【図解】ヘアサイクルの仕組みと悪化する理由~回復しないときの対処法
株式会社スヴェンソン所属。毛髪技能士の資格を有する、髪のプロで構成された編集スタッフ。髪コトを通して、皆さまが抱える髪の悩みや不安、疑問を少しでも解決できるよう、分かりやすく情報を届けていくことを心掛けています。
髪の毛はある一定期間成長したあとに自然に抜けて、また新たに生えてきます。これを「ヘアサイクル(毛周期)」と呼びます。
薄毛は、ヘアサイクルの乱れによって引き起こされます。
この記事では「ヘアサイクル」をテーマに、その仕組みや周期が乱れる理由、改善方法に至るまで徹底解説します。
- 高梨医院
- 皮膚科・美容皮膚科
- 副院長 吉岡 容子
- 東京医科大学医学部医学科を卒業後、麻酔科学講座入局
- 明治通りクリニック皮膚科・美容皮膚 院長を務めたのち、
2014年「高梨医院 皮膚科・美容皮膚科」を開設。2019年より副院長。
【資格】
麻酔科標榜医、麻酔科認定医、高濃度ビタミンC点滴療法認定医、日本レーザー医学会会員、
日本美容皮膚科学会会員、日本抗加齢医学会会員、点滴療法研究会マスターズクラブ会員
※本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が具体的なクリニックや施術や商品等を推奨しているわけではございません。
正常なヘアサイクルの仕組み~3つの周期~
一定の周期で髪の毛が「生える→抜ける」を繰り返す流れを「ヘアサイクル(毛周期)」と言います。
ヘアサイクルの周期は、一般的に男性で3~5年、女性で4~6年と言われており、一生のうちに15回~30回程度このサイクルが繰り返されるそうです。(※諸説あり)
ヘアサイクルは「成長期」「退行期」「休止期」の3つに分類される
ヘアサイクルは、その期間によって名称が付けられていますが、大きくは次の3段階に分けられます。
- 成長期
- 退行期
- 休止期
それぞれどういうものなのかを見ていきましょう。
成長期
成長期とは、毛髪の細胞分裂が活発に行われる期間です。成長期のなかでも「早期」「中期」「後期」の3段階に分かれています。
生えている毛髪全体のうち、80~90%の毛髪がこの成長期に属します。成長期の期間は男性で3~5年、女性で4~6年なので、ヘアサイクルの期間はほとんどが成長期にあたります。
退行期
退行期とは、毛髪の細胞分裂が緩やかになる期間です。その期間は2~3週間程度であり、生えている毛髪全体の1%程度と言われています。
休止期
毛髪の細胞分裂が完全に止まる期間が休止期です。期間は2~3ヶ月程度であり、生えている毛髪全体の10%程度と言われています。
休止期が終わると、自然に脱毛して、新しい毛髪が作られる「脱毛&新生期」になります。
ヘアサイクルは男性と女性で期間が違う
先述した通り、ヘアサイクルの期間は男性で3~5年、女性で4~6年と若干異なります。
そして、ヘアサイクルの乱れによる薄毛の原因も男女で異なります。
男性は成長期の期間が短くなることで抜け毛が増えますが、女性は休止期が長くなることが原因となって薄毛になることが多いです。
抜け毛=ヘアサイクルの乱れとは限らない
※男性の短髪を想定した、100本の短い抜け毛量
正常なヘアサイクルは1日に50本~100本程度の毛髪が抜け落ち、その半数(およそ25~50本)は洗髪時に抜けると言われています。
しかし、ヘアサイクルが乱れるとこの量以上に抜け毛が多くなってしまうのです。判断要素のひとつとして、成長しきっていない短い抜け毛が多い場合は、ヘアサイクルが乱れている可能性があります。
異常な抜け毛の見極め方
自然な抜け毛なのか、ヘアサイクルの乱れによる薄毛に繋がる抜け毛なのかを見極めるのは難しいですが、抜け毛の毛根を見ればおおよその見当がつきます。
イラストにあるように、次のような抜け毛は危険です。
- 白い付着物と粘つきがある
- ヒゲのようなものがある(細い)
- くびれがある
- そもそも毛根自体がない
自然な抜け毛は、毛根にぷっくりと膨らみがあるのが特徴です。ヘアサイクルの乱れが心配な方は、抜けた毛の毛根をチェックしましょう。
ヘアサイクルの回復期間は3ヶ月
毛髪が抜けた毛穴から新しい毛髪が生えてくるのは、退行期に入ってからおおよそ3ヶ月後です。
退行期~休止期のおおよそ3ヶ月をかけて、毛髪は抜け落ち、新しい発毛準備を整えます。
正常なヘアサイクルと乱れたヘアサイクル
ヘアサイクルが1サイクルを終えるのは、正常であれば3~6年はかかります。しかし、ヘアサイクルが乱れると1サイクルが数ヶ月~1年で終わってしまいます。これはヘアサイクルの成長期が短くなっているのです。
通常なら、生えている毛髪全体の80~90%は成長期にある毛髪ですが、ヘアサイクルが乱れるとその割合が低くなり、休止期にある毛髪の割合が増えてしまいます。当然、抜け毛が増えるので、薄毛になってしまうのです。
ヘアサイクルには「季節性」もある
よく「秋になると抜け毛が多くなる」という方がいますが、これは紫外線量が多い夏に受けたダメージが秋に表れるためです。
休止期の毛髪の量が最も多くなるのは、紫外線によるダメージを受けやすい7月・8月ですが、休止期(3ヶ月間)を経て、秋に抜け毛が増えるのです。
また、春先は花粉の影響で頭皮環境が乱れて、抜け毛が増えることもあります。季節性の抜け毛に対しては、季節に合わせた対策をすることが大切です。
ヘアサイクルが乱れる4つの理由
ここからは、ヘアサイクルが乱れる主な理由を4つ紹介します。
理由➀ 生活習慣の乱れ
生活習慣の乱れは、そのままヘアサイクルの乱れに直結します。
例えば、睡眠不足は髪の毛の生成・成長に欠かせない成長ホルモンの分泌を鈍化させます。
偏った食生活は、髪の毛に必要な栄養が摂れないだけでなく、ファストフートや揚げ物などの脂っこい食事ばかりだと、過剰な皮脂分泌によって頭皮環境が悪化することもあります。
また、喫煙習慣のある方だと、タバコのニコチンによって血行が悪化して頭皮に十分な栄養が行き渡らないことも考えられます。運動不足であることも、頭皮の血行の滞りに繋がるため、見直すべきポイントです。
理由② ストレス
過剰なストレスは自律神経の乱れを招きます。自律神経が乱れると血行が悪化するだけでなく、睡眠不足や、食欲不振に陥ることもあるでしょう。
ストレスによる抜け毛は「円形脱毛症」や「抜毛症」など、局部的な薄毛になる可能性も高いのが特徴です。
ストレスによる薄毛について、詳しくは医師監修のもと『「ストレスと抜け毛は関係ない」のウソホント』の記事で解説しています。
理由③ 加齢
髪の毛は毛母細胞が増殖することによって生成・成長しますが、年を取るごとにその働きは落ちていきます。
加齢自体は防ぎようのないことですが、それ以外の要因(生活習慣やストレスなど)でヘアサイクルの乱れを加速させないように気をつけましょう。
理由④ AGA(男性型脱毛症)
AGAとは、男性型脱毛症のことであり、男性ホルモンのひとつであるテストステロンが5αリダクターゼという酵素と結合し、DHT(ジヒドロテストステロン)に変わることで起こる進行性の脱毛症です。このDHTが、髪の毛の細胞の働きを低下させ、成長を抑制することになります。
AGAによるヘアサイクルの乱れは自力で改善することは難しく、進行性であるため、放置することで薄毛が悪化していきます。
ここで紹介したヘアサイクルが乱れる理由を含め、薄毛になる原因については「男性の薄毛・抜け毛の原因は?髪が生える基礎知識とセルフチェック法」で詳しく解説しています。
乱れたヘアサイクルを正常に戻す4つの方法
乱れたヘアサイクルを正常に戻すためには、何よりも日々のケアが欠かせません。ここではヘアサイクルを改善する代表的な4つの方法を紹介します。
生活習慣を見直す
生活習慣の改善はヘアサイクルを正常に戻すためには不可欠ですが、とくに食生活の改善が効果的です。なぜなら、髪の毛は食事から摂る栄養によって作られているからです。
髪の毛に良い栄養素とは?
髪の毛の生成・成長のために必要な主な栄養素は次の3つです。
- タンパク質
- ミネラル
- ビタミン
この3つがバランス良く含まれている食材、料理を意識的に摂るようにしましょう。具体的には、納豆や牡蠣、レバーなどです。
ファストフードや甘いお菓子など栄養バランスが偏っているものはできるだけ避けるようにしましょう。
どういう食事が良いのか、薄毛改善が期待できる神(髪)メニューなどについては「薄毛は食べ物で改善できる~髪に良い食べ方、食べ合わせ~」の記事で詳しく解説しています。
ストレスを解消・軽減する
仕事などのストレスがヘアサイクルの乱れを招いていると考えられる場合は、そのストレスを解消したり軽減したりすることを最優先させましょう。
ストレス発散方法は人それぞれなので、自分にあった解消法を見つけましょう。
- 運動をする
- 人とおしゃべりする
- 深呼吸をする
- ストレス発散グッズを使う ……など
またストレスを軽減させるだけでなく、読書や映画鑑賞をするなど、ストレスを忘れられる時間を作ると良いでしょう。
ストレス解消のためにタバコを吸うことは頭皮の血行が悪くなってしまい、髪のことを考えると逆効果になってしまうので絶対にやめましょう。
抜け毛・薄毛のホームケアをする
ヘアサイクルの改善には、身体の内面だけでなく外側からのアプローチも有効です。
代表的なのは育毛剤です。育毛剤を使って頭皮に必要な栄養を届けることで、頭皮環境の改善を期待できます。
育毛剤の効果をさらに高めるために、頭皮のことを考えて作られたスカルプシャンプーを使用するのも良いでしょう。
薄毛対策に幅広くサービスを展開するメーカーであるスヴェンソンの薬用育毛剤「へアライズ ボルト」は、配合成分「タケノコ皮抽出液」が休止期から成長期へ移行させる因子の合成を促進させ、正常な毛周期サイクルにアプローチを実現します。
薬用育毛剤「へアライズ ボルト」について詳しくは以下からご確認ください。
育毛剤を使用する際は、一緒に軽く頭皮マッサージを行うのがおすすめです。頭皮の血行が促進されて、より有効成分が行き渡ります。毎日の習慣として、継続して行うようにしましょう。
ヘアサロンでプロのケアを受ける
ヘアケアやスカルプケアは自宅でもできますが、薄毛に詳しい専門スタッフがいるサロンでケアをしてもらうことでより高い効果が期待できます。
スヴェンソンはホームケアだけでなく、薄毛専門美容室を運営しており、カットサービスやスカルプケアサービスを提供しています。
スヴェンソンの「TIスカルプコントロール」では、専門スタッフが血行促進~頭皮維持まで6つのステップでしっかりとケアします。頭皮洗浄プログラムでは、頭皮の新陳代謝が促進され、毛母細胞が活性化します。
本格ケアをリーズナブルに受けられるTIスカルプコントロールについて、詳しくは以下の公式サイトをご覧ください。
「TIスカルプコントロール」で本格育毛ケア 自分の髪を大切にしたい全ての男性へ贈る、スヴェンソンの育毛プログラム。7つのステップであなたの頭皮を徹底ケア。毛髪のプロが毎日のセルフケアもサポートします。
ヘアサイクルを即座に改善するのは難しい
これまでに紹介した生活習慣の見直しやヘアケア・スカルプケアによってヘアサイクルは改善するものの、劇的に変わるわけではなく、徐々に良くなっていきます。
また、場合によっては完全に戻らないこともあります。ヘアサイクルの改善は非常に難しいのです。そんなときには、以下で紹介する対策を取り入れてみましょう。
ヘアサイクルがなかなか回復しない場合の対策
薄毛専門美容室スヴェンソンは、髪型を変えるように髪を増やすことが自然な選択肢になってほしいと考えています。「増髪(ぞうはつ)」というコンセプトのもと、髪を増やすことは男磨きのひとつとして、様々なサービスを提供しています。
デザインカット
思ったように抜け毛が減らず、薄毛が目立つのが気になる方は、髪型を変えてみるのがおすすめです。下の男性のように、髪型を工夫するだけでも薄毛の印象は大きく変わります。
※薄毛専門美容室スヴェンソンの「デザインカット」によるビフォー・アフター
薄毛専門美容室スヴェンソンの「デザインカット」は、頭皮クレンジング等のオプションと合わせてご利用いただけます。専門スタイリストによるカットやスタイリングはもちろん、髪の悩みに関する相談に対してアドバイスも行っているので、抜け毛や薄毛に悩む方の強い味方です。
施術はプライベート空間のため、他の人の目を気にすることなく気軽に相談することができます。
スヴェンソンのデザインカットについて、詳しくは以下の公式サイトをご覧ください。
ウィッグ増髪
※スヴェンソンの「編み込み式増髪(ウィッグ)」によるビフォー・アフター
髪型を変えるだけだと薄毛をカバーできないような場合には、ウィッグの利用を検討するのも良いでしょう。
スヴェンソンのウィッグ増髪サービスは「着脱式(金具式)」と「編み込み式」から選ぶことができますが、特におすすめするのが「編み込み式」です。
ウィッグ本体を特殊な糸で頭に編み込んで固定するので、日常生活でズレたり外れたりする心配は無用。髪を気にせずスポーツが出来るだけでなく、ウィッグを着けたままシャンプーもできるので、頭皮を常に清潔な状態に保っておくことができます。
ウィッグサービスについて、詳しくは「バレないメンズウィッグの選び方とは?バレやすい7つのケースと対策を紹介」の記事でも解説していますので、興味のある方はあわせて読んでみてくださいね。
参考文献
AGAスキンクリニック 「【医師監修】毛周期(ヘアサイクル)とは?AGAとの関係について」
ノワール大宮クリニック「薄毛対策はヘアサイクル(毛周期)の仕組みを知ることから【AGA基礎知識】」
CLINIC FOR (クリニックフォア)「ヘアサイクルとは?抜け毛や薄毛との関係性など医師が解説します」
AGAタイムス「【医師コメントつき】ヘアサイクルの乱れが薄毛を招く?そのメカニズムと対処法」
公開日:2021/09/30