたりしても、効果を実感できるまでには時間がかかります。どうしても薄毛が気になってしまい、ストレスで血行不良を起こすなど悪循環に陥る恐れもあるでしょう。すぐに薄毛を隠したいなら、髪型を変えて上手にカバーするのが現実的な選択肢です。
薄毛専門理・美容室スヴェンソンは、「増髪(ぞうはつ)」というコンセプトのもと、髪を増やすことは男磨きのひとつとして、さまざまなサービスを提供しています。
スヴェンソンの「デザインカット」では、薄毛に詳しい専門のスタイリストがヘアカットをしてくれます。それぞれの毛量、髪質に合わせてカットしてくれるので、薄毛をカモフラージュした髪型ながらも仕上がりは非常に自然です。
カットだけでなく、薄毛の悩みに関する相談にのってくれたり、アドバイスもしたりしてくれます。プライベート空間なので、周りを気にせずに思う存分聞くことができます。
「デザインカット」について、もっと詳しく知りたい方は以下リンクをご覧ください。
薄毛の髪型がヘアカットでどういうふうに変わるのか、「薄毛の方でもカット次第でイケてる髪型に!これだけ変わるビフォーアフター6選」の記事も参考にしてみてください。
「マイヘアプラス」でピンポイント増髪
※スヴェンソンの部分増髪「マイヘアプラス」によるビフォーアフター
現在生えている髪の毛だけでカバーすることが難しい方におすすめなのが「増髪」です。
薄毛専門理・美容室スヴェンソンの「マイヘアプラス」は、独自の特許技術により頭皮に負担をかけずに地毛一本一本に人工毛をジョイントさせる増髪法です。定着率99.2%という高さも魅力です。
薄毛が気になる部分にピンポイントで増髪ができ、それぞれの毛質、毛量に合わせて施術してくれるので仕上がりも自然です。
マイヘアプラスについて詳しく知りたい方は以下のページをご覧ください。
「TIスカルプコントロール」で正しい育毛ケアを
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しかし、本当に正しい方法で頭皮ケアができているかどうかは不安ですよね。
薄毛専門理・美容室スヴェンソンの「TIスカルプコントロール」では、頭皮のプロが正しいヘアケアの方法をレクチャーしてくれます。
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「TIスカルプコントロール」について詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
「TIスカルプコントロール」で本格育毛ケア 自分の髪を大切にしたい全ての男性へ贈る、スヴェンソンの育毛プログラム。7つのステップであなたの頭皮を徹底ケア。毛髪のプロが毎日のセルフケアもサポートします。
まとめ
誰しも一日50〜100本程度の抜け毛はあるもので、季節など一時的な要因で一日300本程度の髪が抜けることも珍しくありません。ただし継続的に大量の髪が抜ける場合、頭皮トラブルや脱毛症が疑われます。いずれにせよ健全な頭皮環境を保つことは重要です。すぐに薄毛の悩みを解消するなら、髪型を変えるなどの対応も検討しましょう。
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参考文献
服部道廣『養毛・育毛剤の評価法―人における新評価法―』
日刊ゲンダイヘルスケア「秋から冬は抜け毛が増えるは本当か 頭髪なら1日何本?」
岐阜大学 科学研究基盤センター 共同研究講座 抗酸化研究部門「酸化ストレスで髪が抜ける!?脱毛と酸化ストレスの関係」
アデランス「ヘアサイクルと脱毛のメカニズム」
医療法人社団則由会「AGA(エージーエー)とは 薄毛・抜け毛の原因と治療薬」
ウィメンズヘルスクリニック東京「大量のフケが出る粃糠性湿疹(脱毛症)の原因と対策」
公開日:2024/09/04